見出し画像

イルカをめぐる冒険

画家の小磯竜也さんと共作絵本「ざぶーん ざぶーん」をつくりました。小磯さんは、わたしの歌のアートワークを沢山手がけてくださっている方です。今回の絵本では、わたしは文を担当しています。

画像1

そして、その絵本の原画展を、東京のBONUS TRACK GALLERYで8/10から8/17まで行いました。

画像2

そもそも自分が先日立ち上げたレーベル「G.O.D. Records」も、7/21にリリースした「Girl On a Dolphin」という楽曲も、絵本「ざぶーん ざぶーん」もすべてアイデアは繋がっていて、草案は2020年の1回目の緊急事態宣言の最中に思いついたもの。

「Girl On a Dolphine」Music Video ▼


画像3

未曾有の事態でライブも仕事も飛んだ我々は、暇を持て余してのんきにzoomで定期お茶会をしていたのですが、いよいよひますぎるから何か作ろうという話になりました。
その際に、ひとつのテーマで絵本と曲をつくろうという話になって、じゃああそこのギャラリーで展覧会をしようとか、こんな風にしようとか、どんどんとイメージが膨らんでいったのです。
当初は西荻窪にあるギャラリーで展覧会をしようと計画していて、緊急事態宣言が明けた頃、下見で街を歩いていると、『BOY ON A DOLPHIN』という看板が目に入りました。
なんとなくピンときた我々は、じゃあそれをもじって「『GIRL ON A DOLPHIN』をテーマにしよう!」と、軸を決めました。
当初は『架空のレーベルを作ってそれもテーマにしよう』と話していて、結局架空じゃなくてほんとうに作っちゃったのが「G.O.D. Records」。

このご時世っていうやつと各々の活動などで、曲、絵本、レーベル、展覧会、すべてが揃ったのは、1年後の夏、つまり2021年夏のことでした。

コロナ禍でわたし個人がとても恐ろしく感じたのは、「流れ」のようなものがぶちっと途切れる感覚で、それは〝ことの流れ〟とか〝場のフィーリング〟とか、極めて曖昧なものです。
そしてわたしはその曖昧な感覚を頼りに、ずーっと歌って生きてきたんだと思います。
ぼんやりしているけれどなんとなくそこにあって、少しずつピントを合わせ、折り重なり出来ていくもの。最初から分かるそれとは異なる、捉えながら同時に形造られていくもの。わたしの主戦場のライブやイベントはまさにそうで、やってみなくちゃわからない、インプロビゼーションです。
きっかけが細胞分裂してアイデアになり、人と関わり場所に出向き、流れの中を漕いで名の無い岸に辿り着くという創造のひとつを、この時に、個人的な意思としてできたこと。
わたしは未来に、この空気を残したい。
全体のことになるとどうしても悩み言い澱んでしまうし、正直この時期の開催には考えさせられたし、納得をどう製造しても歪んでしまいます。
ナイスなチョイスはできないぜ、どのカードもジョーカーだ、と言われてるみたいな日々。
来てくださった方、来れなかった方、来なかった方、各自考えた末の行動はすべて尊重されるべきだと思います。そして、そうある歌や場所を作っていきたい。その上でまずは、感染対策に全面協力してくださった来場者のみなさまには感謝しかありません。

ギャラリーではライブも行いました。絵本の朗読と共に「Girl On a Dolphin」をギターと一緒に歌いました。作家とのイベントで歌う時は、「わたしはこれよ」という気持ちで歌います。プリミティブにね!

永原真夏- Live at BONUS TRACK GALLERY 2021.08.15▼



あと、後付けだけど、イルカっていうモチーフもとっても良かった。エコーロケーションなど周波数のイメージが歌に近いし、流線型の身体がかわいい。海中の哺乳類。
曲もまだ聴いてない方はどうぞ聴いてみてね。夏が終わる前に聴くのがおすすめだよ。


今日、撤収のためにBONUS TRACKに寄ったら、展示が行われていた場所にはテーブルが置いてあって、女の子たちが楽しそうに食事をしていました。
夜が空けたらイルカはコロッケになったのね。
わたしのこころはまだ昨日と今日の隙間、風が冷たくて太陽があたたかい。なんてきれいな8月でしょう。



無料開放を理念としておりますが、投げ銭をくださった際にはお菓子を買ってみんなに配ろうと思います