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赤子と共に海の向こうへ

ただいま日本。白米が泣けるほど美味い!

というわけで、およそ2週間のアメリカ旅行から帰ってきた。ピザ、ハンバーガー、巨大アイスクリーム、巨大ソーダ。アメリカを盛大に楽しんだ旅だった。しかしながら、私が和食抜きで生きていられるのは、せいぜい4日程度ということがわかった旅でもあった。

ふう…見返しているだけで、味噌汁がすすりたくなるようなラインナップである。根っからのジャパニーズであることを痛感する瞬間。

今回の目的は、娘を連れて夫の実家に帰ること。普通の海外旅行とは少し違うけれど、それでも生後3ヶ月半の娘を連れての海外は初めて。いろいろと忘れる前に書き留めておく。

子どもができたら海外旅行に行っちゃいけないの?(泣)

私は海外旅行が、とっても好きだ。空港も飛行機も、降り立った瞬間の匂いも、明らかに日本とは違う街も人も、全部。

だから妊娠中、ふと「次に海外に行かれるのはいつ頃かなあ」なんて思ってインターネットで検索してしまった。

「赤ちゃん 海外 旅行」

以前も記事にしたとおり、インターネットというのは恐ろしい世界である。メンタルの不安定な妊婦が、気軽に覗いていい場所ではない。

「赤ちゃんが小さいうちに海外旅行なんて、自分勝手!」

「子どもを預けて海外旅行?母親失格!」

今となっては、いろんな人がいるなぁアハハくらいにしか思わないが、そのときは結構ショックだった。もう海外旅行は行かれないのか。親になるって、母になるって、こんなにも我慢が必要なのか。

夫婦で育休。今、行くしかない!

これからは当分の間、この島国で人生を楽しむ覚悟をしていたが、出産から3ヶ月半でその生半可な覚悟を捨て去った。1番の大きな理由は、夫が仕事に行かなくなったことである。

また別途書くつもりだけれど、9月から夫も育休を取得している。最初は「2ヶ月くらいかなあ」と言っていたのに、最終的に来年までの長期育休だ。二人してニヤニヤしながら赤子を見つめる毎日の、なんと幸せなことか。ぜひ夫婦で育休が広まってほしいなと思う。

それを義理の両親に伝えたところ「ええ?!ずっと休み?じゃあアメリカ来なよ!孫の顔が見たい見たい見たい!」と言うことだったので、結構すんなりとアメリカ行きが決まった。

夫婦ふたりとも仕事の調整を考えずに海外に行かれることなんて、きっとこの先もないだろう。とってもありがたいことだ。

親としての海外は、また新鮮

実際、子連れの海外は大変だった。特に到着して最初の数日は辛かった。時差ボケである。

娘は、夜は結構ちゃんと寝てくれる方だったので、夜中に眠れなくて泣き続ける娘を抱えて辟易した。夜泣きがひどい人たちは、こんな感じなのだろうかと頭がガンガンしていた。(横で夫が寝返りをうったときは蹴飛ばしたくなった)

飛行機も抱っこしていないと寝てくれなかったので、私は出発の日の朝から、かれこれ40時間ほどほぼぶっ通して起きていた。飲み会続きの大学生のときだってそんなに起きていなかったぞ。気を失う寸前で夫がバトンタッチしてくれたので、倒れるようにアメリカで昼寝をした。赤ちゃん連れで海外旅行へ行く方は、初日の予定はお手柔らかに。

出産前にもアメリカには何度か行っている。留学でサンフランシスコにいたこともある。

知った街だけれど、今回は今まで自分が見てきた世界と視点が大きく違う旅行になった。例えば、空港で真っ先に授乳室を探すとか。アメリカのエレベーターは汚いのでベビーカーを消毒したくなるとか。

↑エレベーター内の写真。"I'm not a bathroom(私はトイレじゃないよ)”と、日本では見ることのないポスターが貼ってある。エレベーターで用を足すなよ…

改めて、日本はキレイだなあ、設備が整っているなあ、便座が温かいなあ、と日本の尊さを感じた。それと同時に、街で出会うほとんどの人が「Oh my god! She's so cute!」と娘に笑いかけてくれるアメリカが好きだなと思った。

いろんな国に行けば、いろんな良さがある。それをまた、いちから娘と一緒に体験しているような感覚だった。

↑サンフランシスコの公園で、芝生初体験の娘。眩しそうにしていた。

世界はとっても広い!

海外旅行は、私に気づきをくれる。自分が和食なしではヘロヘロな日本人であることや、エレベーターで用を足す人がいることなど。「自分は広い世界に生きる、ちっぽけな一人だ」と感じることができるから、私は海外旅行が好きだ。

それは子どもを産んでも同じ、むしろ一層その感覚が必要だったのかもしれない。

子育てをしていると、どうしても自分が狭い世界に生きている感覚がある。家の中だけ、ママコミュニティの中だけ、私って何ができるんだっけ。そんな不安が、心にすっと入り込んでくることもある。

でも娘を連れて出た海外は、当たり前だけど広かった。まだまだ、知らないことや出会ってない人が大勢いる。

「また行こう。広い世界を一緒に見よう」

そう思っただけで、娘を抱く腕に力が入った。

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