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比良比叡トレイル縦走50km本編

ずっと憧れていた比叡山坂本駅から朽木温泉までの50kmを一泊二日で歩くやつに挑戦。比良側だけのつもりやったけど、せっかくなのでフルコースに。
比叡側は全く初めての道。
比良はホッケ山より手前と細川峠以降が初めて歩く道。

六甲全山縦走より逃げ場が少ないけど、ツェルト有るし怪我さえしなければ(熊に襲われなければ)何とかなると思い決行。 
それでも時間割はペースごとや、エスケーププランやら何パターンか作っておく。下記はスマホのメモアプリ。これと別に紙と写メでも用意。もちろんヤマレコも参照。
休憩は予め決めず疲れたらするタイプなので、ゆっくりめのペースで作成。
また最近は長距離を歩いていなかったので2週間前に北小松駅から武奈ヶ岳、イン谷の20kmを歩いて実際歩けるペースや疲れ具合を把握。
荷物も出来るだけ最小限にして10kg内に抑える。

7時前に比叡山坂本駅をスタート。
お寺で参拝を済ませて登山道へ。道幅は広いが拳大以上の石が多い急登。少しでも石の少ない所を選って登る。全然登山道ぽくならないし、写真も撮らず黙々と登ってたら結構いいペース。2ヶ所凄くイヤな所が有った。
延暦寺付近まで来ると見事な紅葉の木が増えてきて流石に立ち止まる。進むにつれ観光客やNHKの中継車やらに惑わされてしまう。ここの駐車場で自販機補給とトイレのはずだったが失念して、登山道の看板に救いを求めるように入って、気づいた時にはもう遥か彼方。

歴史を感じさせる木の高さ


その後も眺望の無い道を黙々と。そのせいか1時間ぐらい予定より先行していたので梶山で休憩。ここから暫く下り基調になるはず。
トレランの人がやって来て伊香立峠で迷ったと伺う。確かに迷いそうなポイントで、予め聞いておいて助かった。
他にも唐突に細い道に入るポイントが何ヶ所か有り、気付かず通り過ぎたところも。

図以上にヘアピンで草


魚の子山からは楽になると思っていたが、予想より急な下り。落ち葉やらで滑るから走れないし長過ぎてキレそう。もうあかんと思ってたら水場が見えて止まる理由が出来て歓喜!初めて浄水器を使用。

傾斜も緩くなりヘラヘラ歩いてるといきなり大きな白骨がそこら中に散らばってて叫んでしまう。先に水汲んどいて良かった。
前方に道路が見え、安心したところで今日最後のトイレポイント還来神社に到着。ここも参拝してから恐怖の長い登りに向けて集落を進む。
自販機有りそうで無いのが滋賀県ぽい。登山口手前の家の縁で奥さんが本を読んでるのを見て昼下がりを感じた。

魚の子から霊仙山まで写真ほぼ無し


登山口の門をくぐり、また黙々と登る。傾斜が予想より緩め。しかし3時間以上登り基調と分かっているのでペースが落ちないか不安。日没までには宿泊予定地に着きたい。
黙々とひたすら登ってて気がつくと急登になってまた緩むの繰り返し。
たくさん根の這った日の当たらない急登でトレランの人や高齢者の団体さんとすれ違う。日帰りなら下山の時間真っ只中の中、ひとり登っているのが変な感じ。

かなり標高上がってきているのになかなか権現山山頂に着かない。急登のままいつの間にか岩混じりで赤く色づいた葉が目に付く。そして空腹感も出てきて疲労感も半端ない。急登はあまり脚止めないようにしてるけどもうあかんと振り返るとその日初めての大眺望。即やる気が戻って登りきってしまう。

ここからは急な登りは無く稜線歩きっぽくなるので行動食摂りながら宿泊地へ早足で向かう。ホッケ山を経由して予定より1時間早く小女郎峠に16時着。
風も無いので蓬萊山まで行こうかと思ったけど、知った場所の方がいいかなと小女郎池へ。
この辺りだと何がいいって、朝イチで打見山のトイレと自販機使えるので安心なのと、何度か歩いたことのある道でもあり、夜明け前でも比較的歩きやすいし迷うポイントが無い。またあまり比良の中心部に近づくと熊がいそうとも思った。

初めてのツェルト泊(借り物)
狭い

ツェルトは地面が柔らかいのもあってすんなり建てられた。マットとシュラフを入れると流石に狭い。着替えようと思ったが上手く出来ず、人目が無いのをいいことに外で着替える始末。オバハンになるとホンマあかん。サンダルは敢えてもっていかなかったが、有った方がより快適だったと思う。
熊避けに熊鈴とラジオを持って行ったが、登山中は殆ど電波拾わなくて参った。宿泊地では聞けたので退屈せずに済んだ。

夕食は尾西のビリヤニと無印良品のロコモコ。お腹空き過ぎてて一瞬で無くなる。デザートは濃厚チョコブラウニー。正直足らん感じ。夜中目覚めて空腹感に悩まされた。
その割に朝食のガパオライスは何か合わず途中でスプーンが止まってしまった。お味噌汁が有って助かった。

結露対策にシュラフカバーを付けたが、その中でも結露してた。あとやっぱりエアマットの収まりがイマイチ。滑り落ちていくようで落ち着かない。
ツェルトは使い勝手がわかってきたらもっと楽しめそう。でも広いテントも楽しい。
 

小女郎峠から


翌日も登り少なめとは言え同じぐらい歩くので夜景をちょっと見に行ってから早々に寝転ぶ。ストレッチ忘れてたと思ったが、起き上がる気力も無かった。
前は風がうるさかったのに、今回は静か過ぎて怖い。しかし暫くするとやたらと飛行機の音が響く。鹿も鳴くしたまに強い風が吹いて何度も目が覚めた。月明かりが眩しい。寝返り打ち過ぎて寝袋の向きがよくわからんくなってた気がする。

