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FFとHHのあいだ〜スニッチなしのニッチな個人的感想文〜

【リポストします!!】
本稿で触れさせていただいているCreepy Nutsの楽曲「Bad Orangez」について、本日(2022.2.15)MVが公開されたので、追加してリポストします。本当に素敵な曲なので、是非聴いてみてください🙏

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4/24。とうとうこの日がやって来た。大好きなCreepy Nutsのライブに初めて参戦する。
朝検温すると、いつも通り平熱。今日こそは大丈夫。3/17の二の舞にはならずに済みそうだ。

15時に日比谷で待ち合わせ。火曜日のラジオで松永さんが言っていた時間と場所。今回チケットを2枚買っていて、FFのどなたかと一緒に行こうと思っていた。待ち合わせたのは、お初にお目にかかるFFのMさん。これまでたくさんやり取りさせてもらい、ずっとお会いしたいと思っていながらも、私が長時間家を空けるのが難しかったために念願かなわずにいたお方だ。

会えただけで嬉しくて、涙ぐんでしまった。こんなご時世でなければ、間違いなくハグしていたと思う(初対面なのに厚かましい)。お互いのことをたくさん話して、笑って、泣いた。
その後、Mさんが待ち合わせしているというDさんと合流。私のFFでもあり、いつかお会いしたいと思っていたお方。お目にかかれたのもMさんのおかげで、めちゃくちゃ嬉しかった。

そして絶望的に方向音痴な私を2人が会場まで連れて行ってくれた。なんとも心強い。
会場は日比谷公園大音楽堂。まずは日比谷公園にたどり着かないといけない。
独りで来ていたら、公園にすらたどりつけなかったかもしれないと思うと身震いがする。

公園に近づくにつれ、うっすらと音が聞こえてきた。リハーサル中なのだろう。最初に聞こえたのは、リズミカルに打ち上がる花火の音のような低音のビート。この音のする方に進めば会場に着けると思うと、浮き足立って気持ち早足になるような気がする。

横断歩道の向こうに公園の緑が見えて来る。ここに来て、音漏れがはっきりと輪郭を持って聞こえてきた。Bad Orangezだ!

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[追記: 2022.2.15 MV公開]


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信号待ちの間、目眩のような立ちくらみのような感覚があり、一瞬すうっと意識が遠のいた気がした。このまま失神するのか、もしかしたらここで死んでしまうのかもしれない、私。
信号が青に変わり、はっと我に返った。前を歩くDさんMさんに遅れをとらないように、横断歩道を渡りきる。公園の敷地内に入ると、Rさんの歌声までしっかり聞きとれるようになった。ああ、ようやく夢にまで見たお2人に会える。しかも今日、大好きなBad Orangezを生で浴びられるなんて…

昨年アルバム「かつて天才だった俺たちへ」をリリースして以降も、精力的に新曲を発表し続けているCreepy Nutsのお2人。Bad Orangezは中でも私の一番好きな曲だ。昨年11月の武道館公演のアンコールで披露されたとき、Rさんと松永さんが「舐めた輩には波状攻撃」しているのを配信で観て、iPadの画面越しにもかかわらず、がっつり被弾してしまった。お2人を舐めてるつもりなど微塵もないのに、しかも電波を介しているのに、撃ち抜かれてしまうなんて全く聞いてなかった。

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公園内には入場を待っていると思われる人たちがたくさんいたけれど、敷地が広大なので、密に感じることはなかった。ただしベンチは満席だったので、それ以外で座れる場所を確保。すぐそこから聞こえてくる歌声に早くも胸がいっぱいになりながら、Mさんに電子チケットの分配方法を教えてもらい、何とか無事に済ませることができた。

チケットをスマホに表示させて入場の列に並ぶ。スタッフさんが手早く検温とチケットのもぎりを済まされ(虫眼鏡みたいな機械をスマホの画面にくっつけていた。その後、電子チケットの画面は消えてしまったように思う、何かの魔法みたいだった)、その先に設置された手指消毒のアルコールを手に擦り込みながら座席に向かう。

今回ご用意された座席は、A5列目。1週間前に座席番号がわかったときは、息が止まるかと思った。Aってことは、もしかして最前のエリア?その5列目ってこと??大慌てで座席表を検索すると、A5はやはり前から5列目だった。やばいやばいやばいやばい。信じられなくてリビングで雄叫びをあげ、娘に怪訝な顔をされてしまった。

扇形に広がっている客席の後方から、階段状になっている通路をぐんぐん下り、徐々に座席に近づいていく。どこまで下っても、なかなか座席にたどり着かない。Mさんと2人してやばいやばいしか言えなくなった頃、ついに座席番号を見つけた。

こ、こんなに前なの?

