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調査リリースって掲載されやすいけど、それって本当に企業の認知度上がるの?

こんにちは。フリーランスPR &ライターの工藤です。

最近ありがたいことに企業様からPRのことについてちょくちょくご相談がくるので、私が考えてることをnoteで書いていこうと思います。

以前、これからの時代、広報・PR担当者はデジタルマーケティングを学ばなければならないのかもしれない。という記事も書きましたが、多数の方からご感想をいただけて1日中舞い上がってしまいました。PRに対する考え方は多種多様なので色んな意見はあると思いますが、もしよろしければご感想などいただけたらとてつもなく嬉しいです。

今回の記事は「広報担当者が不在の会社」向けに書いています。
・調査リリース出してみたいけど、予算を投じていいか不安
・広報初めてで、どうしたら露出が獲得できるのかわからない
という方はぜひご覧ください。

現在、調査リリースは広報・PR活動として有効的な戦術であり、かなり多くの企業が活用されています。

調査リリース専門のPR会社もあったり、調査リリースを定期的に流す方針で動いている企業も多いです。
私自身も、企業さんに「調査リリースやりましょうよ!」と提案することもあります。

でもその反面「それって本当に調査リリースでいいの?」って思うこともあるので、今回はそのモヤモヤについて書いていこうと思います。

調査リリースはなぜ掲載が取りやすい?

掲載されやすい理由の一つとして「公共性のあるものだから」というものがあると思います。

メディアに取り上げていただく上で重要な要素は「時流」「季節性」「意外性」「社会性」「公共性」など。

たまに、自社製品発売のプレスリリースを出せば多くのメディアに取り上げてもらえると思っている方もいらっしゃいますが、実際にやってみると、うまく掲載がとれないという企業様も多いのではないでしょうか。

自社が流したい情報をそのまま掲載してもらうことは難易度が高いです。
なぜなら、メディアが主体でネタを選ぶから。企業が流したい情報をそのまま取り上げることは「広告」になってしまいます。

広報と広告の違いを見てみると、

わかりやすくスタンスの違いを説明すると、

広報は「情報提供させていただきますので、よろしければ記事にお使いください」
というスタンス。
広告は「私が広告費を支払うので、このサービスを記事で掲載して宣伝してください」
というスタンス。

基本的には自分たちが掲載して欲しいネタをそのまま企業さんにアプローチするのはNGです。

一番やっちゃダメなことは、記者さんやライターさんにダイレクトに「今後うちの会社はPRに力を入れていきたいので、うちの企業を取り上げてください」ということ。

まじで自分勝手ですね。
恋愛に変換すると何も知らない異性に突然「俺、お前と付き合いたいから付き合ってよ」ということと同じですよ。思わず「は?無理!」って即答しますよね。

もしそう伝えるのであれば「○○さんの記事をいつも拝見しておりまして、いつも○○というテーマで取材されていると思い、今回ご連絡させていただきました。実はうちのサービスで今回新しく○○というようなことを実施するのですが、もしご興味ございましたら一度情報提供させてください」と言ってみましょう。

広報の基本的なスタンスとしては、自分が出したい情報を掲載してもらうのではなく「このメディアが欲しい情報は何か?」を頭を捻って考え、提案することが大切です。

その際に「時流」「季節性」「意外性」「社会性」「公共性」などの考え方は必須です。

調査データは「公共性」を出せる有効な手段だと思います。

わかりやすく伝えるために、以下参考例を出しておきましょう。

記事例①:「○○会社が新サービスを発表しました」
記事例②:「会社員○○人に対し趣味に関する調査を実施!会社員が今ハマってる趣味1位は○○」

記事例①はその会社やサービスに興味がある人しかクリックしません。
記事例②は会社員全員が興味がある可能性があります。

こんな感じで、できるだけ広ーい層に興味を持ってもらうための情報を提供することがメディアリレーションにおいてとても大切。その点、調査リリースは公共性が出しやすいので、掲載されやすいのだと思います。

調査リリースのメリット

調査リリースはサービスがどれだけ必要とされているものかを社会に発信できる!


調査データの利点の一つが、そのサービスを必要としている潜在顧客がどれくらいいるのかをメディアを通して幅広く発信できるということ。

ちょっと簡潔に説明してみると、ノンカフェインのコーヒーを売り出す際に調査リリースを出すとするのならば、

「カフェインが苦手と感じている人が多いけどコーヒーを飲みたい層が多い」
ということを調査結果として出すことによって、自社の製品が社会でどれだけ必要とされているかというのを社会に伝えることができるのです。

ブランディング観点においても調査リリースは有効!