目覚ましが鳴る直前に起床。3時。
4時半に出発したいので朝食と片付けを。新しく導入したランタンと月明かりのお陰で夜明け前でも苦にならなかった。
結露で濡れたツェルトはザックの上に括り付ける。こういうところはテントより圧倒的に便利。

や 流石に寒いのでレインパンツは履いて出発。朝露で濡れた笹が足元に茂る道なので履いてて正解だった。打見山まで上がるとかなり寒かったので神社でレインジャケットも着る。暫く登りも無いのでちょうどいい感じ。バーサライトはほんと辛いし買って良かった。

神々しい


下ったところでトイレと自販機補給。ゴミ箱は鍵のかかった扉の向こうにしか無く潰してザックへ。
夜空を見ながら歩いてたら木戸峠に入り損ねたり、夜明け見たり服脱いだりそんなこんなで時間を食ってたようで比良の辺りで30分押しになってた。とは言え、温泉入って最終バスに間に合いさえすればいいので、逆に焦らないように言い聞かせる。
とは言えちょっとした登りも苦痛になっていて、半ば山道に飽きたと思いながら歩いていた。もう武奈ヶ岳でやめよかなとも思ったり。

ガスガス星人


打見山で昼食用の水を買うのを忘れてたので金糞峠で浄水器使用。昼過ぎに着いたので結局使わなかったが、ここで汲んでみたかったので何か嬉しい。

今回は稜線歩きではなく、初めて武奈ヶ岳に登った時に通ったコヤマノ岳経由だがとんと思い出せない。ワサビ峠経由より楽やった気がする。
暫くは2週間前にも歩いた沢沿いを進み、丸太三本の橋を渡って逸れコヤマノ岳への道へと進む。あれ?めっちゃ急登やんと思ったが、そのうち緩むやろと淡々と登る。しかしいつまでも急登。それも落ち葉でたまに踏み跡がわからなくなる。こんなにキツかったっけなあと思いながら、眺望も無い急斜面をひたすら登り続ける。いつまで経っても記憶にある八雲が原との分岐の看板は見えてこない。もう無心。ふと気づくと緩くなって記憶のある場所へ。きっと辛過ぎて蓋してたんやろな。

30分ぐらい急登を登り続けた後は武奈ヶ岳に間もなく到達出来る喜びでいっぱい。キツいのにここまで予定通り来れたから最後まで歩こうと決心もした。標高書いてある棒が見えた時にはちょっと泣きそうになった。駆け寄って棒にハグ。完全に頭にキテた。
誰もいない穏やかな武奈ヶ岳は初めて。ここで今日の行程の約半分が終了。

初めての武奈ヶ岳独り占め


この先の下りは2週間前に登ってズルズル滑ったので慎重に下る。とは言え滑る。もう滑るのがデフォルトになってきてたまに小走り。シクロクロスでもこれぐらい出来るようになりたい。
今までになく眺めがめちゃくちゃ良くなって、空も見えて楽しい。またロングトレイルとトレイルランの看板も有るのでスマホ見ずに安心して進める。
途中ぬかるみで熊の走った足跡が有ってドン引きしたり、紅葉に夢中になってたらコース外れて道を見失いかけたり。それでもトレイルのテープが巻いて有るのでペースも落ちず、温泉でゆっくり出来そうな予感。

この季節を選んでほんと良かった


と思うと急に名残惜しくなって、ちょっとペース落として落ち葉をじっくり見たりしてしまう。
最後の登り、もうすぐ蛇谷ヶ峰というところで道を見失う。落ち葉で踏み跡が隠れて見えないし、そう言えば目印のテープも暫く前からもう全く無い。看板も何か適当な矢印。急斜面の先にどうも道らしきものが見える。ヤマレコ見て方向は合ってるので取り敢えず登りやすそうな所を選んで進むが、もし間違っててコレ下るのは嫌やなあというぐらいの急斜面。現に頂上の表示に急坂って書いてあって草。先教えて欲しかったわ。
何とか登り切ったら後は山間にいかにも滋賀県な田園風景が見える大眺望。頂上からは人の声が聞こえる。

滋賀県は湖と田んぼと山


ここでツェルトをたたみ直そうと思っていたが、ちょうど昼時のせいか人が数人いたのでやめ。お腹も空いたのでちゃっちゃと温泉へ向かうことに。
下るだけと安心していたけど、段差の大きな階段の作りになっていてとても苦痛。これは登りでも下りでも嫌なやつ。落ち葉がキレイので気を紛らわしながら片方だけに負担をかけないようにドスドス下る。途中の分岐で引いてたコース通り進んだけど、右に行けば温泉への近道だったようで3kmほど余計に歩いたよう。ゴールをバス停人気のしたのが失敗やった。施設の最初の入口から温泉まで1km以上登らされたし()
大きなイロハモミジやら見れたし、山行距離50km超えたからまあええかと。

鯖寿司御膳

温泉に着いたら先に鯖寿司と蕎麦のセットを平らげてから待望の温泉へ。
ぬるい源泉が気持ち良くてつい長風呂。
お土産買って醤油アイスモナカを食べる。
ありがたいことにバス停までの送迎バスが有ったので利用させてもらう。朽木学校前のバス停は向かいが道の駅で、自転車で何度か通ったとこでびっくりした。
安曇川駅からは新快速で一気に帰還。これ以上無くらくちん。アドベリー生酎ハイ最高でした。

歩いてる時は二度とせんわと思ったけど、比良側だけならちょっとコース変えて(北比良峠とか通りたいやん)ゆっくり歩きたいな。





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