【9879文字】「国際マンガ・アニメ祭:IMART2019 マンガアプリ大座談会 Vol.3 新人獲得とアプリ」簡易レポ

以下のイベントのレポです

自己紹介

1人ずつ自己紹介してもらいました。面白かったw

小室さん

LINEマンガインディーズ担当:ゲーム、音楽業界のあとにマンガ業界に。まだ入って数年。クリエイターの感じた「実体験」をもっと世の中に普及できないか?という想いが強く、そういったイベントなどを企画している。

https://manga.line.me/indies/debut

LINEマンガインディーズについて

LINEから実は分社している。80名程度の社員で、去年の約2倍の売上。AppAnnieの調査によると、「ゲーム」を除いたアプリの売上は第2位。

現状はアプリに「ストア」「無料マンガ」「インディーズ」という3つの機能でなりたつ。小室さんはLINEマンガインディーズを担当。2次創作のキャンペーン、集英社少女マンガグランプリなどの他社とのコラボをして、投稿したらデビューが集英社からできる、というコラボを進めている。

インディーズにあるフロンティアデビュープログラム

インディーズは365日24時間投稿できる。そんなヒトを応援するために、作ったのが、フロンティアデビュープログラム。「16週間」というのがキーワード。この16週間を説明する前に、フロンティアデビュープログラムについては以下のステップで進む。

1.LINEマンガインディーズに投稿
2.最短即日でスカウトメールが送られる
3.16週間のトライアル連載に挑戦

これは、企業が作家さんを試している、というのではなく、作家さんのとってもトライアル、と受け取って欲しい。それは、ここの16週間で、市場に作家さんが世の中に受け入れられるのか?を確認してほしい。16週間は長いようで非常に短い。なので、作家さんが描きたい作品で勝負してもらうことをメインとしている。編集部が口を出すのはほぼない。そして、この期間はトライアル期間なのだが、原稿料も出しています。白黒8,000円、カラー10,000円で原稿料を出します。そして、話課金と広告料もお支払いします。原稿料の支払いタイミングは掲載タイミングではなく、納品タイミングで支払いします。

掲載する場所もチャンスがあります。インディーズは「無料」タブでも見れるようにしてます。また、LINEマンガの会社側がするサポートに、プラスして「どれだけユーザーが見てくれるか?何回見てくれていたか?」という数値をレポートでお渡しします。

これらがうまくすると、晴れて本連載になります。本連載になると、表示箇所が増えます。

トライアル連載をしてみた結果わかったこと

数値が出る、出ないはたくさんの事例が出ました。そのうえで、16週間で結果が出なかった場合には、原稿をお返しします。として、他で使ってもらってOKとします、とさせてもらいます。これは「LINEマンガインディーズでは、合わなかっただけ」だと考えているためであり、他の媒体だと突破できることもあると思っているからです。

ということで、連載における他社との違いを整理すると

連載会議→スカウトメール
紙面に載ってから原稿料→デビュー前からもらえる原稿料
連載終わっても出版社が権利を持つ→連載終了後、すぐ戻ってくる作品権利

としています。

なぜこの方針で進めているのか?

「多くの才能に光を当て、マンガ家と読者の架け橋となる」
これを実現するために、上記の方針でやっている。多くの人に、挑戦の機会をお渡しして、LINEという「生活のインフラ」で活躍してもらえたらと思います。

鈴木さん

ヤングマガジンで7年目。コミックデイズというマンガアプリを作った。なぜこれを立ち上げ担当したかというと、もともと新人賞の運用や、LINE@でお悩み相談などをしていた。

https://daysneo.com

なぜWebアプリができたか?それは「媒体の増加」のため。前は席の数が決まっていたので「新連載」というのは、「何の作品の連載を終わらせるか?」というセカイだった。なので、席を増やすためにWebでは無限の席を準備できるので、始めた。ただ、その結果起きたのは「連載しているから成功しているわけではない」ということも起きている。

もう一つの背景は「同人・ユーザー主体のコンテンツ」が広まっているのも増えている。これもあって、Webで連載するための席があることが大事。

そこの先で触れておくべき話題が「編集者不要論」。こういったことを言われはじめたが、これは「問が大きすぎて意味がない」し、人によると思っています。ただ、出版社にも問題があると思っており、変えるべきは「出版社・編集者からの発信」が大事だと思っていた。

