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【高校物理】共通テスト対策 2024

ここ5年は,共通テスト(センター試験)の10日ほど前から
「共通テスト(センター試験)対策」と称して,
分野ごとに毎日数題ずつ出題し,解答解説も行ってきました。


今年も,授業中に生徒に解かせた問題の中から,
・ 正答率の低かった問題
・ 共通テスト直前のこの時期に復習してほしい問題
・ 一次試験対策期間なのだけれど,二次私大試験にもつながる問題
を選んで大問を数問ずつ分野別にポストします。
その内容を,この note にまとめていきます。

X(旧:ツイッタ)に投稿してから,
できればその日中に note にも投稿(追加)していく方式をとります。

今回の「共通テスト対策2024」では,
基本を再確認できる問題を多く採用しました。
簡単そうに見える問題でもていねいに解いてください。
きっと疎かにしていた基本事項が明らかになりますよ。

どの問題からでも解くことができます。
興味のわいた問題だけでもいいので是非解いてみてください!

マナブ


【共通テスト対策】その1 力学1
(束縛条件・分裂・作用反作用の法則)

受験生が苦手としている問題は,
・図形的な要素が絡んでくる(束縛条件など)
相対速度,相対加速度(観測者を自分で設定する)
・1本の式を立てただけでは解けない(二層構造
定義(用語,関係式)を知っていないと解けない
・いつもと異なる設定,問われ方である(ひっかけ

昨年に引き続き,今回も上記の問題を集めてみました。
さらに今年は,(二次対策も含めて)
その選択肢を選ぶ理由を追求してみます。
まずは「力学」です。
何となく…では解けない問題ばかりです。
必ず立式して,集中して解いてください

解答・解説では,
重要な用語や考え方はゴシック(太文字)にしています。
抜けているところがあれば教科書にもどろう。

問題1,問題3は「束縛条件」を問われた問題でした。
ポスト内にも上げておきましたが,「束縛条件」を基本から解説した
「特講 束縛条件」のリンクを上げておきます。
問題1は特講の「講義5」,問題3は「実戦問題10」を参照しよう。


【共通テスト対策】その2 電磁気1
(電場・電位・回路中のコイルのふるまい)

【問題1】は「電位」をテーマした問題です。
電位を出題すると,それだけで正答率は下がります。
電位の基準点が変更されるとさらに下がります。
点電荷および一様電場のつくる電位を計算できるようになろう。
そして,回路中のある点の電位も求められるように。
考え方は,空間でも回路でも同じです。
基準点から見たその点の電気的な高さ
(単位電荷あたりの位置エネルギー)を求めるのです。

【問題2】は,実質的には力学の問題です。
「保存則を正確に立てられるかどうか」が問われます。

【問題3】は,回路中のコイルのふるまいを考えさせる問題です。
東京理科大学理学部の過去問 (2009年) です。
(少しだけ選択肢をいじりました)
最後の問題は,
入試ではグラフを描かせることはまずありませんが,
理由を述べた上で選択できるようになろう。


【共通テスト対策】その3 力学2
(単振動・衝突・運動の対称性)

力学の問題は多岐にわたるので,どの問題を選ぶか毎回悩みます。
今回取り上げられなかった「円運動」「万有引力」
(「円運動」は他分野で後ほど扱います)
はもちろん重要なのですが,
ここでは,
特に「考え方・式の立て方」に焦点を当てた問題を選びました。
それは次のような問題です。
・より計算量が少ない解法がある(対称性に注目する)問題
・「使用できる物理量」を選択肢で予め確認しなければならない問題
保存則が成り立たないときの対処が必要な問題
・1本の方程式を解くだけでは答えにたどり着かない二層構造の問題

【問題1】
注目物体にはたらく力は,まずは重力(やクーロン力など)の遠隔力,
あとは,接触している物体から受ける接触力です。
おもりAにはおもりBの重力は直接はたらきません。
Aは,ばねの弾性力という形で下向きに引っ張られます。
おもりBの運動については,
鉛直方向の単振動の対称性をうまく利用してください。

