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まなっちゃん・ありりによる、音沙汰「Musicalium」セルフライナーノーツ


音沙汰の1st Full Album「Musicalium」を発売してから、早いもので二週間が経ちます。

聴いたよ、と、SNSや会場でメッセージやコメントを頂くたびに、嬉しいな、ありがとうと、あたたかな気持ちになっています。ほくほくしています。
Instagramでメンションして頂いた感想などには、すべて目を通しています。ぜひ、活用して、感想を教えてね!

そして、明後日、10/8福島公演から、いよいよ「Musicalium Tour」がはじまります。

「Musicalium」ツアーフライヤー

ツアー前に、「Musicalium」について改めて、どんなアルバムかお伝えしたいなと思い、二人でセルフライナーノーツを書きました。
ぜひ聴いて、ツアーにお越しくださったら嬉しいです。

それでは、さっそくいってみよう!

〝まなっちゃん・ありりによる
「Musicalium」セルフライナーノーツ〟

「Musicalium」CD

1.Teenage Star

コーラスワークを中心とした曲を作りたいな、と思って作った曲。音沙汰は二人組なので、一人の弾き語りではできないこと、二人いるからできることを、今回のアルバムでは沢山詰め込みたいなあと思っていました。二人で歌うのは楽しいです。
歌詞のテーマは「疑問」で、その疑問はどこから来るんだろうと考えたとき、思春期からずっと続いているんだなと気づいたことから、このタイトル、内容になりました。
(真夏)

真夏から曲が送られてきた時、タイムスリップして過去の生活を陰から見ているような、懐かしいともなんとも言えない気持ちになりました。
あの頃過ごしていた世界と、今だから見える、問いかけられる事を、真夏の送ってくれたデモに対して考え、最初はあの頃の自分、最後の最後は今の自分という形でピアノをのせていきました。
曲を演奏していても色んな感情が掻き立てられる一曲です。
(ありり)


2.花束密売人

デモでありりから頂いたピアノがすごく展開の多いおもしろいアレンジだったので、ストーリーを乗せるように作りました。テーマは、スタジオ後にみんなで「危ないお仕事をもしやるとしたら何がいい?」と遊びでお話ししていて、わたしが「世界中を飛び回る麻薬の密売人!」と閃いたことから。
いまも、音楽というものを自分で栽培して売っている、と考えると、花を見つけて、種を植えて、いろんな場所で咲かせる、そんな主人公が浮かびました。
(真夏)

最初にピアノのデモを作ったのですが、アルバムを作るにあたって真夏と”ヒーリング””ストーリー”という2つのテーマを決めていて、個人的にその時から作りたいと思っていたのがどちらのテーマにも繋がると思っている人生の紆余曲折でした。
苦かったり、痛かったり、暖かかったり、また急に冷たくなったり、色んな色んなことがごちゃ混ぜになった先の「解放」という癒しをピアノで表現したく作ったのですが、そこに真夏の歌詞とメロディーが合わさったのを初めて聴いた時、やられた、、、私の思う最高が超最高になって返ってきた。と感動したのを覚えています。
個人的に考えていたものが最高の形で出来たのと、自分の想像の更に上をいく真夏に良い意味で打たれたのとで、衝撃が走った一曲です。
(ありり)

「ふたりでひとつより、ふたりでふたりぶん」

3.星影飛行

この曲の、「光が信じていたように 僕も闇を信じたいな」という一節は、このアルバムの一番のお気に入りの歌詞です。
闇を編んで影を光に捧げる主人公の物語。そんな風に、光と影を生きるいきものたちへの讃美歌がテーマです。間奏のピアノソロで、主人公がせっせと働いている姿が浮かんで素敵です。
(真夏)

私が好きな真夏の歌詞の特徴の一つが、現実と非現実の狭間の表現なのですが、この曲はまさにそうだなと思っています。
ストーリーの中の言葉たちが生き生きとしていて、キャラクター性があって、だけど現実世界で生きている中での救いみたいなものも入っていて、今回のアルバムのテーマにぴったりな楽曲。
その世界を彩る、想像を膨らませる要素として寄り添えるように楽曲の流れを組みました。
メロディーと言葉の美しさが一体となって、優しく強い力を纏っている曲だと思います。
(ありり)

4.1000年後の僕たちへ

もし、ほとんどの人類が滅亡して、自分だけが生き残ったら?そんな未来に、辿り着いてしまったら?というのは、さまざまな映画や漫画、小説になっている、大きな大きなテーマです。
そのテーマを、わたしたちなりに、朗読とピアノで形にした曲。
息を合わせて進めていかないとずれてしまうので、各々別々な時間軸なようでいて、一番呼吸を合わせた曲。
(真夏)

これはもう兎にも角にも詩の表現の秀逸さに最初は圧倒されました。
朗読が送られてきた時点で真夏の中にイメージがあったので、そのイメージを大元に詩を拾いつつ、読んで感じた肝と思う部分とストーリーの背景を考えながら、頭の中で絵や色合いや映像として想像して、コード進行やフレーズ当てはめ方などを考えました。
曲が始まった瞬間から、周りに一気に違う空気が流れてきて、時代も気温も姿形もあるようで無いような、部屋の中にいるのに全く別の場所に自分だけ転写されたような、そんな不思議な気持ちになる曲です。
(ありり)


photo by Daisuke Murakami


5.My Life with 麻婆

麻婆豆腐が好きな気持ちが溢れて作りました。合奏するのも歌うのも、とっても楽しい曲です。ラテンの気分で麻婆豆腐と向き合っていたので、ありりにお願いしてラテン調のアレンジをしてもらいました。ピアノがしっかりしているので、ウクレレはラフに楽しくできました。ライブで一緒に歌ってね。
(真夏)