調査リリースはブランディング観点においても有効だとされています。
なぜなら、そのような調査を定期的に出すことによって

「この業界のことで困ったら、ここの会社に聞けば良いのか!」

というような認知を植え付けられる可能性があります。

類似サービスでの取材先に困ったら、そこの会社に一報入ることもあります。記者さんとお会いする際に「このことで困ったら私にすぐに連絡くれたら情報出せます!」と伝えておけば定期的に連絡がくる間柄にもなれるかもしれません。

その件は私も専業で広報をやっていた際に、データはもちろん、同じ業界のメーカーのこともある程度把握して情報提供をしていました。「この業界のことで何か困ったら、私に一番に連絡ください!」なんていろんな記者さんに伝えられたら印象良いと思います。
できれば、似たような業界の広報さんと繋がって定期的に情報交換しても良いと思います。

で、本当に調査リリースっていいの!?

調査リリースをめちゃめちゃ持ち上げてしまったので、ここまで読めば調査リリースに対してやってみたいという気持ちになる方も多いと思います。

だがしかし、

ここら辺でちょっとディスりモードに入らせてください。

購買・リードに繋がりにくい

調査リリースで掲載される場合「株式会社○○が実施した調査」「出典ーー」などの文章が掲載されることになります。だいたい以下参考例の四角く囲った部分くらいです。

購買やインプレッションにつながるかと言われたら、直接つながりにくい可能性が高いです。
なのでもし調査リリース自体がインプレッションだったり、購買を目的にしているのであれば、戦術としてはうまくはまらない可能性があります。

調査をするに当たっても費用がゼロではありません。
ちゃんとしたnを獲得するためにも数十万以上はかかります。予算を投じてできるかは一度考えておいた方が良いかもしれません。

調査リリースをうつ前に考えたほうが良いこと

「調査リリースは掲載取れるのでやりましょう!」
と安直に行動にうつすと、理想と現実にギャップが出るので、
実行する前に「調査リリースを出す目的」みたいなものを考えておいた方が良いと思います。

ブランディング目的なのか、啓蒙活動が目的なのかなどなど。

購買やリード獲得が目的なのであれば、まずはカスタマージャーニーマップを作って、どんな調査結果があれば購買・リードに繋がるのか?みたいなことを考えてみても良いのではないでしょうか。(あんまり広報のみでリード獲得をする!と難しいので、リード獲得目的であれば広告と一緒に動いたほうが良さそうですが)

いろんな調査リリースの掲載を見てみると、綺麗に商品PRに繋げててすごいー!というところもあったりします。広報さんを雇っている会社さんとかだと、そういうところをしっかり考えられて作ってるなということがよく分かります。

調査結果を出典だけで終わらせない工夫みたいなところも広報の腕なのかもしれないですね。(調査後に広報さんにお願いするのではなく、調査をする前に広報やPRパーソンに相談することが大切です!!!!)

調査結果はリリース以外でも活用できるよ!

調査リリースを流したら終了!
という会社さんも多いけど、ある程度掲載獲得が終わって落ち着いたらその情報を自社メディアであらためて発信することができます。
イラストレーターやCANVAなどで綺麗に画像を作って、公式SNSや社長のSNSで流してみても良いと思います。

近年SNSが発達しまくって、メディアを通して人に知られるという構造から、直接情報を提供できるようになってきました。自社としての発信力をつけておくためにもできることをやってみても良いと思います。

以上が、私が調査リリースに対して思っていることです。
広報・PRに関しては考え方は多様なのであくまで一例としてご認識いただけたら嬉しいです!

フリーランスPRとして複数社のPR代行や、ライターとしても外部メディアで月7−10本ほどの記事を公開してる私ですが、個人的には調査リリースめちゃくちゃ大好きなので今後も目的を考えた上で取り組んでいきたいです。

しばらくこちらのnoteは、私が書きたいと思ったことを発信する場として使います。セクシュアルなこと書いたり、ビジネスのことを書いたりと、統一感が全くなくてすみません。「SNSをやるときは8割くらいは統一感を揃えた方が良いですよ!」と私はいろんな企業さんに話しているものの、私自体は実行できませんでした。書きたいことを書く。それが一番ストレス溜めずに気ままでに発信できると思ったからです。縛ると統一感は生まれるんですけど、息苦しくなるんですよ。戦略的には良くない選択ですが、仕方がない。

とはいうものの、広報・PRについても少しずつ発信していく予定ですので、もしよかったらnote含め各SNSをフォローしていただけると窓から顔を出して叫ぶくらい喜びます。

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