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デスマッチを観に行った。

先日、とある知人にお誘いを受けて、FREEDOMSの後楽園ホールでの興行を観戦に行って来た。FREEDOMSと言えば、超過激で工夫を凝らしたデスマッチが売りのプロレス団体で、最近はテレビなどでも話題になっていたし、知人や友人にはプロレスファンが多いのでもちろん知ってはいたのだが、実際に生で見るのは初めてだった。


デスマッチと言えば、かつてFMWの大仁田選手が炎のカリスマと呼ばれ大人気だった頃に定着した「電流爆破有刺鉄線デスマッチ」などが思い浮かぶと思うが、つまりは普通のプロレスの試合とは違い、物騒な装置や凶器や武器の類をガンガン使ってお互いに流血必至の状態で試合を繰り広げるものだ。

現代のデスマッチの旗手で人気レスラーの葛西純選手の試合は本当に凄かったし、興奮した。

この日はデスマッチを含む全7試合が行われていたのだが、やはり生で観戦するプロレスは面白い。レスラーの呼吸、響き渡る打撃音、肉体がリングのマットに叩きつけられる音、歓声を上げるファン達の熱気、どれもライブならではで感じられる「やばさ」である。

人間同士が肉体を駆使して戦うというのはやはり凄いエンターテイメントである。その面白さと興奮は古代ローマの王侯貴族達はコロシアムでグラディエーター(剣闘士)に殺し合いをさせて楽しんだ時代から変わらない、人間の根本的な部分なんだろう。

プロレスの中でもとりわけ流血が当たり前のデスマッチは古代ローマのグラディエーターの死闘を見る興奮に近い。殺し合いを公衆のエンターティメントとして行うワケには行かない時代において、まさにデスマッチレスラーは現代のグラディエーターだと言ってもいいだろう。

今回特に感心したのが「蛍光灯」を使って相手を攻撃する。「蛍光灯デスマッチ」だった。いわゆる家庭や事務所などにある照明に使われる蛍光灯がリングを囲むロープに無数に取り付けられている状態で試合がはじまる。

蛍光灯はガスが封入してあるので、割れる時に「ボン!」という音と共に細かい噴煙が起こり破片が飛び散る。いわば、小爆発が起こるのだ。試合中にレスラーは蛍光灯をロープから外して相手を殴ったり、蛍光灯が取り付けられたロープに振られたりした時に、例の「ボンッ!」という音と共に小さい爆発が起こる。時には相手を挑発するために、自分の頭に蛍光灯を打ち付けて爆発を起こす。

この爆発と音が観ていて実に気持ちが良いし、興奮するのだ。殴ってボン!リングに数本転がしてその上に叩きつけてボン!座り込んだ相手に立て掛けて、低空ドロップキックでボン!など、まるで彼らの技がモンハンで言う「爆破属性」が付いたような攻撃になる。これは観ていてクセになる。実際にそれほど痛いのかは分からないがとにかく爆破属性のついたレスラーの技が決まる様が快感である。

しかし、蛍光灯が割れれば当然無数の破片がリング上に飛び散るわけだ。その一つ一つはガラスの破片なので鋭利な刃物のように叩きつけられたレスラーの身体を傷付ける。見る見るうちにリング上は血の海と化していく。流血に弱い方にはお勧めできないが、その赤い色と爆破で観客の興奮も高まっていくのが分かる。

蛍光灯デスマッチを考え出したのが誰なのか僕自身は不勉強で分からないのだけど、とにかく蛍光灯をああいうかたちで使うというのには感動した。

デスマッチの小道具として凄かったのが、ベニヤ板にあらゆる危険なものを取り付けたデンジャーボード(勝手に名前つけた)。
有刺鉄線や画鋲が定番で、ボードを場外に置いて相手を投げて血まみれにしたり、ダウンした相手にボードを被せてその上からトップロープからのドロップ攻撃を仕掛けたりと、こちらも色々な用途に使えるのだが、今回見た中で衝撃だったのが、ベニヤ板一面に、ストロングゼロなどの無数の缶チューハイの空き缶が取り付けてあるのだが、その一つ一つが缶を水平に切ってあって、その切断面が鋭利な刃物のようになっているストロングゼロボード!
身体に丸く穴があくんじゃねえか、ってくらいのヤバイ見た目をしている。もちろん、デスマッチとは言え、再起不能になるレベルでダメージを与えるようなギミックは無いだろうから、流血するくらいの威力なのだろうけど、それでも絶対に食いたくないものだ。
それらを身体を張ってキズだらけになりながら戦う現代のグラディエーターのようなデスマッチレスラーはとても雄々しく英雄のように輝いて見えた。

このから話は変わるがプロレスの興行というのは、物販に非常に力を入れているのが印象的だ。さっきまで試合をしていたレスラーが自ら物販に立っていると思わずファンは買わずにはいられないだろう。応援するという気持ちが金銭とグッズの交換を通して伝わる事は非常に良い事だ。

しかし、もっと金銭を使ってレスラーを直接応援する事は出来ないだろうか?

それは「課金制アイテム投入デスマッチ」である。

昨今のスマホゲームは課金することによりキャラクターの装備やアイテムが充実していく。このシステムを利用し、試合中にリアルタイムで客が課金することによってレスラーに凶器や武器、防具が投入され、戦闘力が上昇していく仕組みだ。

課金を多くされたレスラーがどんどん強くなっていく。500円で栓抜き、1000円で一斗缶、2000円でパイプ椅子、5000円で竹刀、10000円で模造刀、100000円でエアガン。
10万円で「会場のどこかに身を潜めている雇われスナイパーに空気銃ライフルで相手のレスラーを狙撃を依頼する」とか、めちゃめちゃ課金したくならないか?

もちろん防具も定番のプロテクター、ヘルメット、盾代わりのポリバケツの蓋から、鍋、本格的な甲冑、パワーアーマーまである。

ファンは応援しているレスラーを勝たせるべくガンガン課金していく。肉体的は劣っている選手がファンの応援(課金)で強くなる。

まさに資本主義の極みのような戦いだが、スマホゲーム世代にはマッチしているのではないだろうか?課金!課金!

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ありがとうの一言です。本当にありがとう!