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『階伯』 国の終わりのとき、人は…

初めに。私はネタバレとか気にならないので自分でもネタバレする。

韓国ドラマ『階伯』を眺めている。
半島が三国に分かれていた頃。
階伯は百済の武人。
彼が仕える義慈王は、百済の最後の王だということを、観ている私は知っている。今観ているのは終わりに近づいた第32回あたり。
義慈王は、劣等感の塊。
武功を立てて民衆や兵士からの信望の厚い階伯に嫉妬している。そして、階伯と相思相愛の女性である恩古に恋慕して側室にした。
劣等感・嫉妬心を刺激されるたびに顔を歪め、何かというと怒鳴りつける。階伯を投獄までする。俳優さんの演技力が素晴らしくて、小物感甚だしいのだが、新羅王女である善花姫を母に持つ彼は若い時期は父王の正室沙宅妃に目をつけられぬように女好きの愚か者放蕩者を装うことに徹しながら生き延びてきた。実は有能でかなりの切れ者ではあるらしい。ただ、階伯の方が武人としての能力に長けて人望が厚く、恩古も階伯を男性として慕っているわけだな。悲しい役割だ。

朝廷内はさまざまな陰謀が渦巻く。
義慈王の正室は、側室恩古を妬む。自分の生んだ子の泰を王位につけたくて、恩古と恩古が生んだ子の孝を追放しようと企む。

しかし義慈王は百済最後の王なのだ。
百済は程なく滅亡するのだ。
如何に陰謀をめぐらそうとも。

義慈王は百済最後の王なのだ。
彼が如何に階伯を妬み優位に立とうとしたところでそれは変わらない。

英雄階伯と、百済滅亡のときの王義慈。


税金で8億回分の薬剤を買い、姑息なやり方で強要し、税金を使った2万ポイントで釣って国民皆保険制度を危うくさせ、国の経済を30年にわたって停滞させても責任を負わず、ただただ我が身の保身と自分や自分と親しい連中の栄達だけが関心事のこの国の上層部に考えが至ってしまう。
彼らは、どんな好き勝手をしてもこの国が安泰だと思っているのだろうか。
それとも、どんなに衰退しても、そのとき国のてっぺんにいれば、それで満足なのだろうか。



それにしても贅を尽くした衣装に武器武具、調度品だな。あの時代とは思えず、また、程なく滅びるとも思えない。

個人的に特に好きな登場人物は、フンス(キム・ユソク氏)と少女時代の恩古(パク・ウンビン嬢)。

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