オンライン(ZOOM)での教育実践の検討

はじめに
全障研学びの“わ”プロジェクトでは、オンラインで「障害者問題研究」誌に発表されていた教育実践記録をもとに、実践を検討する学習会をこれまでに3回開催してきました。
オンラインのセミナーや学習会も増えてきて、受ける方も発信する方もノウハウが蓄積してきましたが、「実践を検討する」ためにはさらに工夫が必要だと感じています。
これからオンラインで実践を検討する学習会を考えている方に向けて、全障研学びの“わ”プロジェクトのノウハウを公開します。


(1)1回の学習会は2時間
学びの“わ”プロジェクトの学習会では毎回1つの実践報告を取り上げ、時間は2時間としています。
会場までの移動がなく、気軽に参加できるとはいえ、オンラインでの会議や学習会は案外疲れます。
実践報告は30〜40分としてもらいます。「障害者問題研究」誌の「実践に学ぶ」のコーナーでは6ページですが、誌面の都合でカットしたことや実践の背景などを語ってもらうということになると、報告だけでも長くなってしまいます。
参加者には「障害者問題研究」に掲載された実践報告とコメントをあらかじめ読んでおいてもらうことにしています。さらに、実践報告を読んで、当日聞きたいこと、討論で深めたいことなどをあらかじめメールで意見を寄せてもらいます。
当日は、実践を深く学ぶために実践報告者には誌面の行間の部分を語ってもらうようにしています。
誌面でコメント(4ページ)を寄せてくれている人にも参加してもらっていますが、15〜20分程度の発言でまとめてもらうようにしています。

(2)実践報告者、コメンテーターを交えた打ち合わせ
司会者・運営者と実践報告者、コメンテーターを交えた打ち合わせは必須です。開催の2週間前くらいまでに打ち合わせしておくことをおすすめします。
実践の報告者にはどこを重点に報告してもらうのか、参加者から事前に寄せられた質問なども参考に当日の発言を依頼しておくことも話し合っておきます。
打ち合わせをふまえ、実践報告者やコメンテーターには当日用の資料などを用意してもらうこともお願いしています。

(3)画面共有する発表用のスライドや動画のバックアップを用意しておく
実践報告者が発表用にスライドや動画を用意することがあります。もちろんご自身で画面共有していただければいいのですが、操作が苦手な場合には運営者が変わって操作をします。
また、トラブルの発生に備えて運営者がバックアップを用意しておくとよいでしょう。

(4)事後の感想も含めて実践の検討を深める
参加者の人数にもよりますが、学習会当日に全員の発言を保証することは紺案です。そこで、参加しての感想を寄せてもらうことにしています。そうした感想をメールニュースに載せて、事後にも意見交換をして実践検討が深まるように工夫しています。

(5)その他の運営上の工夫
●参加者は50人以下でZOOMのギャラリービューで1画面に収まるくらいが運営しやすいでしょう。司会者や運営者が参加者の表情を確かめながら進行をすることができます。
●複数人で司会と運営を担い、できれば同じ場所に集って運営することが望ましいと思います。
●はじめに短時間で参加者の自己紹介をします。
オンラインでの学習会なので、今まで接点のない人も参加しているので、カメラをオンにして自己紹介をお願いしています。
●チャットはできるだけ少なくして、発表や討議に集中できるようにします。
チャットに慣れていない人もいます。また、チャットで別の論議が展開してしまうこともありますので、必要最低限の連絡に制限した利用がよいでしょう。

おわりに
新型コロナ感染が収まってきて、各地の支部やサークルでは徐々に対面の集まりも増えてきました。
しかし、今後もオンラインでの学習会のニーズがなくなることはないと思います。
オンラインでの実践検討には、対面での実践検討とは違う苦労・困難があります。
学びの“わ”プロジェクトの経験が各地でオンラインの実践検討をしてみたいという人の少しでも参考になればと思っています。

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