そんななか、背景としてどういった、編集者と作家の出会いは何があるのか?を考えると、持ち込み・投稿・スカウトの他に、「第4の出会い」を作れればと思っていた。具体的な問題としては、編集者も人によって、得意不得意、好き嫌いもあるんです。こんな中で、持ち込みなどは「持ち込みの対応をしてくれたヒト」次第になってしまう。これは編集者も千差万別だからもったいないなと。なので、「商業連載したい」上で「編集者が必要な人」にとって「自分に都合のいい編集者」を見つけるマッチングサイトが有れば良いなと思ったんです。

Daysneoでできること

1.投稿者は作品を投稿する
2.編集者は「編集者一人ひとりがバラバラに」メッセージを送ったり、担当希望をできる
3.一般ユーザーは「見る」しかできない!
※この「見る」しかできないのは、一般ユーザーはあくまでマッチングを覗くだけで、一般ユーザーがコメントできるなどは「ノイズ」にしかならないだろう、と想定したため。

具体的には編集者は、ラブレターのようにメッセージを送る。そして投稿者は編集者のプロフィールを見ます。ちなみに投稿者から逆指名することもできます。これは「婚活サイト」を参考にして、作りました笑

コンペ&コンテストも開催!

連載が決まった場合に、原作担当の場合には、作画担当も探すこともできます。イラストDaysなどからでも投稿を受け付け、作画担当を決めることもしました。

同業他社の参入大歓迎!

これはクリエイターファーストで考えているからです。どんどん他社のヒトが来て、クリエイターファーストでチャンスをみんなが得られるようにしていけばいい!そして、編集者がマンガ家さんの獲得できないとなるなら、そんな編集者は淘汰されたらいいと思います!

福西さん

2013年にGANMAに入って、5年くらい。編集部の前は広告会社にいた。

https://ganma.jp/

会社のビジョン

漫画家を子供達の憧れの職業に

GANMAがやっていること

今、8年やっている。最初は「ROUTE M」というマンガ家を支援するプログラムとしてスタートした。ただ、同時期にcomicoなどがアプリが生まれ、その流れが加速すると思い、2年目からGANMAをリリースしました。5年目に、完全にアプリ化し、今は8年目となります。

日本全体としては漫画アプリのダウンロードはずっと増えているので、市場としては大きいですね。

漫画の割合は男性が6割、女性4割くらいです。若い人が多めですね。認知率は25%くらい。

Route Mについては、マンガ家さんの「デビュー」が決まったときから、まず月10万円から、スタートしています。そして、漫画のレベルに応じて、10段階で、5万円ずつ月額の収益を増やすテーブルを創っています。

GANMA!は収益モデルは「広告」「サブスクリプション」「IP収益」の3つ。サブスクリプションは1年前からはじめたのだが、特徴は「連載が終わったものだけが対象」であり、連載中は無料、としていること。連載が終わった作品をどうマネタイズするか?の一つの答えだと思っています。

また、一つの取組みとして「クラウドファンディング」のサービスもしています。書籍についてはクラウドファンディングで、皆さんに協力してもらって、マンガ本を創るとしています。

一番大きい成功の一つはリセット・ゲームで、これは映像化もして、新しい挑戦もしました。

GANMAと広告

広告代理店のグループ会社なので、多くの会社とのコラボ企画もしています。資生堂やMixiなど、多くの実績があります

GANMAと新人獲得

これまでは、コミティア、学校めぐり、投稿など待ってました。昔の募集はノウハウもコネもなかったので、地道に。最初の募集LPはちょっと面白いくて、「侍募集中」というカタチで、証券会社みたいですね笑

最近の試み

投稿のオープントーナメントをしています。GANMAの中で公開して、ランキングを競ってもらっています。他にも、読み切り漫画企画もしています。Twitter/youtube/noteでもやっていきます。多くのヒトに投稿いただいております。

菊池さん

今回の登壇者は皆さん変わっていますよね笑。そういった新しい、ユニークな集まりのメンバーになったと思います。一昔とは全く違う中身になりました。

他の人の取り組みについて、ディスカッション

小室さん:デイズネオを見て、本当に業界が変わると思った。寸評を誰もが見れる場所に書くというのはとても緊張するのではと思うのですが、現場の編集さんはどんな事考えて描いていますか?

鈴木さん:編集者さんによると思いますが、密室で言えるけど、オープンな場所では言えないことを、作家さんに言うべきではない、というスタンスのパワープレイヤーなので、良いと思っています。

小室さん:あれを見ていると、編集さんって個性があるなとわかるから、そういった「編集さんを知る場所になっている」と思った。それがすごいと思った。また、偉い人から無茶振りされて来たときに、他の会社のアプリと違う様になったのがオモシロイと思った。Junpルーキーとかに寄せなかったのは?

