「あだち充と少女漫画の時代」後編公開されました

『PLANETS』連載の『ユートピアの終焉ーあだち充と戦後日本の青春』6回目公開されました。3回にわたった「あだち充と少女漫画の時代」後編です。
最初に宇野さんに企画書を出した時にはたぶん書いてなかった部分ですね。あだち充と少女漫画との交差についてみんな書いてないんじゃないかってところから始まり、結局「花の24年組」とそこから派生する「コミケ」と「BL」って流れは現在に続くので3回になりました。
なぜあだち充はデビューして10年近く売れなかったのか? という問いの答えの一つは「劇画」と「政治の季節」の終わりという時代に彼がデビューし、そこから放逐されるように『少女コミック』にいたからだし、そのおかげで彼は生き延びて80年代のラブコメの時代が来たというのが今から見た時代の流れ。
70年代の萩尾望都と竹宮惠子、80年代の高橋留美子とあだち充、少女漫画と少年漫画と違いはありますが、漫画の歴史でも重要な漫画家であり小学館の漫画の時代を築いた人たち。
リアルタイムで読んできた人たちからすれば当然すぎることだけど、生まれた時には『タッチ』も『うる星やつら』も始まっていて、物心ついた時にはテレビでアニメをやっていたので、最初から人気漫画家だった。さらに若い世代になれば最初からレジェンド級の漫画家だったわけなので、どういう流れがあったかというのは普通は知らない。
文フリは大塚英志さんの不良債権としての文学っていうのがあったから、あのキャラクターは西島大介さんが描いてるってことも知らくても参加はできるし、コミケだってそう。でも、知っといてもいいよねってことはある。
『仮面ライダー』についても今回チラッと触れたけど、今当たり前になっているものの始まりの季節について知っておくと、現在ではなく過去の景色や見え方が変わってくる。というのが文化だし歴史だと思う。次からはようやく『ナイン』かな。
https://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar1773232





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