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『ブラック・クランズマン』

仕事終わりで公開初日のスパイク・リー監督『ブラック・クランズマン』をシネクイントで鑑賞する。予告編ではヒップなノリのいい作品っぽかったが、思いの外シリアスな展開だった。そもそも黒人警官と白人警官による潜入捜査をした実話がベースになっている。KKKのメンツをあざ笑うかのように主人公である黒人警官が電話で話していると、KKKメンバーは白人か黒人かは「are」の発音が違うのだ、と言うのだが、警官は普通に発音していて相手は気づかない。差別や偏見とはこういった思い込みによる。関東大震災の際に、日本人による朝鮮人虐殺と同じ構図だ。
映画のラストには現在のトランプ政権下でおきている白人至上主義を掲げる連中やネオナチ、それに反対するデモなどの映像が流される。差別主義者に対して抗議デモをしているところに猛スピードで車が突っ込んできて、何人も吹っ飛ばして轢く、一度バックしてもう一度突っ込んでる映像も流される。今まで映画の中の、実際に起きた捜査を元にしたフィクションの終わりに今の時代のリアルを見ろよ、とスパイク・リー監督はぶちこんでくる。とても悲しい気持ちになる。世界は分裂して分断し続ける。差別主義者が表現の自由だとほざくなら、それは表現の自由ではないし決して許してはいけない。先日ニュージランドのクライストチャーチで起きた銃乱射事件、日本ではすでにやまゆり園での凶行が起きている。それはなかったことのようにされているのが現状だ。観終わってから電車で帰る気はしなかったので40分ほど歩いて帰る。

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碇本学

82年早生まれ。ライターときどき「monokaki」編集スタッフ。 「水道橋博士のメルマ旬報」で「碇のむきだし」連載中。「PLANETS」メルマガで「ユートピアの終焉 あだち充と戦後日本の青春」連載中。
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