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『サスペリア』

映画史に名を刻むダリオ・アルジェントの傑作ホラーを、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督が大胆にアレンジし、オリジナル版とは異なる視点から新たに描いた。1977年、ベルリンの世界的舞踊団「マルコス・ダンス・カンパニー」に入団するため、米ボストンからやってきたスージー・バニヨンは、オーディションでカリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、すぐに大きな役を得る。しかし、マダム直々のレッスンを受ける彼女の周囲では不可解な出来事が続発し、ダンサーたちが次々と謎の失踪を遂げていく。一方、患者だった若きダンサーが姿をくらまし、その行方を捜していた心理療法士のクレンペラー博士が、舞踊団の闇に近づいていくが……。「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソンほか、ティルダ・スウィントン、クロエ・グレース・モレッツら豪華女優陣が共演。イギリスの世界的ロックバンド「レディオヘッド」のトム・ヨークが映画音楽を初めて担当した。撮影はグァダニーノ監督の前作「君の名前で僕を呼んで」に続き、「ブンミおじさんの森」などで知られるタイ出身のサヨムプー・ムックディープロム。(映画.comより)

ヒューマントラスト渋谷にて昼前の回で『サスペリア』を鑑賞。音楽をトーク・ヨークが担当していること、昔の作品のリメイク作品であるということぐらいしか知らずに観た。オリジナル版とはかなりプロットが違うというのをSNSで見たが、予告編等でのキャッチコピー「 決して、ひとりでは見ないでください」とあったが、一見見でこれって理解できるのか? 設定とか背景にあるもの。わりと途中からわかんなくなってきて、最後になんとなくあれがあれで、これがこうなってって感じにはなるが、「母」の存在と女性たちのコンテンポラリー・ダンスによる儀式なのか、仄暗さと血と踊り。

「母はあらゆる者の代わりにはなれるが、何物も母の代わりにはなれない」

肉体と精神の向こう側にあるような、根元としての血や母なる者たち、ホラーであり怖さもあるが、やはりその先が見たくなってしまう。この肉体の皮膚の外側と外界が触れるその境界線が崩れる時、なにが失われてなにが入り込むのか。見たくない怖いものと怖いもの見たさの内外が解けると自分の存在が強烈な個と輝き、同時に暗闇に埋没していく。向こう側にはまだ「母」たちがいるらしい。

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