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notoに投稿した記事が1年後我が身に起きた不思議

 冒頭の写真の中の文章は2019年2月に発表した note の記事の抜粋ですが、地方病院の病理検査科職員が検査室内から、人の形をした真核細胞を持ち出し、自宅で培養し成長させるという荒唐無稽なSF小説仕立てで、大騒動を巻き起こすことになるのだが、冒頭の亮青年のキャラクター設定の折に彼を「無類の女好き、スケベ、女たらし」として、何故だかその性格を生来のものとはせず、インフルエンザウイルスを発症した際に同等の得体の知れないウイルスをも取込み、世界に5例しかない珍しいタイプの症例として、病院も彼を一定の監視下置く取り組みがなされた、とせれている。詳しくは『微生物ーバクテリア=単細胞生物〛をお読み下さい。
(後々の参考のためにこの記事の発行された日時は2019年2月10日09:08

 自分でキャラクター設定をしておきながら、亮青年の「女癖」の悪さが露骨でみっともないから変えようと思ってたが、時の過行くままに放っておいてしまった。
 注目して欲しいのは、彼の「女好き」が生来からのという設定ではなくて、感染症により後天的に生じた性格異常であること。

今頃になってほおっておけなくなった訳

 甲状腺機能亢進症
 
2020年2月に受けた診断結果である。
 この三か月前の心筋梗塞の受診の際、医師から
「甲状腺機能に異常が見られますが多分今飲んでいる薬の副作用らしいが、対処に緊急は要しませんので次回の診察に詳しく診ましょう」
 当時は、私はこの医師の言葉を何気なく聞いた。また、聞いたように "次の診察日‘’  まで心臓の異常や ”せん妄” などの症状もなく、自覚症状に特別変化がないまま、その年の5月の診察日を迎えた。

投薬種類変更に伴う入院観察
 
診察は循環器科と内科の二か所での処置となった。
 そして内科では甲状腺機能異常の診察と処置が行われるのだが、私が現在自覚症状感じられるのは、体重減少が見られたこと。銭湯で体重を計るたび  ”痩せていく”、最終的に64㎏から57㎏になるまでおよそ一か月。減少 のスピードが速く感じた。また花粉症のように鼻水も出てきてチリ紙なども必要になってきた。
 内科での診察を終え循環器科の診察室の丸椅子に腰を降ろした私を見ないままPCの画面を左右にスクロールしながら医師が、
 「中村さん、○○日に入院しなければなりません。今起きている甲状腺の異常を引き起こしている薬に変えて中村さんの体に適合した薬を選択しなければならないので」
 私には唐突に聞こえた「入院」。心臓の機能に変化は無いのに… 通院という選択を願い出てみたが、却下される。
 元来、病というものは普通唐突にやってくるものだ。たとえそれが医師の処方した薬の適合性の事であっても、やはり医師の指示に従うべきところ。私の中では入院を考えた時、一つ二つ懸念すべきことがあったが、入院の前に整理の付かない程では無かった。(今にして思えば)
 医師から入院の日取りを言い渡されて、「分かりました」と了承すべきところ、
「えっ、いきなり言われてもそれは分かりませんね!」と座椅子を蹴とばす勢いでそのまま診察室を出た。
 担当の医師にケンカを売った形になってしまった。
 内科で診てもらっている甲状腺機能は普段通り病院に通い治療を受け続けながら。
 3階循環器内科病棟への入院予定当日を迎えた。

柱時計を見ながら

 私はコンビニのイートインスぺースの時計を眺めながらカップのアイスを舐めていた。ありふれた円形の掛け時計の秒針が無音のまま文字盤を回転し続けている。一分一回転。秒針が45回転したら、私の入院予定の診察の受付時間。
 入院をためらいながら迎えた9時30分、少し遅れたって病院側は構わないのにアイスのコーンをかみ砕いてコンビニの席を立った。
 何故だか近くの病院へは向わずに、流浪人のように小さな街の東西南北を走りながら何処に停めることもせずに、車は心の惰性のままに走り続けていた。
 帰着して間もなく珍しい兄の訪問。
「病院から電話が有った」
 その一言で意味することが理解できた。
 その時私はなぜか憤怒の思いにかられて、二言三言罵声のような怒声を兄に浴びせた。
 この前の診察された医師に対するぶしつけな態度によく似ている。

