子どもの集中力のつけかた
2歳10ヶ月と1歳1カ月の二人の男の子をもつフォロワーさんよりこんなご質問を頂きました。
質問
『①上の子に集中力をつけさせたく、家庭でできる範囲でモンテッソーリ教育を取り入れてはいますが、なかなか上手くいきません。
下の子がやっている遊びが気になり、集中して何かをする時間が短いのですが、そのような場合はどうしたら良いかアドバイス頂けると嬉しいです。
②上の子に何か新しく体験させようとするとすぐ悪ふざけして、こちらがイライラして終了パターンが多いが、どうしたら良いでしょうか?』
答え
『子どもが集中するためには「自分から選ぶ」「繰り返せる」ことが大事です!
それらができるように、できる範囲でいいので、関わり方や環境を工夫してみましょう。
また、大人がやってほしいこと(用意した新しい体験)は、そもそも自分が選んだことではないために興味を持ってくれないことだって多々あります。
特に小さいうちは、やりたくないことも我慢してするという力がまだありません。ふざけるのは、ママ、ボクやりたくないよ、興味ないよ〜 ということかもしれません。
子どものプロである保育園や幼稚園の先生も、新しいことに誘っても、子どもに断られたり逃げられたりすることは日常茶飯事だといいます。
そんなものなのだと思って、どうかイライラしないで、じっくりゆっくり好きなことをみつけてあげてくださいね!』
以下でご説明します。
解説
【集中現象とは?】
子どもが、自分から選んで(またはやろうと誘われて、やる!と選んで)、そしてそれを手を使って繰り返す時に「集中現象」が生まれると言われています。
①自分から選ぶ
②繰り返す
③集中する
④達成感をもってやめる
これらが子どもの心をスッキリさせる、活動のサイクルです!
【自分で選ぶ】
これはご家庭ではなかなか難しいのですが、「自分で選ぶ」ことができるといいと思います。
できるだけ、お部屋の中をすっきりさせて、少ないお気に入りのおもちゃや活動の中から自分で「やる!」といって選べるといいですね。
「これをやる?それともこれで遊ぶ?」という選択肢を与えるのでもいいかもしれません。
【繰り返す】
一回やって終わるものではなく、「机を洗う」「ビーズを通す」「洗濯物をたたむ」でも何でもいいので、手を使って、繰り返せるものを!
やりたければ何度も繰り返せるものかな?という視点で、子どもの活動やおもちゃを用意するといいと思います
繰り返しが集中をうむ重要要素のひとつです。
【集中】
また集中しているときは、極力邪魔をしないことも大切です。
こちらがやってほしいと思っている、知的な活動でなくても全く構いません。床に落ちた、石ころ、ペットポトルや紙キレなど、一見どうでもいいゴミのようなものを使って遊んでいても、集中してるな、と思ったら、弟さんと離れたところで遊ぶなどして、できるだけ邪魔しないように見守りましょう!
【達成感をもってやめる】
自分で選んで、そして自分でやめられた時、心から満足してスッキリした顔をします。
毎日こんな風にするのは難しくても、時々、たまーにそういう遊び方ができるといいですね!
【お部屋づくりの見直し】
ご質問ですと、弟さんの遊びが気になって・・・ということですが勿論一緒に遊べる時間も素晴らしいと思いますが、もし二人並んで何かをやるようなお部屋の場合ちょっとしたお部屋づくりを工夫してもいいかもしれません。
目に見えるところにいると、どうしても一緒に遊びたくなると思いますので、棚やパーテションなどを使って、「お兄ちゃんが、ひとりで何かお絵かきや手を使ったことをするスペース」
棚の後ろに弟さんが「床で遊べるスペース」など空間を区切ることも良いと思います。
園のクラスなどでは、視界に邪魔されるもののない四隅や壁に向かって置いてある机を好む子どもも多いようです。
ご家庭の状況によりますが、もしできれば可能な範囲で物理的な環境を見直し、整えてあげるのも良いと思います。
【集中できない時期】
そして、実は2歳~3歳くらいですと、幼稚園や保育園のクラスでも、あっちにふらふら、こっちにふらふらしてなかなか大人のイメージ通りに集中することが少ないのが現実です。
わりと静かにじっくり関われる子、目に入ることに興味を持ってお片付けもしないで次のことを始める子と、様々ですが、これは個性によります。
全般的にまだまだ本能が強いため、目に入った楽しそうなことにパッを目移りして移動してしまいがちなんです。
でも、みんなゆっくりと、成長していきます。
ですから、3~4歳頃になるときっと集中力や一人で一つのことにじっくり関わることも増えて来ますので、焦らずにすすんでください!!
【家庭でのモンテッソーリの注意点】
最後に、ご家庭でのモンテッソーリの注意点をお伝えします。
質問者さまは、モンテッソーリ教育に興味を持ち、おうちでも取り入れようとされていて素晴らしいと思います。
しかし、いくら棚、トレー、活動をモンテッソーリ園のように用意しても、なかなかイメージしたように子どもが活動してくれないのも、おうちでモンテッソーリ あるある。
私も、そうでした。(涙 ) せっかく教具棚まで用意したのにやらないやらない!!笑
なぜなら、家庭は生活の場だからです。
モンテッソーリの園に行くと、クラスではみんな他の子も活動していて、ここはそういう場なんだと割り切って活動することができます。
そう、図書館に行くとみんな静かに本を読んでるので、自分も本を読みやすいですよね。そんな雰囲気です。
ですが、家庭では、あんなこともこんなこともできる。大好きな弟とも遊びたい!大好きなママにも甘えたい!!
色々な刺激があるため、クラスよりもじっくりと活動しにくいのも現実です。
ですから、せっかく用意したことをやってくれないことも『あるある』だと割り切って、やってくれたらラッキーだな!いつかやってくれるかもな!くらいのリラックスした気持ちで、今だけの子どもとの生活を楽しく過ごされてくださいね!
今後も皆様の子育ての少しのヒントになるような投稿(長めの文)をnote で発信していきますので、良かったらいいねやフォローおねがいします^_^
保育士・モンテッソーリ教師・イデーモンテッソーリ編集長
『マンガママひとりでするのを手伝ってね!』著者
あべようこ
子育て中のママパパに役立つような情報を書いています。 これからも頑張りますので応援お願い致します!! 保育士、モンテッソーリ教育資格者(0-12歳)、おもちゃコンサルタント、おむつなし育児アドバイザー。