真・結婚できない男

ここ近日、おめでたい結婚ニュースが非常に多い。
その要因の一つは、2023年3月21日が一粒万倍日で先勝で天赦日で寅の日でランドセルの日で快晴で日本がメキシコに9回裏でサヨナラ勝ちして、とにかくとんでもなくめでたい日だった事で、数々の結婚発表が飛び込んできた。

その後も、現在のメディア界で最も高感度の高い霊長類である女性アナウンサーさんと、苦労人でバラエティでもふざけられて演技の実力もあるイケメン俳優さんという、仮に文句や愚痴を言おうにもどうやって言ったらいいか分からないような一周回って腹の立つ理想の夫婦が誕生した。



そんな世間の幸せムードの中、僕は気が遠くなるくらいの期間恋人がいない。言ったら引かれちゃうくらいの期間だ。

しかし、決して「一人で生きていくって決めた」だとか「他人と生活するなんて考えられない」みたいな、ウルフ感溢れるウルファーな思想を持っている訳ではなく、ただ単にモテないだけだ。

なので、普通に結婚願望はある。あって何が悪い。
理想の家庭像みたいなものもボンヤリとある。


ブランド品でも無印良品でも服を買い、どことなくオシャレな雰囲気の穏やかな妻。派手さは全く無いが美人と評判。コミュニケーション力が高いのに、仕事は3年周期くらいで変えるタイプ。趣味はネットフリックスとお酒を飲むこと。

住まいはマンション。築年数はさほど浅くないが、日当たりの良さと管理が行き届いてるのが売りだ。エレベーターは2機あるので、朝も混まない、そのエレベーターには常に芳香剤が置かれている。となりの部屋にはおじいさんが一人で暮らしており、いい関係を築いている。

僕にアレルギーがあるので犬は飼わない。というかマンションがペット禁止なのでそもそも飼えない。近くの公園を訪れた時に散歩中の家族を見ると少しだけ羨ましかったりもするし、子供がそろそろ飼いたいと言い出さないかヒヤヒヤする毎日だ。

街の中に住んでいるので、車は不要。遠出をするときはカーシェア。
僕の様な生活スタイルの者にとってカーシェアは革命だ。この制度を考えた人に何らかの権威ある賞を与えるべきだ。権威の塊みたいな人から。

子供は男の子が2人。長男も次男も地元のサッカークラブに入っている。ベタベタと仲が良い訳ではないが、弟が兄に影響されて趣味はほとんど同じ。
下の子のサッカーの才能はなかなか見所があるらしく、4年生になったら少し離れたグラウンドで練習している強豪クラブに入れようと思っている。送り迎え問題には頭を抱えることになりそうだ。

食事は基本的に妻に作ってもらっている。しかし、夫婦共にストレスを感じたくないので、僕と子供だけの食卓の日もザラにある。子供達はお母さんのご飯の方が美味しいというが、カレーだけはお父さん作が好きらしい。

週末はささやかな外食。結局、回転すし屋が多くなる。親と子供双方を満足させられるのは回転寿司がベストなのだ。いい年をしてオニオンサーモンを3皿食べる事を家族に笑われたりする。本当はうどんも食べたいのが、大人の威厳を保つために我慢だ。



まあ、こんな感じです。

14年間彼女もいない男の妄想は如何だっただろうか。

素敵と取るも良し。
恐怖と取るも良し。

ちなみに僕は今日から。
バイトの日に自分でお弁当を作っています。


#創作大賞2023
#エッセイ部門

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