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自国の文化を他の国へ広める時の気遣いと配慮

運営しているサイト「BEYOND MALAYSIA」で、新しいコラムが始まりました。サイトのビジョンに共通するお二人に、執筆をお願いしています。

アジアで活躍するお二人の生き方を参考に、多角度から物事を考えるキッカケとなれば、また海外を目指す方への応援メッセージにも、そんな趣旨で始めたコーナーです。

その一人、日本語パートナーズ 庄村 夢さんのコラムが、先日配信されました。


以下、文中より

「日本語パートナーズ」とは、は、アジアの中学校・高校で、現地の日本語教師のアシスタントとして、授業サポートや、日本文化紹介を通じた生徒や地域の方々との交流のほか、現地の文化や言語などを学び、学んだことを積極的に日本の人々に伝えるプログラムです。

詳しくはサイトでご覧いただけますが、今日はこの夢さんの活動に焦点をあてて「自国の文化を広める時の気遣いと配慮」について書きます。私を含め、海外と関わる全ての方にとって、大事なことだと思っています。

実は、日本の文化を海外で広めることに消極的だった

私は日本を出る直前まで「アンティーク着物」に関する仕事をしていたこともあり、日本の文化はとても大切にしています。けれど正直言って「日本文化を海外で広める」ことにはかなり消極的でした。というか否定的でした。その理由は主に3つです。

1)上から目線の押し付けになりがち

実は、素晴らしい自国の文化を知ってもらいたいと思うあまり「マレーシアの◯◯◯はダサすぎる!あと1年以内に日本式をこの国に浸透させる!」と意気込む事例を間近で見ていた時期がありました。確かにマレーシアはダサいものも多いんですが(笑)自分が逆の立場だったら?と考えたらすぐわかるでしょうけど、受け入れがたいです。

他にも、自国愛の強さゆえに「上から目線の押し付け」に遭遇した事が多々あり、これはどの国でも受け入れられないだろう、と今でも思っています。

2)海外に来てまで日本にこだわる必要があるのか?

私自身、ペナン移住後はマレーシアに馴染むことに必死で、子供たちの英語力UPのために「日本語を徹底的に排除」し、半ば日本を捨てていた時がありました。その頃は、せっかく海外に来ているのに?とか、相手は知りたがっていないのでは?などと勝手に思い、広める理由が分からなかったのです。(今はちょっと考えが変わりました)

3)日本人同士で集まることを避けたい

個人的に、日本人に限らず “大勢で固まることが苦手”なんです...。しかも海外で日本人が大勢集まると何かしら起こるので、特定のグループに属していません(個々に仲良くしている人はいます)。日本文化を広める活動には大人数で集まるイメージがあったので、絶対関わりたくないとまで思ってました。(すみません、このnoteは本音で書くことにしてますのでご容赦を!)

海外での日本人社会は「日本の縮図」なので、本当にいろいろ難しい...この辺りの話も、いずれ書く予定です。

消極的だった考えを変えた、夢さんの活動

そんなこんなで「日本文化を海外で広める」って、押し付けがましくて嫌だなと思っていたので、最初に「日本語パートナーズ」の活動を知った時も、少しだけ「上から目線の押し付け」を疑ってました。

ところが、夢さんの活動内容と彼女の姿勢に、私の予想は大きく覆されたのです。まず彼女、学校の寮で生徒や先生たちと生活を共にしていて上部だけの交流じゃなく、どっぷり現地社会に入っているのです。そして日本文化を持ち込むだけでなく、マレーシアの文化を尊重し積極的に吸収している。そして(日本語パートナーズの仲間は他校にいるものの)学校ではただ一人の日本人職員です。一人アウェイで奮闘中!なんですよ。これ、ものすごい挑戦だと思いませんか?

そんな姿勢に打たれ、この人の活動を紹介したい!と思い、勇気を出してアプローチしたのでした。

きっと大変なこともたくさんあるでしょうに、決して気負わず、押し付けず、生徒たちが自らの力を発揮できるように多方面に気を遣いながら、日本語や日本の季節行事・そして日本の料理や つまみ細工などの手芸に至るまで丁寧に紹介しています。

ここまで日本文化を極めている先生から直に教わる機会、日本人でもそうそうない気がする...さらにそれが現地の中高生に歓迎され受け入れられているなんて、素晴らしいじゃないですか!

こんな風に “対等に” 国際交流している人がいるなら、自分の認識を改めねばと考えが変わってしまったのでした。海外で暮らしていると、こんな風に「自分の人生や考えを根底から覆す出会い」が時々あって、それも海外生活の醍醐味かもしれません。

夢さんを始め、アジア各国で「日本語パートナーズ」として活動する皆さんの奮闘、その気遣いや配慮は、これから海外留学や移住するファミリー、また海外進出する企業にとっても参考になることが多いと思います。ぜひ、コラムを読んでみてくださいね!

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