【問題2】
問4は二次レベルの問題です。
単独で出題されると,箱に衝突するときの高さを未知量にして,
さらに関係式を増やしてしまう人がいます。
これはとんでもない二次方程式を解くことになります。
等加速度運動の1番目の公式を使うことをまずは考えよう。
(1次方程式ならば,答えは1つなので,吟味する必要なし)
これも鉛直方向の運動の対称性を利用しよう。


【共通テスト対策】その4 電磁気2
(電磁誘導・エネルギー収支・イオンの運動)

磁気分野は「電磁誘導」が外せません。
問題1は,外力およびアンペール力で導体棒を動かす典型的な問題。
最後の問題は,力学的な仕事を定義どおり求めるか,
系のエネルギー収支で求めるか,判断する問題です。
別解を是非考えてみてください。

問題2は,磁場中を進む荷電粒子の運動を考察する問題。
荷電粒子が磁場から力を受けて描く図形を問う問題は,
記述式の問題としました。
描く図形の大きさがどの物理量でどれだけ変化するのかを
数式で判断する必要があります。


【共通テスト対策】その5 波動
(反射干渉・音波の性質・ドップラー効果)

問題1「二点波源問題」
一見,一点波源なのですが,時間が経過すると反射波も現れるので,
二点波源問題としてとらえることができます。
節線・腹線を実際に描いてみるとやるべきことが見えてきます。
問題2「音波の性質に関する問題」
小問集合で出題される可能性が高いと考えている問題。
問題3「ドップラー効果」
音源が単振動するタイプのドップラー効果。
グラフの概形を選択する問題では近似式を使います。

波動問題は,
ここで取り上げた問題以外にもたくさんの設定のパターンがあります
ポストの中では「光波」について紹介しましたが,
「波動」全般について,
気になる(確認しておきたい)設定の問題があれば,
下のリンク先を参照してみてください。


【共通テスト対策】その6 熱力学
(比熱・熱効率・気体の分子運動論)

問題1
今回の問題では「比熱」と熱量の関係式を立てましたが,
「熱容量」についても押さえておこう。
熱容量:物体の温度を1K上げるのに必要な熱量。
比熱は,純物質に対して用いられ,
熱容量は,さまざまな物質で構成される物体に対して用いられます。
問題2
熱効率の定義式を熱力学第𝟏法則で変形して熱量のみで表します。
問題3
力学と熱力学が融合する問題です。
力積 𝑰=𝑭・𝒕 において,𝒕=𝟏 のとき 𝑰=𝑭
すなわち,単位時間あたりの力積=力 です。


【共通テスト対策】その7 原子物理
(原子の構造・反応のQ値・光電効果など)

どこから復習すればいいか分からない人のために,
「最低限これだけは」というものを厳選しました。

「水素原子の構造」
「原子核反応 反応のQ値」
「光電効果」
「放射性崩壊」
「指数関数的変化,水温の変化」

今回扱った問題の解説の中で気になる物理用語があれば,
下のリンク先にその説明があります。参考にしてください。


【共通テスト対策】その8 小問集合
(身近な現象,4層構造問題,半減期など)

小問集合は,いわゆる “難問” は出題しにくいのですが,
2層構造の問題の出題は考えられます
今回は「4層構造」の問題を出題してみました(二次・私大レベル)。

小問集合は,すぐに頭を切り替えなければならない難しさがあります。
一つ目の選択肢が明らかに答えだと分かれば,
以下の選択肢を見ない勇気も必要です。
また,ひっかけ問題も考えられます(個人的には好きではないですが)。

では,この問題の解説を読んで,共通テストに臨んでください!


では,明日からの共通テスト,
自分の力が出し切れますように。

マナブ

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