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大山崎山荘にて

休日の全てを家で過ごすなんて根性が私にある筈もなく、そんな消極的選択のうえ、昨日は大山崎山荘美術館へ足を運ぶに至った。三年ぶりにもなるだろうか。開催されていたのは舩木倭帆展。没後十年と節目でもある。

舩木倭帆の出身は松江で、先週立ち寄った県立美術館にも多くの作品が収蔵されていたり。

さて、展示されていたガラス工芸の品々だが、第一、用に忠実である。冷たさを連想する色合いの中にも、その丸みを帯びた形や滑るように締まった括れに温かみを感じるのは、用への志向があってこそであろう。散りばめられた光の世界もまた美しい。

二階の展示室にはバーナード・リーチ、濱田庄司らとともに河井寛次郎の作品も。以前足を運んだ際は彼にスポットを当てた展覧会だったかしら。前出の島根県立一のコレクション展においても、ちょうど〈シルエットでみる河井寬次郎〉という形の展示が。郷は舩木のお隣、安来市である。

河井寛次郎《三色扁壷》
島根県立美術館蔵

何故にまた寛次郎へ話題を流してみたのか、という理由であるが、たまたま昨夜観た『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』に他でもない寛次郎が一一 というわけである。作中では加納作次郎とされていた陶芸家に、どこからしい雰囲気がある、と思いながら眺めていると、ロケ地が実在の記念館に移るのであるからびっくりだ。

昨年十二月
同上

半分程で閉じてある『火の誓い』を、はやいとこ開きなさい。話はそんなところであった。

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