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モデルオーディションを受けた話

「マナさん、絶対モデル向いてますよ~!独特の世界観ありますもん!」

おだて上手な後輩の言葉でいい気になった私は、早速モデル事務所に応募した。彼女とのモデルごっこの翌日、終電で帰宅中の出来事だ。ここは書類審査では顔アップとボディラインが分かる全身写真の2枚をLINEで送ればよく、しかも新人発掘オーディションの締め切りまで残り30分だったからだ。そして、わくわくしながら帰路についたのだった。


事務所からLINEが来た。
どうやら書類選考を通過したらしい。
全然ボディライン見えてない写真(ミャンマーの民族衣装姿)送ったのに。とりあえず通すパターンなのか?

書類審査の次はスタイル審査・カメラ審査だという。
ノリで応募したくせに、ダメだしされたくない...コワイ...と躊躇していた私だが、
「けちょんけちょんに言われるとしても、こんな機会そう無いから、絶対行ってきた方がいい」
と彼氏に断言され、2週間後の審査はすっぽかさないことにした。

さて2次審査当日。都内にあるプロモデルスタジオにて。
まわりは全員白Tシャツ、私一人だけ花柄で完全に場違いじゃん!と思ったけれど、本当にお仕事がほしい訳ではなかったので、無鉄砲に目立てて楽しかった。事務所の人は別に気にしてなかったみたい。指定なかったし。

数メートルのランウェイをウォーキングした先に、社長含む3人の審査員が座っている。

審査員: 「チャームポイントはなんですか?」

私: 「1つ目は、首が長いことです。タイの首長族にも負けないと思います」

審査員: 「ぐるっと回ってみて。あぁ〜…そんなに長いかな笑?」

私: 「そうでもないですかね?
  まぁ、で、2つ目は、三白眼です。皆に愛でられる"デカ目"ではなくて、目つきが悪いのがずっとコンプレックスでした。でも高校生の時、VOGUEのモデルの多くが三白眼なことに気がついて。私コレじゃん、モード系ならいけるじゃん、と世界が開けた気持ちになりました。」

審査員: 「確かに三白眼だね。それは治そうとは思わなかったの?」

私: 「VOGUEのモデルに注目するまでは、治そうと自分で訓練してました。毎晩お風呂上がりに30秒間、目玉を限界まで下の方に向けてみたり。眼の周りの筋肉を鍛えれば治るかなって。でもモード系モデルを知ってからは、むしろ自分の三白眼が大好きになりました。頑張っても作れるものではないですし。」

審査員:  「流し目もいいわね。真顔だと確かに目つきは悪く見えるのかもしれないけど、あなたはその満面の笑顔がとっても素敵。やわらかい雰囲気があるし。クールな表情とのギャップがイイと思う。」


結局、落ちた。
うっかり進んじゃって事務所の所属とデビューが現実になってしまったらどうしようなんて妄想を膨らましかけていたので、正直ホッとした。今更言うけどカイシャ副業禁止だし。

ただ、今回の行動で学んだことがある。
それは、「身体で勝負する業界の人たちに、初対面で自分がどう見られるのか」ということだ。とてもお気楽なきもちで受けていたので、何を言われても新鮮な発見だった。

本気でモデルを目指している人たちの雰囲気も見れたし(そこはかなり由緒ある事務所らしい)、また一歩、面白いニンゲンに近づけた。

ずっと、ちょこっとはやってみたいと思っていた。そういう気になることには足を突っ込んでみたらいい。

実際、色々トゥルトゥル行動していたら、ご縁あって私の姿が映像で冨永愛さんのお目に入る機会にも繋がったのである(!!)

このやり方していたら、絶対いいジンセイになる。
これからも私はそうやって生きていくのだ。


何ヶ月か越しにようやく書いたぞ!
スッキリ!!💩