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陸中ノ地ヲ行ク

黒石寺

東北最古の寺院とのことで、開山は天平元年にまで遡る。堂内の暗がりには木造の仏像が多数。薬師如来像や四天王像は国の重要文化財にも指定されている。喧噪は遥か遠く、細流は爽やかなに気高き音色を奏でる。

正法寺

こちらは南北朝時代の開山。江戸時代中後期に建築されたという法堂の茅葺き屋根は圧巻の様。なんでも日本最大級とのこと。ここまで大きいと、また趣も変わってはくるものだが。無骨かつ急峻な石階段が印象的。

日高神社

平安時代、嵯峨天皇により創建されたと伝わるこの社。社伝阿弖流為、坂上田村麻呂、源氏、奥州藤原氏、伊達家と東北の歴史絵巻を彩る名前がズラリと並ぶ。境内に根を下ろす二本の杉の巨木は古の名残。白煙とともに花粉も舞いぬ。

錦秋湖

湖でなくダムであった。湛えられた雪解け水は、被写体を見失ったの気怠そうにみえる。翠或いは紅、ましてや白さえも疎らな狭間の季節。手持ち無沙汰甚だしいであろう。空の蒼は下界を嘲笑う。待ち遠しきは春どすなあ。

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