鈴木さん:業界内再開発は意味がないと思っています。もったいないなと言うか。講談社の中でも3つのアプリがあるのもちょっと微妙だと思っています。マガジンの担当者をしていたときに、かならず新人さんの持ち込みを受ける「場所」が指定されていた。これは「センパイに常に、新人さんになんて言っているか、聞こえる場所で話せるようにしろ。そこで聞かれてダメなことを言っちゃダメだ」と教育を受けてきた。だから、そうあるべきで、違うものを創るべきだと思ったんですよね。

菊池さん:他の編集者さんが「やばいものができた」と飲み会が言っていた。

鈴木さん:編集部の中でも、利用を必須にしていない。ただ、デイズネオがあれば、スカウトするために地方に出張した結果、全然ヒトがあつまらなかった、となるのはもったいない。それなら「ココに投稿したら、絶対に返信するよ」ってしたほうが、お互いにとって良いと思っています。また、一つ伝えたいのは、新人と会う編集者が偉い、ってわけでもない。作家のサポートや数値を使うことが得意なヒトも居る。だから、そんな人は大御所さんと二人三脚するほうが良いって人もいるって知ってほしい

福西さん:複数の人が編集担当希望になったら、全員と会うってできるのですか?

鈴木さん:基本1人を選んでもらう。最大、9人から担当希望が付いた人がいましたね。ただ、婚活サイトなので、合わなかったら次の人、ってかたちで「キャンセルボタン」もあります。

一同:笑

福西さん:他の出版社さんもつかえるってことで、どのくらい使っているのですか?

鈴木さん:結構使っています。人によるのですが、使ってもらえたら良いなと思います。

福西さん:LINE漫画のインディーズでのトライアルはページ数は決まっていますか?

小室さん:8ページ、週一は最低お約束してもらっています

福西さん:そしたら、最低100万円ですね!

小室さん:計算がはやい!そうですね。だいたい、全部でまるっとやると150〜160万円くらい。これは、投稿という点に「目標」をおいて、広告出すと、かなりのコストになる。それなら、インディーズで出してもらっている人にこのラインでお支払いしたほうが、会社にもコストとしていいし、マンガ家さんがそのくらいのコストが掛かっていると理解させるためにもこうした。そのうえで、投資した上でダメなら原稿はお返ししたほうがいいと思った。それは、例えば業界的には3年くらい権利を持つのは昔の考え。今は歴史の流れが早いので、すぐにお返しして、すぐに他の場所で出せるとか、続きかけるようにしたほうが良いですよね。時代が変わっちゃうから。これはちょっと私がクリエイター寄りの考え方かもしれません。今、専門学校回っていると「マンガ家コースの学生」はすごく減っている。今は、学校で学ぼうとしていない。半分以下になっている。福西さんが言っていた「マンガ家が子供達の夢になる」というのは危機感がある。スターができないといけないと思う。

鈴木さん:スポーツ選手みたいですね。マンガが売れるっていう、才能があるというのは、大事。そのうえで、マンガ以外にも「クリエイティブ」の発露の先が増えている。だから、そこでマンガをどう表現するか。

福西さん:今、ラグビー選手めざす子どもが増えている。マンガ家って、アニメクリエーターにはなれない。それは、ラグビー選手がサッカー選手になれないのにちかい。一方で、芸人さんは、芸以外の脚本家や俳優など、他の稼ぎ方もあると思っている。マンガ家がもっと「稼げる職業」にならないと、憧れの職業にならないなと思う。

小室さん:数年前よりも挑戦するハードルは下がったと思う。そのうえで、作家さんの色は変わってきましたでしょうか?

鈴木さん:作家さんと言うより、マンガ雑誌の色が薄くなってきたということはある。昔はヤングマガジンでは、めちゃ面白いけど合わないから、載せれないというのはあった。けど、今はだいぶなくなっていて、Webでも載せられるようになった。マンガの雑誌における色っていうのは、実は読者による。読者が臨んでいる色になっていく。韓国のマンガの販売については、ずっと数値を見ている。

菊池さん:マンガと販売のテーマでも、そう言っていた。数値を追う。この作品は、あの媒体で電子で先にだそう、みたいな出し方で数値で見ているといっていた。それで20万部売れるということもあった。最近思うところとしては、マンガ家はたくさん稼げたほうがいいんじゃないか?と思っていた。素人考えで、青年マンガでもやったら良いと思った。しかし、20代の若いマンガ家はポートフォリオを組んでいる。連載と広告マンガ、両方を持っている人もいて、新しい形があるよね。

鈴木さん:それは結局「どんなことが自分の大事なことなのか?」ということで、人による考えの話しですね。人の満足次第。そういった新しく広告マンガをやりながら、連載漫画もやるというのは「正しい」と思いますね。それが新しい形でもいいと思う。そのマンガ家さんの考え方、満足がどこにあるのか?次第。

小室さん:編集との付き合い方は作家次第で、そのマッチング方法が増えているのはとてもいいですよね。作家さんにとってプラス

菊池さん:今は新しい企画の説明をするのがいい流れ。数年前はまだまだ説明が足りなかったけど、時代が良くなってきた。トライアル連載は、ノーチェックなんですか?

