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【第452話】4/29東京11R・青葉賞(にゃむ師匠)

「北斗の万馬拳」開始から4年。小生は全身全霊で競馬予想に臨んでいるため、休まる時間というのはじつに少ない。しかしながら、去り行く友の為に時間とエネルギーを割いて送り出すことも。すべては世のため人のため。なのにおかしい結末となる偽善者物語。ぜひご覧ください!


小生が基点としている某喫茶店には、さまざまな常連客が来て、店主が淹れるハンドドリップのコーヒーを落ち着いた雰囲気の中嗜めたり、このご時世に於いて「完全喫煙」ゆえ、すっかり肩身が狭くなり、吸える場所が次々に剥奪されていく街の愛煙家たちが、こぞって一服リラックスタイムに訪れる「癒しのスポット」。

この店は駅前の某ビル2Fにあるのだが、このビルの1F。喫茶店の真下には地元資本の不動産業者の事務所があり、2014年の喫茶店開店からずっとそこに在籍するN君(33)もまた、この喫茶店を愛用している「上客」。一日2~3回は来店して一服タイム。ただ、一服タイムとはかけ離れた時もしばしばで、「オーナー周りの外出行ってきま~す!」と題して、長い時には3~4時間くらいずっと入り浸っていることもあり、絶好の「サボリスポット」として活用。そこでは仕事をすることなくスマホゲームに集中。

いえ、いいんですいいんです。
それが日本古来からのサラリーマンの姿。自分は社会人でありながら決して「会社人」ではないことを再確認し自己同一性に浸ることこそサボりの意義。これは正しい行動なのだ!と自分に言い聞かせてお給料をいただくのが正しい企業戦士としてのあるべき姿。小生も昔はそうだった。サボりの数だけ実績は上がるもの。

そんな懐かしい姿を小生も見て「いーなー、こんなにサボっても給料ちゃんともらえてんだからなー。実はこんないい会社ねぇんでねぇの?」とイジることも。

実際、こんなサボリスポット、あったら小生もガンガン利用したいところだし、皆さんもそう思うところだろう。しかし、なかなかそんな浄化作用満点のカタルシス喫茶店など、普通職場の近くにはありませんって。そういう意味でも、彼はとても恵まれている環境で仕事をしている部類なのかもしれない。

面白くない、うまくいかない仕事のストレスを、こうして階段テクテク登れば一気に解消できてリセットできるスポットが身近にあるのだから。

そんな「一蓮托生」「共存共栄」で8年半ひたすらにサボってきたN君が、この4月一杯で勤務するこの不動産業者を退職。5月からは毎日満員電車に揺られて、山手線の内側にあるIT企業に再就職するのだという。

小生からすれば、こんないいサボリスポットを棄てて転職するのだから、相当な一大決心だっただろうと心中察するのだが、それをハカリにかけても新しい人生、新しい収入を求めてこの街を出ていくワケで、これは前途を祝して盛大に送別をしないといけないという機運にかられたワケだ。

本来、サービス精神MAXの小生なら、こういう時は率先して動き、最大級の送別会をして送り出すのが性分であり、いままでそうやって生きてきたことは、これまでの小生の振る舞いを見たことのある方ならお解りかと思うところだが、4年前にこの「北斗の万馬拳」に携わってからは人生激変。なんにもできなくなった。

夜、居酒屋に入り浸る事もなければ、雀荘にも行かなくなったし、オネェチャンの店に行くことも一切なくなった。とにかく一日24時間というより、一週間を168時間として考え、この仕事のために多大な時間とエネルギーを割いている。
そうでないと、予想を見てくれる読者の皆様に失礼だし、最大の理論武装をして予想に入ること、これすなはち「段取り八分」の世界ゆえ、どれだけエビデンスをもって戦いに臨めるかが大事であり、決して生半可な武装ではレースに臨めなく、いや、臨みたくなく、与えられた168時間のうち、情報収集・結果分析・コラム書きををしている時間が殆ど。唯一解放される時間が、競馬が終わった日曜夕刻~睡眠までの6~7時間。
ここが小生の「砂地で羽を休めるわずかなフリータイム」。

要するに、普通の生活をみんな棄てて臨んでいるので、極力それ以外の事にはエネルギーをかけない。人ともホイホイ絡んで時間のロスはしない。これがもう4年間、ルーティンと化した。

なので、従前より小生と絡みのあった友人たちからすれば、あまりに無機質になってしまった小生に対し、すっかり印象も変わってしまったことだろう。ただ小生が言えることは「すまない。忙しくてそれどころぢゃない。」

