カタールワールドカップのダークホース候補たち

カタールワールドカップは本日で7日目。グループリーグ第1節が全日程終わり、はやくも第2節に突入した。
フランスやブラジル、イングランド、スペインなどが力を見せつけ、優勝への期待を膨らませる中、アルゼンチン、ドイツが初戦で敗れるという実にワールドカップらしい大波乱も起きている。(もっともドイツを破ったのは我らが日本代表なのだから大波乱ではなく当然の結果!)

強豪国があっさりと姿を消し、大会前はさほど期待されていなかったチームが勢いのままに駆け上っていく。その様は実に痛快であり、ワールドカップの魅力の1つ。

ということで今回は、私が初戦、そして第2戦数試合をフルタイムで観た中で、今大会躍進しそうだと思った”ダークホース候補”紹介したいと思う。

日本代表は優勝候補なので!割愛!


・エクアドル代表


開幕戦で開催国カタールを見事破った、南米の伏兵。南米予選ではコロンビア、チリ、ペルー等を下してここまで来たのだから、当然の実力かもしれないが、堂々たる戦いを見せている。
クラシカルな4-4-2でしっかりとブロックを敷き、サイドの攻防では相手に優位性を作らせない。その上で中央のエリアに甘いボールが入ると連動して高い強度でプレスをかけ、縦に早い攻撃で一気にチャンスまで持っていく。実に堅実で、効果的なフットボール。そこに南米特有のフィジカルや勝負強さが加わっているのだから弱いはずがない。
そして何より、ベテランのレジェンド選手・バレンシア(フェネルバフチェ)がここまで2試合でチーム全得点となる3得点をマークしノリにノっている。ストライカーの好調はワールドカップで勝ち上がる条件の一つ。自国初のベスト8に向け視界良好。

・モロッコ代表

今大会のアフリカ最強チームはモロッコではないだろうか。
アフリカ屈指のスター軍団で、強豪国とも選手の質で殴り合うことのできる魅力的なチーム。前大会準優勝国クロアチアとの初戦は、クロアチアの超豪華な3センターに中央は掌握されるも、高くコンパクトな陣形で積極的に応戦。
ボールを奪ってからはダイナミックに広く深く左右へ展開し、右SBハキミ(パリSG)、左SBマズラウィ(バイエルン)のスピードと推進力で一気に前進しチャンスを作ってしまう、大味だが破壊力のある攻撃を仕掛ける。ツィエク(チェルシー)やエンネシリ(セビージャ)らがアタッキングサード中央で迫力を出せれば、今大会の台風の目になる可能性は大いにあるだろう。
キーパーが安定しているのも好材料。

・韓国代表

ウルグアイを相手に妥協することなく、パウロ・ベント監督が4年間志向してきたボールを握るスタイルのフットボールを高水準で披露した。センターバックと3枚の中盤センターでボールを動かしながら、隙を見るや縦に差し込み、機動力に優れたサイドバックに展開。人もボールも動くモダンなスタイルを落とし込めていた。
お家芸ともいえる全員でのハードワークと球際の強さ、キム・ミンジェ(ナポリ)、キム・ヨングォン(蔚山)の両センターバックの堅守でクリーンシートを達成したのは見事だったが、欲を言えばプレミアリーグ得点王のゴールを見たかった。ソン・フンミン(トッテナム)に如何に良い位置でボール預けられるかが勝利へのカギである事は間違いない。トッテナムで見せているような、刹那のゴール奪取をチーム全体で再現出来れば、日本と共に旋風を巻き起こすことは十分に可能だ。


今回上げさせてもらったのはこの3チームだが、カナダやセルビア、アメリカ辺りも完成度が高く、強豪国を出し抜く力を持っている。
やはり単純に世界のフットボールのレベルの底上げが起こっており、この32チームに名を連ねている時点で、哲学を持たずノープランでボールを蹴るようなチームは存在しない。そして個の部分でも、各国が育成年代から論理的に選手の能力を伸ばす努力をしているので、技術レベル・フィジカルレベルも一世代前よりは拮抗している印象だ。

トップオブトップの強豪国の夢の競演を見たいのはもちろんだが、ダークホースの躍進は大会が盛り上がる条件とも言えるだろう。今大会は開催時期を含めイレギュラーな形で行われている。過去に前例の無い結果が待っているかもしれない。

我らが日本代表を含め、今大会の顔になるような伏兵はどのチームになるのか。そこにも注目してワールドカップを楽しんでほしい。

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