真魚八重子

映画評論家。朝日新聞、キネマ旬報、ぴあ、夜リラタイム等で書いています。著書『血とエロス…

真魚八重子

映画評論家。朝日新聞、キネマ旬報、ぴあ、夜リラタイム等で書いています。著書『血とエロスはいとこ同士』(Pヴァイン)発売中。仕事のご依頼等はnoribumistアットyahoo.co.jpまで。映画評https://filmarks.com/users/manayaekoも。

最近の記事

ぴあで『オッペンハイマー』評

ぴあで『オッペンハイマー』をオススメしています。音の不穏さも気になるし、オッペンハイマーの無意識と宇宙を表すような抽象的な映像など、目が離せない。ラストカットのキリアンの表情が見事でした。

    • 朝日新聞に『ビニールハウス』の映画評

      サスペンスであり、人間の悪だくみはもうちょっとのところでタイミングがそれるという、完全犯罪は難しいなあといいう映画です。そこに取り返しのつかないことがある。心が弱っている人の互助会が、新たな依存関係を生む母体になる危うさなども描かれています。老々介護になってからでは、間に合わないことが多いとか。

      • 『ナチ刑法175条』をオススメしています

        1999年度作品。監督はロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン。ドイツでも現在の若い人の4人に1人は、同性愛者が収容所送りになったことを知らないそうです。歴史は何度でも掘り返して観るべし。

        • ぴあの観た映画、観たい映画ベスト3

          毎月、ぴあに執筆している人々でベスト3を決める企画です。意外に偏るなあという印象。あまり突飛な人はいないような。 3月はやはり、アレですよね。キリアン昔から大好きだよー。『レッド・ライト』が一番大好きだー!

        ぴあで『オッペンハイマー』評

          『週刊文春CINEMA』で『システム・クラッシャー』評

          3月6日に発売になった『週刊文春CINEMA』で『システム・クラッシャー 家に帰りたい』の映画評を書いています。幼少時に父親から受けた虐待で、忍耐や冷静さを欠いた性格に育ってしまった9歳のベニー。両親は離婚していますが、母の新しい恋人とも折り合いが悪く、ベニーは気にいらないことがあると暴れてしまいます。 母がその恋人と別れても、ベニーには弟と妹もいて、経済的にカツカツだし、ベニーがもし怒りに駆られるまま暴れたら、弟や妹を殺しかねません。それを考えるとベニーとの同居をためらって

          『週刊文春CINEMA』で『システム・クラッシャー』評

          朝日新聞夕刊に『DOGMAN ドッグマン』の映画評

          3月8日の朝日新聞夕刊に『DOGMAN ドッグマン』の映画評を寄稿しています。監督はリュック・ベッソンですが、かなりケイレブ・ランドリー・ジョーンズ風味が強くて、あと犬たちがカワイイ! 個人的に、リュック・ベッソンで唯一好きな作品になりました。

          朝日新聞夕刊に『DOGMAN ドッグマン』の映画評

          夜リラタイムが更新~『薄氷の告発』

          隔週連載の『夜リラタイム』が更新されています。来週公開の韓国映画『薄氷の告発』が、性被害の告発の難しさ、加害者は何度も繰り返すことなどを扱っているので、そういった問題を書きました。 また、どんな現場でもしごきと虐めは紙一重で、対象の尊厳を傷つけるのは違うのではないか、という話にも触れています。

          夜リラタイムが更新~『薄氷の告発』

          ダニエル・シュミットにコメント

          ダニエル・シュミットの2作『デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版』『季節のはざまで デジタルリマスター版』が3月8日(金)から公開になっています。わたしは公式サイトなどにコメントを寄せております。他の方が豪華なので、プルプルしています。 2本とも楽しい作品なのでぜひ。こういった映画にコメントができるのはありがたいことです。