 この後の私の言動は、いっけん朗々として語気が強く口数も増えて、以前に比べて頼もしくもある感じだが、人の言葉を聞く立場になりがちな私の大人しめな性格の私を知る人には意外に思えるらしく、逆に無口になって私を怪訝そうに見据える。
 言葉だけに及ばず、道路の交通取り締まりの7・8人の警察の一団に割って入り、
「道の駅百選の官庁街通りでの取り締まりは景観を損ねる」
 として解散を求めたが、聞かれる訳がなく逆に手首を捕まえられそうになり退散。
 公務執行妨害として現行犯逮捕されるべきところ、公園のベンチへ逃げた。

命を惜しまぬ山道暴走 ”アクセル・ブレーキ‘’  両方に足掛け走行

 県庁所在地  青森市まで所用で80分の道程を通常のコースで予定通りに着いた。ところが、思った以上に用事がはかどらず、午前中掛かって帰途十和田へ。八甲田山越えの山道を抜ければ、一時間で十和田に着く。帰路の道順は大雑把ながら複雑ではないので、行きつけのラーメン屋の味を思い浮かべながら観光を兼ねて初夏の八甲田山越えコースへとハンドルを切った。
 後ろの車を気に掛ける。均等に距離を保ちながら後ろを「並走」する若い二人の乗ったセダン。私は路肩に停めてランプを点滅させれば後ろに付かれるうっとうしさも消えるから、そうして若い二人乗りの車に道を譲ればそれでよかったのだが、その時は何故かそういった平和な発想に至らず、逆にスピードを上げて後方車を振り切ろうとしたが、相手は普通車、こちらは軽自動車。スピードでは敵わない。からカーブの度にコーナリングで攻めた。それでいくらかは相手との距離が空く。しかし、直線路では追いつめられる。の繰り返しで、徐々に私の運転が過激になっていった。
 気付けば私は両足を浮かせて、アクセルとブレーキのペダルをほぼ同時に踏み込んでいる。

いつの間にか勝手にカーチェイス

「これは危ない…」
 内心思っていながらも、手足が何者かに支配されているようで山道のうねるカーブを予想外のスピードで走り抜けて行く。
 どんな車でもいいから私の視線に前を走る車が映ってくれれば、ホッと一安心だけど観光地とはいえ平日の午後の山道を走る車は多くはない。
 後ろの男性二人の乗ったセダンは、相変わらず距離を保って付いて来ている。
 改めて言うけど、別に私は後ろから煽られて頑張って走っているわけではない。私の方がしゃにむに後ろの車を振り切ろうと恐いスピードで走っているに過ぎない。
 多分後ろの車も、
「何だか前の軽自動車が頑張って走っているナ。よし俺らも追掛けようか」
 そんなノリで走っているらしい。
 ついには私の軽自動車の右車輪が高いブレーキ音と共に浮き上がった。
 このままこんな運転を続けては危ない。誰でも分かる危険意識を感じながらも、私の両足はブレーキとアクセルのペダルの上にいて、どちらも一気に踏み込めそうな態勢でいた。
 高い木立の森が開けてきて、高原に出た頃にはようやくに後ろの車が視界に無かった。
 道端のドライブインに車を止めた時、後ろを付いてきたセダンの男性二人連れが私と少し離れて車を止めた。
 こうして私一人による「勝手にカーチェイス」が幕を閉じた。

行動様式の変化

 あの時はの診察で医師からは、甲状腺機能亢進症の時の体調の変わり具合を二三指摘していただいた。その時には詳しく告げなかったが、イライラするなどの精神的不安定も起きます。診察時にハッキリと性格の変化もあることを言われて「?」その時は合点がいかなかったが、今こうして自分の行動を振り返ってみるとナルホドである。
 およそ一年ほど前に戯れにノートに記した
「微生物ーバクテリア=単細胞生物」の
亮青年の新種ウイルスによる性格異常と、
 医師が診察時に私に指摘した甲状腺機能亢進症による精神的不安定が同種の性格異常として何ら矛盾はない。
自分におよそ一年後に起きる薬の副作用による精神の変調を、私は  note  に
「微生物ーバクテリア=単細胞生物」の亮青年に置き換えて記録していたのかも知れない。

 現在も私は心筋梗塞の治療を同じように受けていて今度の29日が診察日だ。
 例の甲状腺機能亢進症の症状は一段落したらしく、以前のような突飛な言動は随分落ち着いた。今は逆に甲状腺機能が下がり気味らしいが、今年の冬は風邪やコロナには幸い感染しなかったが、ひどく寒かった実感がある。
 同じ性格異常でも、亮青年のような色きちがいにもなりたくないものだ。

 出来れば最後にこの「時間の不思議」をまとめに次回は残したいと思います。
 ご覧いただきありがとうございました。


 



 

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