小室さん:基本そうですが、WebでのNGが出るような表現がないかのチェックはしています。相談してくれれば、フィードバックはするのですが。ココからスターなり、ヒットが出ることが良いなと思っています。いまはもう裏口とかなく、ここから羽ばたいてもらえればいいなと思います。

菊池さん:LINEの人と話したときに言っていたのは「ドラゴンボールをもう一回出すしかないよね」って言っていた。いいですよね。

小室さん:ただ、自分の疑問がある。ドラゴンボール級のヒットって「部数」ってことじゃないんじゃないかな、今の時代って思う。いまだに尺度が「部数」でヒットしたかどうかを測るのはもう違うと思う

鈴木さん:今同じことを言おうと思った。もう部数ではなく、PVとか認知度とか、そういった別の尺度を真剣に考えるべきだと思う。尺度がどうすれば満足ですか?ということを、作家さんに聞いている。紙に載って全国にでることか?それとも、人数なら中国のアプリのほうが見る人数は大きいので、中国で見られたいのか(1日2億人が見るアプリもある)。それとも儲かりたいのですか?と聞いてみます。

小室さん:例えば、セカイでDAUが1億など、それはヒットだと思うのですよ。

菊池さん:そういう意味だと、会社が持っていう媒体によるかもしれないですね。アニメやグッツも見て?などもあっても良いのかもしれないですね。カドカワさんなどは、さっきそう言ってました。

新人獲得について、アプリができた前後で違いは?

鈴木さん:従来型もありつつ、Twitterなどでもお声がけして、うちで雑誌連載しませんか?ってやったけど、難しい。継続しないとか、売れなかったらそのあとどうします?となることも難しいですね。

福西さん:アプリが増えたことで雑誌が減ったこともあるかもしれませんが、それでも「座席の総数」は増えたと思います。一方で、色んな人がデビューできるようになったことで、全体のレベルが上ったのか?ということは、難しいですね。もしそうならば、競争が健全に働いていないのかもしれません。例えば日本シリーズみたいな。

鈴木さん:僕らの中では競争は激化したように思うのですが、クリエイターから見ると「どこでもいい」ってなってないかと思う。作家の自制心、判断がどこになるのか?というのは、クリエイターさんも大変だと思う。例えば、もうちょっとこうしたほうが良いな、とアドバイスしたときに「けどここで何でも良いからデビューできるよ」って言われたときに、デビューがゴールだったのか?というのは、考えたほうが良いと思う。

小室さん:マンガ家さんがどういった情報収集をしているのか、は気になる。当然新しいサービスは良くないってところがちょっとあると、炎上する。けど、本当にそうなのか?ということは情報収集をきちんとすることができるのは大事だと思う。

鈴木さん:我慢をしないほうがいい、というのは、辛いことを我慢しないほうがいいということは、「聞くことを我慢しないほうが良い」という意味。これは、遠慮しないで聞きたいときに聞くべき。自分の経験の中の情報収集が一番。ちゃんと聞くことができる「我慢弱さ」が大事。だいたい相談受けて、話を聞くと、「最初に聞けばよかったのに」というのがもったいないと思う。

この時代の育成とはどう捉えるべきか?

福西さん:育成に大事なのは「背景にあるストーリーを楽しむこと」が大事だと思う。デビューするまでのこれまでの紆余曲折も、全部ストーリーになると思う。例えば、ぱっとデビューできた人は、その後絶対に苦労する。逆に、育成しきらないとデビューすべきではない、ということを言うこともない。連載までに時間がかかったというのもいいことに、最後なると思う。

鈴木さん:世に出るのは早いほうが良いと思いますよ。僕はそもそも育成という言葉が好きではない。経験が一番のものだと思う。連載を早くやったほうがいいし、アイデアは出し惜しみしないべき。貯めて貯めて、とするのはナンセンスだと思う。もったいない。これは、アプリ関係なく、昔から持っている。例えば連載会議で「話が面白いけど、画力が・・・」と言われるなら、それを超えればいいだけなんじゃないかと思う。そこに編集者がサポートするのが役割だし、それは自分でトライ・アンド・エラーやる人もいるし。

