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アシパン学園マニフェスト by アボカズロ

アシパン学園 マニフェスト
かつて渋谷に存在したDJバー、ACID PANDA CAFE、通称アシパン。
このバーは、数十人はいればぎゅーぎゅー詰めの小さな店でしたが、様々な文化人やミュージシャン、サブカル有識者が集うバーとして全国的に知られる店でした。

店主は高野政所。前述の文化人以外にも、普通のサブカル愛好者、そして、他の店ではちょっと受け入れてもらえないような多種多様な「はみ出した若者たち」が連夜集う場所になっていたアシパンですが、政所さんの人柄もあって、ちゃんとした大人もはみ出した若者に寛容にコミュニケートする空気が自然と出来ていて、アシパンの中で社会性を身につけ、何者かになっていく若者も数多くいました。演者、そこに集う普通の人々、極端なはみ出し者で何かになりたい若者のいい関係が築けていたのがアシパンでした。

アシパンの常連の中には、DJ、ビートメイカー、映像作家など、アシパンを飛び立って”自分のやりたいことを仕事にする”言い換えれば”自分の特性そのものを仕事にする”ことができるようになる人も、お店の規模を考えると驚くほどたくさん現れました。

僕(アボ)自身も、アシパンがあったおかげで今、なんとか生活出来ている人間の一人として、あの場所がなかったら今どうなっていたのか、もはや想像することもできません。それは、他のアシパンから独り立ちしてものづくりで身を立てている人間は、同じように人生を救われた気持ちがあると思います。

そんな文化の登竜門に、他の地方都市からもアシパンにもっと簡単にアクセス出来たら、
もっともっと救われる人も多かったのではないか?
世の中にもっと珍妙で面白い創作物がたくさんあふれていて楽しいことになるんじゃないか?

そう考えた我々は、アシパンの”文化的梁山泊”的側面をフィーチャーし、オンライン上で復活させることにしました。今、生きづらさを感じている人々に「こうやって生きてもいいんだ。」と思ってもらえるようなライフスタイルを提案していきます。

また、そういった社会的大義を別としても、当時のアシパンのようなエンターテイメントとしても楽しめ、そして例えば二人やゲストの馬鹿話だけを聴きたい人も、自然と社会貢献になっている、そんなコミュニティになればと思います。

発達障害などの理由で能力に極端な偏りがあったり、もしくは前科などの経歴があると、例えその時その人が誠実に暮らしながら、そしてその人が仮に何か光るものを持っていたとしても、マイナスポイントよって足切りされ、自分の”いい部分”を発揮する土俵になかなか上がることができない。仕方がないことではあるのですが、現状こういったはみ出し者の"光るもの"は、世の中的には食べ物で言うところの"捨てる部分"になってしまっているのが現状だと思います。

世の中の"捨てる部分"には、実はまだまだ素晴らしい味や栄養素が残っているかもしれません。そして、それを実現できるのはポップカルチャー/サブカルチャーの力だと思っています。ポップカルチャー/サブカルチャーを前に進めてきたのは常にはみ出し者たちです。また、このご時世、世の中の"ロス"に価値を与えることができればそれは大きな社会的財産になるのではないでしょうか?

何を隠そう高野政所、アボカズヒロ両名も、かたや前科者、かたや元不登校児、発達障がい当事者として、実際のところ社会で暮らしていくには困難も多い二人なのですが、DJ/音楽制作/文筆/トークなど、ポップカルチャー/サブカルチャーがあったおかげで、一応ではありますが、飢え死にしたり路頭に迷ったりすることはなく生きています。

子供に向けてのDJ活動など社会的にも受け入れられるような活動も増えてきました。

二人とも実感しているのは”サブカルチャーの教養が身を助けている。”ということです。そして我々も、自分の出来ることであれば社会のためにちゃんとすることはやぶさかではない、ということです。

サブカルチャーの教養は才能やセンス以上に、知識や経験の蓄積といった教養的な部分が重要です。そして、そこに独自の視点や解釈が加わると、だんだん自分オリジナルの表現が出来るようになってきます。

教養の苗床にひらめきによって種が蒔かれ、視点と解釈によって独自の育てかたで着想を具現化する。創作の基本形ですが、”はみ出した人”は、そもそも視点が独特だったりするので多様な知識さえ与えて苗床を育ててあげれば面白い花を咲かせることも多いのです。

実は、アシパン学園は、当時のファンやクリエイターと共に、かつてのサブカル登竜門をオンライン上に復活させるだけでなく、その先へ繋げていきたいと考えています。

ゆくゆくは、都会のように文化的資本の無い全国各地のはみ出し者や若年層ともつながり、サブカルの枠に収まらず「教養」を深めていく場所へ。
そんな意味も込めて「アシパン学園」という名前をつけています。

実は、今後の展望として、このコミュニティの会員数が300 人に達したらアシパン学園のコンテンツを18歳以下の若者には無償解放する予定です。

学校でうまくやれていなかったり、周りと合わないなーと思っていたりする若者たちの居場所になり、文化を通して異なる世代と自然に交流し、そして彼らの人生のヒントになる何かが転がっている、そして彼らの手によってまた新しい文化が生まれる。アシパン学園はそんな場所になればと思います。

ありがとうの一言です。本当にありがとう!