          ダニエル・シュミットにコメント

          ぴあの新企画・先月と来月の映画

          ぴあで新企画が始まりました。いつも映画案内をしている担当者たちが、先月観て良かった3本、来月楽しみにしている映画3本を投票して、ベスト3を発表。コメントは持ち回りで、わたしは初回の今回を担当しています。

          ぴあの新企画・先月と来月の映画

          『ボーはおそれている』

          『週刊文春CINEMA』の冬号で、アリ・アスターの『ボーはおそれている』について書いていました。『週刊文春CINEMA』のWEBサイトに転載されています。 #文春オンライン

          『ボーはおそれている』

          キネマ旬報の星取

          今発売中の『キネマ旬報』で星取クロスレビューをしています。作品は『カラーパープル』『ボーはおそれている』『ハンテッド 狩られる夜』『コットンテール』です。

          キネマ旬報の星取

          『美と殺戮のすべて』~ナン・ゴールディンの時代

          隔週連載の「夜リラタイム」が更新されています。 来月、写真家のナン・ゴールディンを扱った映画『美と殺戮のすべて』が公開になるので、その辺りをサラッと書きました。ゴールディンの写真集に登場する人々の多くはエイズで死亡したと言われています。そういう時代があったということが、忘れられていかないように記しました。画像は『スワンソング』のウド・キアです。まだまだ元気で新作が楽しみです。

          『美と殺戮のすべて』~ナン・ゴールディンの時代

          『マッチング』パンフレットに寄稿しています

          2月23日(祝)公開の、土屋太鳳さんと佐久間大介さん主演の『マッチング』。わたしはパンフレットに寄稿しています。スリラーというか、サスペンスホラーでかなり面白かったです。『ラヴィット』を観ていると好印象しかないさっくんが、可愛げを逆手に取った役で、普段と全然違う雰囲気が良かった。人物相関図がちょっと複雑なので、文中で解説もしています。混乱した方は鑑賞後にパンフで確認すると良いかも。まだ現物をわたしも拝見していないのですが、わかりやすいように相関図も掲載されているそうです。

          『マッチング』パンフレットに寄稿しています

          朝日新聞夕刊に『コヴェナント/約束の救出』映画評

          朝日新聞夕刊に映画評を寄稿しています。ガイ・リッチーによる珍しくシリアスな軍事ドラマ『コヴェナント/約束の救出』。ちょっと手放しでは褒められない設定で、美談に寄せすぎだと思いました。熱烈な思いだけでは、どうにもならないのが現実じゃないかなあという気が。その方が戦争の悲惨さは伝わるのでは。

          朝日新聞夕刊に『コヴェナント/約束の救出』映画評

          ぴあで『落下の解剖学』をオススメしています

          夫婦間のことは他人からは当然わかりにくい。片方に要領の良さとか、立ち回りがうまい、もしくはずるいといった面があれば、パートナーはわりを食う。でも黙って耐えるタイプでなければ、何か仕返しを試みる可能性もある。これは夫婦に限らず、二人で仕事をする人でも同じかもしれない。 立ち回りの上手い人は、周囲に良い印象を与えないかもしれないけれども、それが犯罪とつながるのか。そういった分析が面白い映画。

          ぴあで『落下の解剖学』をオススメしています

          夜リラタイムの「悪趣味と、命がけの訴えと」

          隔週連載の「夜リラタイム」が更新されました。今回は『オッペンハイマー』公開記念で、放射能や核実験についての映画特集です。他にもいっぱいそういう映画はありますが、日本ではDVDレンタルくらいしか、観る方法のない映画も多いのが残念。今回省略した映画のなかでは、イギリスの公務員で、KGBのスパイだったメリタ・ノーウッドをモデルにした『ジョーンの秘密』が、真正面から核抑止論支持の作品で、やはり鈍感な印象を受けました。ジュディ・デンチが主役のジョーンを演じていて、どういうつもりかなと思

          夜リラタイムの「悪趣味と、命がけの訴えと」