席に着いて驚いたのは、客席の最前列がA2列だったこと(私の座席のブロックにはA1列は存在しなかった)。更にはA2列とA3列の間にフェンスが立てられていて、座席の販売はA3列から後ろだったこと(最前列とステージの間の通路は、カメラクルーが撮影で使うために販売していなかった)。つまり、実質前から3列目!!!初参戦にして一生分の座席運を使い果たしたに違いなかった。

開演まで残り10分ほど。ひと方、会場で会おうねと約束している方がいた。FFのHちゃん。タイミングが悪くて、ずっとすれ違ってしまっていたら、私のいる席を見つけて、わざわざ会いにきてくれた!!しかもお会いしたかったFFのAさん、Eちゃん、Yさんを連れて!!!短い時間だったけど、ご挨拶できて嬉しかった。4人ともほんとうにありがとうございます。謝&謝。

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少しすると、Mさんが驚いたように言った。「あれ?主催なのに?一番手なの?」
最初Mさんの言葉の意味がよくわからなかったが、少し遅れて私の耳にCreepy Nutsファンにはお馴染みのあのSEが聞こえてきて、そういうことかと思った。本番直前の慌ただしさ騒がしさの中、コツコツと近づいてくる足音。ライブが始まる合図のSEだ。この足音にあわせるようにしてお2人が(松永さんお1人の場合もある)登場する。キーッ、バタン、とドアの閉まる音でSEが終わり、1曲目のイントロが流れて本番スタート。というのが定石。

ということは、この後Creepy Nutsのお2人がライブを始めるということになる。でも、今日のライブには3組のゲストがいるのだ。対バン形式のライブはゲストが先に演奏し、ホストは後からのことが多い。
いったいどういうことになっているのか。混乱していると、お2人が舞台下手から笑顔で登場し、定位置についた。

もう、すぐ、そこに、お2人が、いる!!

手を伸ばせば届きそうな距離とは、まさにこのことを言うのだと思った。

それから先のことは、夢の中の出来事のようで、正直言ってよく覚えていない。どうにかしてsnitchなしのレポを書きたいと思っていたが、記憶力ゼロでそもそもsnitchできないという体たらく。あるいはsnitch防止のために会場を後にした途端、1…2の…ポカン!で全部忘れる魔法にかけられていたのかもしれない。入場と同時にどこかへ消えてしまった電子チケットのように。

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帰り道、もうお一方、ずっとお会いしたかったFFのRさんともお会いできた。めちゃくちゃ嬉しかった。すっかり暗くなってしまった上に、来たときとは違う場所から公園を出ることになり、駅がどの方向にあるのかもわからなくなってしまっていた。でもMさんRさんとあれこれおしゃべりしながら歩いていると、不安は全くなかった。それどころか楽しくて楽しくて楽しすぎて、いつまでも駅に着かなければいいのにと思ってしまった。

MさんRさんは同じ方向の電車で、私は反対方向。私の乗る電車が先にホームに入り、また必ず会おうと約束して、電車に乗り込んだ。2人ともずっとずっと手を振ってくれていた。私もずっとずっと振り続けた。

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失ってしまった記憶を補おうと、帰ってから配信のアーカイブを見直した。ひとつだけ強烈に思い出した会場の記憶がある。それは響き渡るビートとそれに負けない声量のラップ。音というのは、空気が震えることで伝わるのだということを改めて体感した。イヤホンで聴くとき、震えるのは鼓膜だけだけど、生は違う。その場の空気が震えて波状になって、扇形に広がる客席の隅々まで、いや、会場内にとどまらず、その外側にまで届いていた(はず、来るとき聞こえていたし、ラジオでも若林さんがそのことに言及していたから)。まるで頭のてっぺんから足の爪先まで身体全部が鼓膜になったようだった。全身を機関銃で撃ち抜かれるような衝撃だった。

あるいはこの印象は、会場の形によるものなのかもしれないな、とふと思う。

配信で観た武道館は円形で、終始あたたかく包み込まれるような優しさを感じた。

今日の野音は扇形で、熱くてヤバいものを一方的に浴びせられたように感じる。圧倒的な火力で容赦なくぶっ放される波状攻撃を、正面からまともにくらったような感じ。

どちらもHipHopで、どちらもCreepy Nuts。この二面性が魅力なのだ。あつさとおふざけのあいだ。かっこよとかわよのあいだ。ヤバさと優しさのあいだ。…そういえば、そんなようなことをゲストのRHYMESTERの宇多丸さんが言ってたような…冷静と情熱のあいだ、じゃなくて、なんとかとなんとかのあいだ、小説書いて!みたいなこと。なんだったっけ。やっぱり魔法が強すぎて思い出せないや。

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会ってくれたFFさん、ありがとうございました。私は皆さんに生かされています。
またお会いしましょう!必ず!!絶対に!!!

ちなみにFFとHHのあいだはGG。Good Girlzだな。某大手モールやスーパーでよく目にするG.G(グランドジェネレーション)じゃないよ。すぐそこまで近づいているような気もするけれど。

おあとがよろしいようで。


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