極東アジア最大の加速器が、まさにここ、東京にあることを知っている人は少ない。非公式であり、まさに陰謀なのだ。

そして毎日、私もこの加速器に注入される。（朝晩と）

絶対圧縮密度の中、悲鳴と怒号が放出せれる。HIKARIよりの速いスピードで（有楽町〜品川間では、時折このスピードになる）やれ、『足を踏むな』だの『痴漢です！』とか『吊るし上げろ！』だの『カバンが当たるんだよ』だの。

さっきから私の背中には、スマホが鋭く刺さっている。ツムツムだか、ぷよぷよだか、ブヨブヨだか知らないが、私の中からリプトン粒子が飛び出す前にやめた方がいいぞ！（紅茶の神だぞ！。。。ちょっと言いたかった）

『只今、線路内人立ち入りの情報が入りま、、』と言うアナウンスと共に急停車。直様、ツイッターで不平不満連打の歯科矯正中の女子高生、歌うように舌打ちを続ける金髪のサラリーマン、ドアの脇に立っているみだれ髪のご婦人は、じっと私を睨んでいる。『何もやってない！両手共、つり革を掴んでいるでしょうが！』と心の中で叫んでいると、急発進！

憎悪の粒子がさぞ、検出されたことだろう。群集が密着しすぎると一匹の巨大な化け物に変形する。

『どうぞ』

そんな中でも具合の悪くなった女性に席を譲る,髪ツンツンのパンクス青年。

粒子と粒子がぶつかって、何かが放出する。

今日も実験は、繰り返されている。

YAMANOTE LINE LINEAR COLLIDER

加速する人類とパンクロック。