激闘のグループリーグ最終戦

カタールワールドカップ2022は早くもグループリーグ最終戦へ突入。
本日行われた4試合の結果、グループAからはオランダ、セネガルが、グループBからはイングランド、アメリカが決勝トーナメントに駒を進めた。
結果だけを見ると順当かもしれないが、グループ突破を賭けた最終戦の熱量はとてつもないもので、どちらに転んでもおかしくないゲームだった。特に、エクアドル×セネガル、アメリカ×イランは最後まで目が離せない激闘になり、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間のピッチ・ベンチの光景にはワールドカップでしか見られないドラマが詰まっていた。

と言う事で、今日の夜中から3日間に渡って行われる残りの最終戦の中から是非とも注目してもらいたい3試合をピックアップした。

グループEは日本がスペインに勝って決勝トーナメント進出するに決まっているので、何も書かない!断じて書かない!

・groupC

ポーランド×アルゼンチン
11月30日 28:00 K.O

グループリーグ最終戦の目玉は、明日の明朝に行われるこの試合だろう。
注目はなんといっても、言わずと知れた世界最高峰のアタッカーである、メッシ(パリSG)とレヴァンドフスキ(バルセロナ)の激突。
アルゼンチンは勝利、ポーランドは引き分け以上で自力突破が可能だが、結果次第ではどちらもグループリーグ敗退の可能性が大いに残されている最終戦。緊張感のあるゲームになる事は間違いないだろう。
共に、エースを主軸にした手堅い好チームでスコアがなかなか動かない展開も予想されるが、その状況すらもこの2人がいれば楽しめる。
第2節では、苦しい状況から実に”彼らしい”ゴラッソを叩き込んだメッシ。2度目の出場にしてワールドカップ初ゴールを決め、涙したレヴァンドフスキ。両軍エースが最高のメンタリティでこの試合に臨むであろう非常にポジティブな流れも、より期待感を膨らませてくれる。
両者とも年齢的に最後のワールドカップになる可能性は高い。2010年代以降のフットボール界を象徴する存在の2人が、グループリーグ突破を賭けた死闘に向かう。

・groupF

クロアチア×ベルギー
12月1日 24:00 K.O

このグループは北アフリカの伏兵・モロッコの躍進で予想の付かない展開になった。モロッコがカナダに勝利、もしくは引き分けでゲームを終えると、前回大会の準優勝チームか3位チームのどちらかの敗退の可能性が高くなってくる、意外な状況を迎えた。
どちらも主力の高齢化が進み世代交代失敗が叫ばれていたが、今大会の印象は対照的。クロアチアは4年前の主力でもあった、37歳・モドリッチ(Rマドリード)、30歳・ブロゾヴィッチ(インテル)にコヴァチッチ(チェルシー)を加えた3センターが円滑に機能し、前回大会でも得点を挙げた31歳・クラマリッチ(ホッフェンハイム)がカナダ戦2得点と好調。
一方のベルギーは攻守ともに縦へのスピード感が欠け、4年前のスーパースター達のパフォーマンスに陰りが見える。頼みの綱はクルトワ(R・マドリード)とデ・ブライネ(マンチェスター・C)の爆発だ。世界最高のゴールキーパーとプレイメーカーが逆境を跳ね除け、”黄金世代の優勝”へ望みを繋ぐか。クロアチアが成熟されたフットボールでゲームをコントロールしてしまうのか。4年前から続くストーリーの転換点になる1戦だ。

・groupG スイス×セルビア

12月2日 28:00 K.O

ブラジルが盤石の強さで2連勝しグループ突破を決めたグループG。失礼な仮定になってしまうが、カメルーンがブラジルから勝ち点3を奪えないとすると、この1戦の結果でグループ突破の残り1枠が決定する。共に決勝トーナメントへ進出するに値する好チームで、「堅守のスイス」対「アグレッシブなセルビア」という、スタイルウォーズが期待されるゲーム。
スイスは、GKゾマー(ボルシアMG)、DFアカンジ(マンチェスター・C)、MFジャカ(アーセナル)らの決して中央を割らせない強固な守備から、トップのエンボロ(モナコ)を起点としてリスクの少ない攻撃を仕掛ける。ブラジル相手にも後半38分まで失点を許さず、今大会もスイスのお家芸は健在だった。
対するセルビアはサイドと前線に、ミリンコヴィッチサヴィッチ(ラツィオ)、コスティッチ(ユヴェントス)、ミトロヴィッチ(フルハム)ら、質で打開できるタレントが揃っており、しっかりボールを保持しながらダイナミックに攻め込む。第2節ではスピーディーで攻撃的なプレーで、実に16本ものシュートを放ち3‐3の打ち合いを演じた。
現時点で勝ち点の上回るスイスがやや有利だが、攻撃力が遺憾なく発揮できればセルビアにもチャンスはある。「グループリーグ影の名試合」になりそうな臭いがプンプンしている1戦だ。

決勝トーナメント進出するか否か。これはワールドカップにおける天国と地獄。それまでどれだけ良い試合をしても、劇的な勝利を飾っても、グループリーグ敗退で、全て水泡に帰す。
グループAのエクアドルがそうであったし、ジャイアントキリングを起こしたサウジアラビアも日本もそうだ。まあ、日本は絶対突破するけど。絶対に。

12月1日28:00から行われる日本×スペインはもちろんの事、ここからの3日間はそういった緊迫の試合が続いていく。
運命を分ける一戦を、是非目に焼き付けてもらいたい。

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