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仏師がおしえる彫刻教室とは

お寺やカフェ、公共スペースやイベントなど、各地に出かけて彫刻教室、ワークショップを開講しています。
2023年現在、月8回程度。名古屋市内や近郊の尾張旭市、瀬戸市、春日井市などを中心に、東京成城で毎月、大阪府箕面市でも3ヶ月にいちど定期開講。
大阪市内や奈良、京都、福岡、安曇野などこれまでさまざまなところに伺っています。

一回だけ彫ってみたいという方から、一生の趣味にしたい方まで

すべての教室で一回ずつの参加費制にしているので、入会金や月謝などいりません。彫刻刀やケガ防止の切れにくい手袋など道具は用意されています。
材料は200円〜大きさに応じて。やわらかくて彫りやすい木曽ヒノキを使っていただいています。

簡単な彫刻の見本は用意していますが、はじめから見本にない自分の彫りたいものを彫ってもかまいません。

就学前のお子さんから90歳くらいの方まで、親子やパートナー同士で参加したり、目の見えない方、臨月でもノミを振るう方、赤ちゃんを抱っこしたまま彫る方。いろんな方に一緒に楽しんでいただいています。

開講時間内は出入り自由。時間途中から来ても途中までで帰っても、休憩で抜けてもOK

一度で彫りあがらなければ、いつでもどこの教室でも、続きを彫りに参加いただけば結構です。

数年ぶりにふいに来てくださる方があるのもうれしいものです。


さてこんな教室をなぜやっているのか。
私が10年あまり師事したお師匠さんは自宅工房とお寺の2箇所で彫刻教室をされていました。
私が2010年に独立後もすこしだけお手伝いしていた時期もありますが、2015年にお師匠さんがなくなって、教室がなくなってしまうということもあり、
それまで不定期に少しやっている程度だった彫刻ワークショップを定期的に開講するようになりました。
いまでもお師匠さん教室から引き続き、私の教室に来ていただいている方たちもあります。
生前お師匠さんは彫刻教室で生徒さんの作品を見るのはいい勉強になると言っていました。部分的に彫りすぎたり、彫りたりなかったり、バランスが悪くなったりした像を限られた時間内に軌道修正してアドバイスするのが、自分の作品を彫るためにもいい訓練になると。自分も修行時代はお師匠さんの傍らで、生徒さんの作品に手を加えながらアドバイスするのを見て観察していてのでした。
お師匠さんの教室はテキストに沿って、まずは買い揃えた自分の彫刻刀の刃に柄をつけるところから始まり、板に模様を彫る、足だけ彫る、手だけ彫る、頭を彫れるようになってやっと一体の仏像を彫るのに挑戦するという、初歩から一歩一歩身につけるというものでした。
私の教室は初めての人にも好きなものを彫ってもらうスタイルなので、ずいぶんいい加減ですが、それでも何年も通って立派なお仏像を彫る方もいるし、一回だけでも楽しんでくださる方もいるので、良い悪いでくらべられないかなと思っています。

あちこちに出かけて一回参加制、題材自由となると、どの教室に何人来るか、何を彫るかわからないのでずいぶん効率は悪いです。儲けを考えたらやらないほうがいいのかもしれませんが
子育てや会社づとめなどで忙しい方はなかなか定期的に来るのが難しいし、そんな方たちにこそ日常を離れて木の感触に没頭するような時間を持っていただけるといいなと思っています。
いろいろな出会いや広がりもあり、彫刻教室のつながりで自分の存在を知ってもらったり、お仏像を彫る依頼を受けたりということもあるので
普及、布教?活動として、あちこちにでかけて教えるのを続けているのです。

出張彫刻教室はいつかあなたの住むまちにも行くかもしれません。




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仏師 真野明日人 まのあすと


生徒さんの作品より
生徒さんの作品より 大黒天
本堂に並んだ見本の彫刻

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