見出し画像

『町田くんの世界』

石井裕也監督『町田くんの世界』をヒューマントラスト渋谷にて鑑賞。TCGメンバーカードで千円で観れる木曜日。人がよすぎる、いやいい人すぎる町田くんを主人公にした青春映画。元は少女漫画っぽいけど未読。
町田くんとヒロインの奈々を演じたのは細田佳央太と関水渚という演技経験のない新人らしいのだが、みずみずしくこの映画にすごく合っていたと思う。町田くんの父母は北村有起哉と松嶋菜々子、同級生には岩田剛典、前田敦子、高畑充希、太賀たち、町田くんと関わる編集者を池松壮亮、彼の妻を戸田恵梨香という脇がかなり豪華。
前田敦子に高畑充希に池松壮亮という名作だと思うのだけど木皿泉脚本『Q10』メンバーも出ている。ここに柄本時生が加われば「ブス会」という仲良し四人組になるのかな。もし、『Q10』というドラマを見たことがない人がいたら、見てほしい。シナリオブックも河出書房新社から出てますので、ぜひ。あとこのドラマに出ていた若手だった人たち今大活躍してます。ほかには加賀賢人や岸井ゆきのといった人たちも出演していた。
『町田くんの世界』はもうところどころで笑いもあるんだけど、町田くんのやさしさがどんどん沁みてくる。しかも町田くんが「人が嫌いだ」という奈々と触れ合って、彼女を知っていく中で、彼女への思いが爆発していく、恋ってなんだ? 叫んで走るのが青春、そう定番もきっちりやります。プールのシーンもしっかりあります。そして、物語はファンタジー的な要素をはらんでいくのだが違和感はない。まるで青春映画から灰汁を丁寧に取ってかぎりなく澄んだスープのような作品になっていた。これはとてもいい映画だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?