菊池さん:そういう意味では、ネット上のリアクションに冷静になってきた気がします。そのへんは変わってきている気もしますね。

作家へのインセンティブ

小室さん:僕らのところは良いところとしては、トライアルがあることですね。後は、話課金で売上になるので早いのと、あと作品の最後に広告を入れれるのですが、希望すれば。その広告売上ももらえます。また、PVなどを伝えます。作家さんから収益性は大丈夫ですか?と聞かれるときもあるので、その場合にはビジネスモデルもきちんと説明していますね。

福西さん:多くの人に読んでもらえるということが、大きいかなと思う。そのうえで、まだまだ日本一でも世界一でもない。また、報酬で釣ると報酬で浮気されるので、一番言いたいのは「面白いこと」を一緒にやれるというのが、いいかな。会社も若く、他の事業をしていることがスタートで、そしてクラファンもしてたりする。新しいことや面白いことを続け続けるのが、強みにしたいと思っています。そういったことを楽しんでほしい。

鈴木さん:講談社は110年目を迎えた。社内的にも過渡期で旧態依然としたシステムって、逆にいいかも。それは良いことかもしれないと思ってきたり。新しいことを学ぶとふるさもいい。唯一いいのは、マガジンという過去500万部、いま100万部弱の雑誌を出すことはもうできない。それを過去の実績としたのは強い。みんな知ってくれている。あと、編集者さんも30代が多く、社長も新しいことやっていこうぜ、イエーイって人。老舗企業の中では新しいことをやっているから楽しいです。作家のサポートのカタチも新しくできていると思います。

質疑応答

Q.週刊というのはどんな意味があるのか?今のWeb媒体で、週刊に意味があるのか?
A.小室さん:作家さんも、いろいろな生活がある。その上で、16週と先に言うことが大事だと思っている。掲載頻度を例えば、隔週にすると、ユーザー数がどんどん減ってきたという過去のデータがある。かといって、毎週描く必要はなくて、「書き溜めておく」というのはありです。他の仕事をしながら、2週間毎に更新していく、そして、16週分たまってから、発信開始している。それで、本当に人気が出るかをみてもらいながら、専業でやるべきか、今の仕事を続けるかを見てもらえると思っている。作家さんが考えてもらえるとおもう。ちなみに韓国なら週2更新、中国なんかは毎日更新もあります。チームでやっていますね。そういった海外の先進的な事例もあるので、そうしています。そのうえで、LINEマンガでやっていけるかどうか?を判断してもらえています。

Q.歴史が長いということで、デイズネオへの反発とどう向き合ったのか?
A.鈴木さん:丁寧な説明をして、かつ強制でもないと、みんなに話した。急に例えば、30分早く起きろ、って言われたら、みんなブーブー言う。けど、そこに理由はないことも多い。そこって自分で決めたわけではないことが問題だと思う。きっちり話し合うことが大事ですね。過去のやり方を否定したいわけではまったくないです。

Q.アプリができて、年齢制限はあるのでしょうか?昔は少年漫画は20歳まで、などあったと思います。
A.福西さん:ないですね、うちはまったくないです。むしろ年をとったことでかけることもあると思います。そのほうが面白い!って作品もあると思うんです。
小室さん:インディーズでは、どんな人かわからないまま、連絡しています。なので、結果の年齢は全く気にせずにしています。
鈴木さん:昔はあったけど、最近はあまりないと思いますが、一点あるのは、古い考えかもしれませんが、その人の人生の可能性で、若いほうが伸びしろがあると思っています。すでに子どもも多くいる中で、全てを投げ出してマンガ家を目指したとき、デビューできないと人生が難しくなると思います。私は2作品をみて、それで、伸びしろを見て、デビューできそうかどうかを判断させてもらったりしています。

感想

マンガアプリになったことで、個人的にはマンガ家さんの過ごしやすい、そして挑戦しやすい世の中が進んだと思いました!その上で、マンガ家一人ひとりが、選択肢が多いからこその「キャリア」をどう捉え、自分の「情熱の先」がどこに、つまり「連載」なのか「雑誌」なのか「紙」なのか、もしくは「生活」「売上」「読者数」いろいろな、答えのない「情熱の先」と向き合わないといけないのが、新たな時代のマンガ家が向き合う問題だと感じました。

あなたのキャリアは何を目的としていますか?と、問いかけられた登壇で、重厚でした。


ありがとうございます! マンガ家のコマッタを解決するために使わせてもらいます! マンガ家に還元!!!