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「東南アジアに暮らす日本の子どもたち」が担う役割

2019年も終戦記念日の8月15日をマレーシア・ペナンで過ごしました。

この時期、いつも思い出すのが6年前の出来事。ペナンへ移住した翌年、娘が11歳の頃に当時通っていたインターナショナルスクールで起きたこと。

以下2013年3月のブログ記事リライトですが、これを読んで戦時中の東南アジアでの日本人の行いについて、またこれからを生きる子どもたちの未来について、一緒に考えて頂けたら嬉しいです。

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毎日夕食時に、その日学校であった出来事を子どもたちから聞くのですが、
昨夜は話しの途中で、11歳の娘が泣き出してしまいました。

涙の理由は、授業中にある教師(マレーシア人)の話した戦争体験にありました。その先生の祖母と父親が住む家に、当時の日本軍が押し入って来たとのこと。それを聞いた娘は、

「どうして日本人の私が居る前でそんなこと言うの?責められてるみたい…」

と悲しい気持ちになってしまった様子。

あぁ、ついに来たか…と思いました。東南アジアで暮らす以上、これは避けては通れない問題です。きっと他国のインターや現地校でも、同様の経験をしたお子さんは多数いらっしゃるでしょう。

ここペナンでも、太平洋戦争中に日本軍が進駐した過去があり、反日活動を理由に虐殺されたペナンの方が居たことも事実*なのです。

*「ペナン、許すけどわすれない」というこちらの良記事(https://twitter.com/masurakusuo/status/265669592037355521?s=21)をぜひお読み下さい

↑当時朝日新聞記者だったジャーナリストの古田大輔さん(https://twitter.com/masurakusuo/status/265669592037355521?s=21 )が素晴らしい取材をされていたのですが、既に削除されたよう。残念です。


気持ちが落ち着くまでじっくり話しを聞き、そして4つの事を娘に伝えました。

①占領していたアジア各地で、日本軍が残虐な行為をした事実があること
②戦争はごく普通の人間を狂気に駆り立て、通常では考えられない恐ろしい事態が発生し得ること
③事実を知り、自分たちの世代でそれを繰り返さないことが大切だということ
④多くの国の友達と仲良くなることが、戦争を防ぐ方法の一つであるということ

過去に起こった事実は変えられないし、決して忘れてはいけない。けれど、

「子どもたちに責任は無いし、むしろこの子たちが世界平和の役割を担ってくれている」

と 思うのです。

戦争の仕組みを深く考えると、庶民レベルで世界平和を語っても無理があるのは重々承知の上です。それでも子どもたちには「君たちが国を超えて友情を結ぶことで、平和な未来が築ける」、先行き不安なこんな時代だからこそ、私はそう信じて伝えていきたいです。

娘の通うインターには、アジア諸国を始め様々な国の子どもたちが在籍しています。中には日本人に不快な感情を持つ人も居るかもしれませんが、幸いクラスメイトとはお互いの家を行き来したり、お泊り会をしたり、過去の歴史や国際情勢とは無関係に家族ぐるみのお付き合いをさせて頂いています。でも、それに甘えてるだけではなく、言語や習慣など少しでも相手を理解し近づく努力を続けねば、と思っています。

様々な国の子どもたちと学校生活を共にし、自分が「日本人」であることを強く意識した娘。先生の話しを「関係のない昔の話」としてスルーせず、「自分の国が過去にヒドいことをした」と理解したからこそ、の涙だったワケで…

「そう受け止められたことは偉いよ、正しいことだよ」

と娘を大いに褒めました。

最後には、先生は決して誰かを責める気持ちで話したのでは無い、ということを理解し、さらに自分の担う役割を意識して、ちょっと誇らしげな表情の娘…立ち直ってくれてホッとした、母・Mangoなのでした。

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