見出し画像

子どもがおむつの外で排泄するのを嫌がる時

おむつなし育児アドバイザーのあべようこです。おむつなし育児とモンテッソーリ教育に基づいて色々と記事を書いてきました。

(マガジンはこちら↓)

1歳5か月の子供をもつフォロワーさんよりこんなご質問を頂きました。

質問

「1歳頃からトイレに行く頃に慣れておまるにも親しんでもらっていたのですが、最近おむつの外ですることを拒否して排泄を我慢してしまうようになりました。

おしっこが出そうなタイミングですっぽんぽんにして2回ほどリビングの床にしたこともありますが、出てしまった!みたいな感じになり、自分で拭き始めたこともありました。

その後はタイミングを見計らって、脱がせても、おむつの外ではしたがらず、ある程度するとおむつをはきたがります。

そのタイミングでしても良いことも伝え、「シーシー」の声掛けも理解しているようなのですが、しません。仕方ないので、オムツをつけて「シーシー」や「うーんうーん」の声掛けをするとします。どのようにしてステップ1と2を進めるとスムーズにいきますか?」

答え

「まずは子どもの気持ちを受け止めて、それから紙おむつを布パンツ・カバーなしの布おむつなどにし、場所の選択肢も与えて、様子をみてはいかがでしょうか?」


解説


さてママさん、お疲れ様です。色々と子どものことを観察して試行錯誤されているのが良く分かります!

この子の場合、既にステップ1(体から排泄物が出るという事実を、五感を使って脳が認識すること)は分かっていると思います。ステップ2(おむつの外でするという感覚を取り戻す)でも、膀胱や肛門を緩ませる感覚も育っているのですが、きっと頭がいいだけにちょっと怖くなってしまったのかもしれませんね。

考えられる原因

<おしっこが出そうなタイミングですっぽんぽんにして2回ほどリビングの床にしたこともありますが、出てしまった!みたいな感じになり、自分で拭き始めたこともありました。>

この時きっと、質問者さんは怒ったりネガティブな声掛けをされなかったと思います。しかし、1歳半頃になると大人が思っている以上にプライドも高く、色々なことが分かっている時期です。大人は何も言わなくても「こんなところにおしっこして、恥ずかしい!悪いことをしまった!」と自分自身で強く感じられてしまったのかもしれませんね。

それが、もしかしたら、もうおむつの外でおしっこはしない!という決意になってしまったのかもしれません。

ではどうしたら良いのでしょうか?

話し合うこと

おむつなし育児は『排泄コミュニケーション』とも言われています。

まずは、子どもの気持ちに寄り添って受け止めることが大切です。『どうしたいのかな?』『そっか、オムツでうんちやおしっこすると安心なんだね!』『じゃあ、うんちやおしっこしたくなったら、教えてね。』

その上で、こんな言葉をかけてあげてもいいと思います。

『これまで、時々、大人の都合のために、おむつの中でしてきてくれてありがとう。〇〇ちゃんも、もう大きくなって、パパやママのように、トイレやおまるでもできるから、少しずつ練習していこうね。おもらししても叱らないから、大丈夫だからね!

ありがとう、という気持ちを伝えることで、子どもも今まで自分がしてきたことは間違っていなかったけど、新しいステップに進むんだ!と理解ができ、また大人もリラックスすることができます。

場所の選択肢をあげる

そして、おまるを近くに置いて、『おむつでしてもいいけど、いつでも、したくなったら、ここでしてもいいからね』『おまる(トイレ)に座るのが嫌だったら、お風呂場でしてきてもいいからね』などと、したくなったら自分で行ける状況も常に用意しておいてあげるなどもおすすめです。

きっと、フローリングの床でするのはあわない(ここではしたくないと思っている)ので、おまる、お風呂場、トイレ、お庭、部屋の隅のシートの上など、「したくなったらオムツの外でしても良い場所の選択肢」をあげることも良いと思います。

経験をゼロにしない

おむつの外でするのが怖くて嫌だ!紙おむつでしたい!という時期でも、せっかく今ついている、ステップ1の、『身体から排泄物が出ている感覚を五感を使って認識する経験』をできらばゼロにしないことも大切です。

そのためには下半身についているものが薄いほど良く、紙おむつ<布おむつ・布パンツ<すっぽんぽん の順番で認識しやすくなります。

例えば、今紙おむつでしているなら、布パンツやカバーなしの布おむつをはかせる時間を作ってみてはいかがでしょうか?(もし聞かれたら、「今は紙おむつがおうちにないから、下何もつけないか、この布パンツかどっちがいいかな?」と選ばせるなど)

それでもダメな時

それでもダメで、「何が何でも紙オムツでないと嫌だぁぁぁぁ!!!!」という争いが起きるようでしたら、二つの方法があると思います。

①紙オムツをなくす

もし覚悟してできるようなら、家中から紙オムツをなくして子どもにも「もう紙オムツなくなったしまったの」と伝えて、「布ぱんつ(布おむつ)」か「すっぽんぽん」の二択にして過ごすという方法もあります。これにより、一気にステップは進むと思いますが、しかし、これには少し大人の方もちょっと覚悟が必要です。

②いったんおやすみ

もう一つは真逆ですが、肩の力を抜いてしばらく「おむつの外」をおやすみしてみてください。どちらを選ぶかは、ママパパと子ども次第ですが、子どもの1ヶ月、2ヶ月は、大人が思うよりも急速に心が成長します!年齢が近い子がトイレやおまるでする姿をみて、「僕もうおむつしない!」と急におむつがとれたりもします。

おわりに

子どもには、大人と同じように個人差も個性もあるので、マニュアル通りに進まなくて当たり前です。やり方も正解はありませんし、各ステップも、目安にしてください。

まず子どもの気持ちを受け止めつつ、ママパパも上手に気持ちを根気よく伝えながら、「あ~、こんなに臨機応変に対応して、私スゴイ!子育て力がアップしているわ~」と前向きにすすまれてください!

参考

(参考文献:おむつなし育児研究所 <0歳からの自然なおむつはずし オムツなし育児アドバイザー養成講座テキスト>)

「赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション: 「おむつに頼りすぎない育児」という選択」著:和田智代(言叢社))

おむつなし育児研究所HP 


あべようこインスタグラム





この記事が参加している募集

育児日記

子育て中のママパパに役立つような情報を書いています。 これからも頑張りますので応援お願い致します!! 保育士、モンテッソーリ教育資格者(0-12歳)、おもちゃコンサルタント、おむつなし育児アドバイザー。