見出し画像

知識が私の邪魔をする

今日は8月に出演する舞台『YES I AM…』のお稽古でした。
別の本番を終えた方々や東京からの役者さんも続々と合流!どんどん増えていく先輩方にペーペーの私の緊張感も増し増し。

出演者は年齢もキャリアも芝居経験も様々で、その中でも私は全項目においてかなりの下っ端です。そりゃ稽古場の隅で小さく縮こまっていたくもなります。そんなのは何も今回の舞台に限ったことではありません。私には何一つ誇れる事なんて無いんです。だけど、そんな私でも、そんな私だからこその強みが一つだけ。

「何も知らない」「わからない」という強さです。

これは大学で芝居やコンテンポラリーダンスを始めてから持てるようになった考え方でした。芝居経験はおろか観劇経験すら無かった私が過剰な劣等感を抱くこと無く(いや、抱いてたわ。過剰に。というか現在進行形でさらに強まってはいるけど)舞台に立っていられたのは、この考え方をできるようになったからだと思います。

去年の夏、「知らない」っていいな〜と改めて実感した出来事がありました。あるコンテンポラリーダンス作品をみたときの事を当時の私のInstagramから引用します。

小さな男の子がこの作品を見て笑ってた
それに釣られて大人も笑った

あの子は難しいことなんて分かっていないし、そもそも分かろうともしていない、たぶん。
それなのに私より作品を楽しんでいる。

それで私は観ることを放棄して、見ることにした。
はーもうそれはそれは面白かった。

作品を批評することの大切さは大学で学んだけど、今の私はレポート提出を求められるわけでもなければ、発言で成績の良し悪しが決まるわけでもない。

中途半端にかじった知識って一番じゃま!!!頭でっかちサヨウナラ〜👋昨日で小顔になった💆
Don't think. Just feel!

でもそうやってシンプルに動きや音を楽しんでみると、一晩経ってから色んな考えが湧いてきた。これまでの知識と経験が昨日の作品とヒュンッて繋がって納得。

あ〜結局頭でっかち。でも考えるって人生の楽しみやな

何言いたいか忘れた。とりあえずめっちゃ踊りたい!すごく貴重なお時間をありがとうございました!

知らない人にしか気付けない事って沢山あると思うんです。知識があったら決めつけてしまうような事にも、知らないからこそ思いもよらぬ角度からアプローチできたり。

「知らない」は「無い」わけじゃない。むしろ固定概念がないから柔軟で自由なんです。「知らない」は無限に「ある(ありうる)」ということだと私は思っています。

一番タチが悪いのは中途半端に持っている知識です。いっちばん邪魔!!!究めに究めた知識は当然有効に活用するべきだと思うけど、そのレベルに達しない知識なんて無い方が良い(ときには)。
何にでも浅く広く足を突っ込んできた私の人生が無駄だったとは決して思いません。全てが今の私をつくっている大切な要素であることは間違いないのですから。しかし、私の知識や経験が中途半端だという事に私自身が警鐘を鳴らさなければとは思うのです。

あの日よく分からんコンテンポラリーダンスをみて笑っていた子どもみたく無垢でもなければ、何一つ究めてもいない。つまり、今の私は一番視野が狭い状態だという自覚はすべきです。
でもって、私は「知らない」「わからない」に加えて「出来ない」が圧倒的な割合を占めているのだから、それを悲観するのでは無く強みにかえていきたい。

結局何が言いたいかというと、今回の舞台で「新人だから仕方無い」とか「新人なのに頑張った」なんて言わないし言わせたくはない。まだ出来ないなら出来ないなりに、まだ知らないなら知らないなりに、私にしか出来ない役割があるはずなんです。それを探しつつ、出来ることや知っていることを増やしていきます。この夏は先輩方から沢山盗ませていただこ!

∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥
新まおり Maori Atarashi

Instagram
https://www.instagram.com/maori.atarashi/

Facebook
https://www.facebook.com/maori.atarashi

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?