この一言に尽きる。ストイックにやらなければ結果が出ない世界。そのくらい168時間キツキツの中で、質の高いバッティングができるよう、日々素振りをしているのだから。

と、そんな時間のない小生が創る送別会。
どういう形式にしようかと悩んでいたら、どうやらN君の再就職する会社では、仕事と同じくらいの熱量で麻雀が盛んに行われるという、これまたなんともアクティブで羨ましい職場。仕事が終われば雀荘へGo!は日常茶飯事。時に同業他社たちによる大規模な「職場対抗・5対5チーム団体戦」

も繰り広げられ、一人一人の雀力がチームの命運を分けるという展開も。

N君も麻雀はできることはできる。
この8年間、喫茶店では店を貸し切って常連たちによる麻雀大会もガチではなく交流アトラクションとして催したこともあったが、彼も毎回参加して閉店まで楽しんでいたクチ。毎回ビールを3~4缶空けて上機嫌でブンブン。麻雀がほんとうに好きだということは伝わってくる。

しかし、「好き」と「強い」は別物。

点数計算は一切できずに人任せというライトユーザーであり、満貫・跳満もイマイチ良く解っていないというレベル。そんな彼が、一線級たち相手に戦い、ときにチームメイトとして一緒に戦う、ものすごい雀カロリーの高い戦場に飛び込むワケで、当然皆、和がった瞬間に「ニーロク」「ザンク」とスピーディーか正確に点数を言えないとハナシにならない。

がしかし、これまでやってきた喫茶店麻雀はヌルく、小生以外は誰も点数計算ができないという、大名だけ能力ズバ抜けるも、軍師がいなくてあとはザコ武将だらけという戦国時代の「今川家」のような構図であり、それを是正せぬまま8年。そんなザコ武将が軍師揃いの武田家に加わったところで使えないし周りに迷惑をかけ、最後は足軽に刺されてもはやこれまで。前途を祝す小生としては、高カロリーの鉄火場でも極力、戦力として活躍してもらいたいし、ケツの毛まで剥がされるのは見てらんない。(いや、ある意味見てみたいんだけどね)

よしわかった! 彼に贈る送別会はもはやこれしかない!

「麻雀、点数計算勉強会」の開催だ!

先週日曜、フローラS◎⑦ゴールデンハインド1着に沸いたその数時間後から訪れる、小生の僅かなフリータイムを、喫茶店を貸切にして開催。

なにやら女店主も「オーラスで狙って逆転できるような麻雀が打ちたい!」と珍しく切望していて、このスキルアップに前かがみ。みんな点数計算を覚えたいけれど、なかなか自力で覚えるのは億劫でありハードルも高いようで、では、近代麻雀読者最強位戦・全国11位の小生が講師となり、全身全霊をかけて講座を開催しよう!となったワケです。

日曜の日中競馬は、もう予想記事を概ね書いた後なので、競馬開催中は先週のギャロップのマーカー部分をTARGETに打ち込む作業や、溜まったレシートをファイルに張り付ける作業をしているゆえ、土曜日中に比べてゆとりがあるのだが、ここで小生はネットから講座に使える教材を抜粋し、エクセルに張り付けしてでファイル化。





まあ、このへんがあればいいね。
そして役一覧。

教材としてはA4で7枚。
これをスーパーファイン紙に印刷してクリアファイルに4セット。みんなが◎⑦ゴールデンハインドで熱狂している間、小生実は教材づくりでてんてこ舞いでした。


そして喫茶店・女店主が、腹ごしらえとしてオニギリ、唐揚げと焼きそばをこさえていざ、講座開始!

19時前に始まった講座は 熱を帯びてあっという間に3時間。いつもの麻雀のように点棒などはない。笑い声もない。あるのは牌と教材とペン。真剣にメモを取る生徒たち。その熟知度合いも素晴らしく、3名の生徒たちはどんどん吸収していく。符計算の足し算もノーミスになってきた。

符の数、役の数で一覧表を見て点数申告。
実戦形式で、ここでロンしたら?もしツモだったら何点?とパターン別シミュレート。教える小生の熱量に合わせて、聞く三人も皆真剣。いつものヌルい喫茶店麻雀の風景は、そこにはなかった。

更に講座は波及して「多面待ちクイズ」に。
麻雀ビギナーが最初に悩むのはこの多面待ちであり、「3334」の三面待ちから初めて、「2223456」の変則五面待ち。そして最後は
「1112345678999」という九連宝燈の純正待ちで、実は答えは9面待ちでした!で〆め。

あっという間に22時。こんなに時間が速く過ぎるのはかなりの久しぶりの事で、小生、しばらく刺激的な人生を送っていなかったことを殊更に痛感。

一方、生徒3名とも、相当にパワーアップしたと同時に、相当にアタマを使ったようでもうグッタリ。人間、本気で物事をトレーニングしたとき、得てしてこうなるもの。「つかれた~~~」

よし、こういう時こそ「整理体操」。
まったく頭を使わない運ゲーがいちばん。小生は提案した。

よし、じゃあ麻雀一局戦勝負しよう! 
しかも和がっていい役は「七対子」のみ! 七対子縛りの運ゲー麻雀。一回やってみたかったんだ。リーボーはないので口でテンパイ宣言してもよし!ダマテンでもよし! ツモ上がりは全員から1000円! ロンなら振った人から3000円! 

