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#自営業最高

美容院を見るとジロジロのぞいて写真を撮ってしまいます。私の実家も美容院だから。おしゃれな今時の美容院じゃなくて、お客さんの平均年齢60才で、おばちゃんパーマのオーダーがほとんどって感じのお店です。

カッティングシートを駆使した「パーマ」の文字とか、色あせたちょっとダサいモデルのポスターとか、ぼさぼさの頭とか、女性セブンが置いてあるとか、だいたい火曜日休みとか。

旅行先とか近所とか、全国どこでもそっくりなお店が絶対あります。建物の作りも店内もまるでコピペでゾッとしたり、にやにやしたりする遊びをします。

じろじろ覗くと、暇そうなおじいちゃんが新聞を読んでたりします。お客さんがいない店先でだらだらしてるところも、すごいそっくりです。うちのお母さんもよく座ってうとうとしています。

そんな昭和量産型のうちの美容院では、お手製コーヒータイムや、お漬物をお披露目会や、お客さんの描いたぬり絵をびっしり飾る催しという具合に、お母さんオリジナルルールによって、どんどん改装されていきました。お母さんは、おばあちゃんが亡くなってひとりの店になってから、とうとう一席潰して、趣味の手芸部屋をぶち建てました。ある日帰ったら、知らない小部屋ができていて激しくビビったのを覚えています。

自営業は、誰とそっくりでも怒られないし、何をしても良いのです。ほんと、自営業は最高という姿勢はお母さんから学んだな。

(撮影:写ルンです/場所:TOKYO)

将来は、小さな連載を数本抱えているおばあちゃんになりたいです。