真夏が麻婆豆腐にはまったことから作られた楽曲。
音沙汰としてはここまでがっつりとラテン調の曲を作ったのは初めてです。
曲調のイメージは元からあったので、そこへ曲調にはまりすぎないように、ナポリ、スペイン、日本、中国など様々な要素を取り入れて遊び心を足してみました。

知っている人は分かるくらいの、微かな感じで色々なフレーズも織り交ぜてみているので、そこも個人的注目ポイントです。
真夏のウクレレが楽曲の雰囲気を盛り上げているのと、後半になるにつれレコーディング時に思わず「おお!」と声を上げてしまったウクレレセンスが光っている箇所があるので、そこも必聴。
後はライブで一緒に楽しめる楽曲なので、一緒に歌えたら嬉しいです。
(ありり)

ユニコーンと恐竜が「Musicalium」のガーディアン

6.ねこねこねこね

ウクレレをぽろぽろと弾きながら生まれた曲。遊びで作ったのですが、気に入ってアルバムに収録。お部屋で子猫の隣で歌うように、スタジオで一発録りしました。
二人とも猫好きなので、アレンジはすんなり。ピアノが子猫そのものでかわいい。ちなみにわたしは血統書付きの猫というよりも、雑種というか、ご近所の塀の上をしゃなりと歩いているような、漁港のギャングのような猫が好きです。
(真夏)

猫を飼ったことがある方なら、この曲を聴きながら大きく頷くポイントが沢山あるのでは無いでしょうか。
私も実家でずっと猫がいる生活をしていたので、本当に微笑ましいのと、楽しい中にもガックリくるようなあの瞬間と、猫との色々な場面を思い起こしながら作っていきました。
猫のイメージにぴったりなウクレレのフレーズから始まり、曲を聴いている間ずっと周りで子猫が遊びまわっているような暖かい雰囲気で作れた一曲だと思います。
(ありり)


7.他人の名誉

あれもこれも他人の名誉よ、という冷めた気分を、演奏で表現しました。ウクレレから作ったのですが、弦をさらら、と鳴らすたびに、さようなら、と、絡まってしまった事柄たちへ、お別れを言っているきもちになる曲です。
(真夏)

「他人の名誉」という言葉だけで既にパンチライン。
短い歌詞だけで色々な事柄を物語っている、衝撃的な歌詞だと思います。
最初と最後のみに詞がついているのも個人的ポイント。
そこに詰まっているものを世界観として広げていくために、色々な場面、リズム、古典クラシック、現代クラシック、アジア音階、ループなどを、かなり頭で構築して積み上げて作っていきました。
楽曲の静かな美しさと、歌詞の静かな衝撃波が絶妙な楽曲だと思います。
(ありり)

photo by Koudai Uwabo

8.美しい森

群馬県に遊びに行ったとき、一人で森の中を歩いていたら浮かんできた曲。そこにはエメラルドグリーンのきれいな湖があって、豊かな緑、大きな空気がありました。その中に立っていると、思い通りにはいかないことや、自分の間違ってしまったこと、受け止めきれないことが、どんどんと露わになり、歌になっていきました。
RECのときに、エンジニアのあゆくんが「歌を待っている素晴らしいピアノだね!」と言っていて、本当にそうだなあと感動しました。
(真夏)

このアルバムのリード曲です。
私のおすすめは、楽曲を聴いた後、一旦歌詞だけを読んでみて下さい。
とても大切に思っている心の中を、鮮明に訴えかけるように言葉で語られていて、短編を読んだような、それくらいストーリに入り込める、ぐさっと刺さる歌詞になっています。
真夏から送られてきた時、この詞で十分、十二分に込み上げるものがあったので、これ以上何か加えたり、世界を広げたりするのでは無く、この詞とメロディー、ストーリーの置き所になれたらと思い、楽曲を仕上げていきました。
本当に詞に導かれて出来た楽曲だと思います。
(ありり)


9.最高はこれから

最高の瞬間は今だ、と思ったことって、いままであまり経験したことがないなと思ったことから着想を得た曲です。あの時は最高だった、もしくは、これから最高にしていこうと、過去か未来への言葉として発することが多いです。
それは、死ぬ間際まで、命がある限りそうなんじゃないかしら、と思いました。
だけど、「最高にしよう」ではなく「最高はこれから」にしたのは、やっぱりその中に祈りがあるからです。お守りのような曲。
(真夏)

アルバムの中で一番初めに作った楽曲です。
癒しをテーマに、曲調、楽曲のキー、使う音階など含め、最大限の癒しを曲に込めて作りました。
讃美歌などの教会音楽のように癒しや救いの為に作られている曲たちと同じく、音沙汰からそいういったパワーを届けられるよう、また自分も、自分の身近な人も、この楽曲を聴いてふとした瞬間に救われるような、そんな楽曲になったらと思いながら仕上げました。
「最高はこれから」という言葉は、いついかなる時も、自分自身で持ち歩ける最高なお守りのような言葉だと思います。
自分の為にも、大事な人の為にも、大切にしていきたい、そんな言葉が詰まった楽曲です。
(ありり)

photo by Hinako Saruta


以上、「Musicalium」9曲に纏わる、わたしたちのセルフライナーノーツでした。
最後に、発売日に出したコメントを。

リリースコメント

これから、「Musicalium」がツアーを経て、どんな風になっていくのかがとっても楽しみです。

それではみなさま、ツアー会場でお会いしましょう!

音沙汰でした✧




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