対局開始。さあ、上がってよい役は七対子のみ。
これは面白いけれど悩ましい。配牌によっては「うおっ!これ普通の麻雀だったらスゲェ~!」と嘆きも聴こえるも、七対子麻雀ではただのゴミ手。
と思いきや、小生も配牌で二暗刻があったりと悶絶。四枚使いはNGなので、手の中に暗刻があったら泣く泣く一枚切らなきゃいけない。

暗刻いらね~~ 

生徒の一人がテンパイ宣言。
う~んやば。。。振ったらすべてが終わる。ここで突っ張るか引くかの二択なのだが、小生はまだ手の内バラバラの2シャンテンだったので、ここは動かざること山のごとし。向かってはいけないトコロでしょう。ベタ降り。もし1シャンテンだったらGo!といったところか。これが史上初「七対子麻雀」の基本戦略か。

結局、流局。
そこで小生も講義主宰として相当にHPを消費してヤラれていたので、何をとち狂ったか。。。

よし、次局はツモったら2000円オール!振ったら6000円単独払い!

このムチャプリにも、もう全員頭がバグっていたので否定する人間はおらず、なんと続行。もうフリー雀荘でハコ喰らった程度のペナルティー設定。

次局・2回戦。
小生もサクサクと対子が完成して1シャンテン。順調にテンパイ化と思いきや、横の下家が「テンパりました!」と宣言。

くぅ~~ここで振ったら6000円。このとき小生が余していたのは
「西」「發」「2s(リャンゾー)」の三枚。
そこでツモったのは「南」。…ウッどれも危険牌。通ってない。

さあ、どれが通る? 考えろ??

ここで小生深読み。
…大抵七対子って字牌かドラで待つんだよな。。。小生もよくやるし、字牌っ安易に出るし不意打ち感満載! やってキモティーものはみんなやるんだ! この七対子麻雀のトレンドも「字牌」。麻雀をスキを突いてナンボ!

ここは2sだ! 
場に1sも3sも4枚切れている。ここは2sはセーフだろっ!?

行けっ!






ぐおっ!






ウソだろ。。。2s。。2sだぞっ! なんでだよっ!
キミねぇ字牌でしょそこはっ!! もうトレンドってものが解ってないのかなぁぁ? ナシ! いまの2sはナシっ!! なかったコトにしてっ!!

いや、別に字牌待ちでなければならないというルールもなければ、彼はそういうハメるとかいう考えはなく、ド天然で2sで待っていた。ただそれだけのこと。まさに「策士、策に溺れる。」

それに「七対子麻雀」なんて一種のババ抜きみたいなもんであって、1sや3sが四枚切れていたって、何らカンケーないんだ。そんな事も解らんのかっ??

要は、考えすぎたのだ。


しまいにゃ女店主に「字牌なんてカンケーねぇんだよ!」とここぞとばかりにディスられ、講師の面目丸つぶれ。



さよ~なら~~~6千円。。。


なんなんだ? オラ一生懸命に講師として生徒たちに熱弁をふるって講義して、本日のアガリはマイナス6000円って。。。

まあ、これでN君も次のステージに向けて、より麻雀武装を強化できたことでしょう! それでいいんだ。

いざこの街を旅立ち、新天地で幾多の荒波・エグい麻雀にもまれるだろうが、それらを跳ねのけての健闘、そして人生の成功・奥様を含めたご家族の今後の幸せを心より祈念しております。そう思えば餞別としてこの6000円くれてやるわ! 9年間遊んでくれて、喫茶店に入り浸ってくれてありがとうございました。女店主に替わって、なぜか小生が御礼します。けれどシレッとまた来店することは当たり前だと思っているので、あえて別れの言葉は発しないこととします。

…って待て、小生が2sフッたのはN君ではなく、この街に残るC君のほうだった。まあいいや。コーヒーチケットに化けたようだし。ちゃんちゃん。

是非皆さんも、「七対子麻雀」一生に一度、お試しください。
一見、単なる運ゲーのように見えるんだけれど、やってみると意外と奥が深い! 進化したババ抜き! 普通の麻雀に飽きたアナタにとって、最高のカンフル剤となるかも!?

というワケで、6千円を回収しないとやってらんねぇ。よし! 青葉賞で回収するぞ!

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