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record of tokyo 2

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born1988 / Tokyo, Japan / female / camera 東京の記録 2
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#モノクローム

リトライ

はじめてモノクロプリントをした時、先生に、あんたうまいね!と言われたことが嬉しくて、今でも心に大切にしまっている。お世辞だとわかっていても、それがなければこんなに写真を続けていないかもしれない。 それから調子に乗って街のあらゆるところをモノクロで撮っていたが、だんだんとカラープリントの方へ移行してしまった。またモノクロプリントやろうかなあと、最初の頃のプリントを見ながら、ちょっと思った。 ずいぶん歩き慣れた東京だけど、はじめたばかりの気持ちになって、モノクロプリントにリト

これでいいのだ

バイクはこっちに動かして、 道路はコンクリートじゃなくて石畳にして、車ももっとヴィンテージでかっこいいやつを配置して、 ってまあいろいろ思うけれど、これはこれでいい、っていうか、実はこの状態が最も良いのである。 これが良い写真だという概念なんか捨てろ、という声が、たまにどこからともなく聞こえてきて、私は期待も不安も理想も持たずに、ただただ記録をする。 これでいいのだ。

人の入れない歩行者天国

銀座の歩行者天国は、道の真ん中に幾つか椅子と机が並んでいる。歩行者天国にも関わらず、人を入れずに撮った。ホコテンで撮影をしながら人を入れないとは、我ながら不器用な人間のくせに器用なことをすると感心した。 このころは、モノクロプリントを楽しんでいたので、やたらと光と影を追っていた。カラープリントの場合、興味を持った色を集めようとするが、モノクロだと色はどうでもよくて、とにかく陰影を探していた。それで、人が入ると情報が多すぎて嫌だなあと思って入れなかった。私が風景ばかり撮るのは

ギャラリーバウハウス

御茶ノ水にあるギャラリーバウハウスをご存知だろうか。私は何年か前に行ってから、展示のDMが来ると行くようになった。 ここで小瀧達郎さんの赤いパラソルの小さいプリントを買った。恥ずかしながら、プリントを買ったのはその一枚だけで、まだ私はそれ以外のプリントを買ったことがない。以前、バイテンで撮った写真のグループ展の時の、小瀧さんの氷瀑のモノクロプリントには驚いた。大きくて鮮明で綺麗なので、圧倒された。あの衝撃は忘れられない。息を呑む、といった感覚になる。氷瀑と言えば、カラープリ

写真を続けている理由

フィルムで写真を撮ったらば、まず神田堀内カラーに現像のみで出す。仕上がりは大体中一営業日を要するので、次の次の日にネガを取りに行く。ネガを受け取ったらネガスキャン。170720_001、170720_002、…という風にデータをPCの中に取り込んでいく。去年の今頃くらいから、それまでよりもフィルム写真を撮るようになった。 これは16806_009、去年の8月6日の西小山小さかった女の店内。このころ、毎週zineを作っていて、小さかった女に置いてもらっていた。 ペラ1枚でも

今日は歩いて秋葉原まで

会社から秋葉原まで、後輩と一緒に歩いて帰るというのが一時期流行った。神保町から、御茶ノ水を通ってしばらくすると、やがて秋葉原。御茶ノ水のあの神田川が良い。 それで、何を話していたかというと、大体は会社と写真の話。自分の好きなことを周りの人も同じに好きで、しかもそれがみんな違う方法なので面白いと思う。 仕事終わりにそういう話を人と出来るということは、とても恵まれていると思った。帰って自分の好きなことをするのではない、好きなことは公私関係なく地続きとなっている。関わっている時

浅草橋、粋な高架下

浅草橋の高架下は魅力的な建物や壁が多い。これまでも何回か歩いて撮ったが、今回が一番よく撮れた。 カラーでも撮ったと思ったが、多分モノクロで撮った方がカッコいい。これはT3にトライX400。 上は総武線が通っていて、次の駅は秋葉原。浅草橋というか、馬喰町あたりというか。若者の多い街だと、私はすごく疲れてしまうので、こういうちょっとくたびれた、渋い雰囲気が私には丁度良い。知らず知らずにシャッターを切りまくっている。浅草橋は問屋街で、皮とか生地とか、あとは石がよく売られていて、

抜き打ち持ち物検査

左から右へ 一段目 財布、アニエスベーの赤い財布。アニエスベーは母が好きでそれを真似してる。赤は色気を出そうと思って。財布から色気は出ているが、私からは一向に出ない。     モロッコのポーチに入った、コンタクックスT3。フィルムを巻き上げるスプールが摩耗したので、両面テープも常時持っている。両面テープでフィルムを巻き上げる。それ以外は至って良好。フィルム装填中の姿がダサすぎて誰にも見られたくない。     トートバッグ、リービングレコーズ。leaving reco

街の灯

撮影したい照明が3つほどある。 ひとつ目は、ホテルの玄関にあるシャンデリアである。ホテルの入り口は丘の上にあって、その丘を登っている最中に、もう一息だと顔を上げるタイミングで、そのシャンデリアが見える。 室内にはスーツ姿の男が何人か居て、そして大きな花瓶に入れられた花もある。オレンジの光の中にあるそれらは映画のように見え、写真にしたら面白い気がする。 ふたつ目は、リサイクルショップにある売れ残りの照明である。棚や机などの商品が積み重なっている隙間に、大きなシェードの照明

メルセデス・ベンツ

ジャニス・ジョプリンのメルセデス・ベンツという曲、たまに歌ってしまう。 「私にメルセデスベンツを買ってよ」と言っている。だからメルセデス・ベンツ神田店を通った際は、歌った方が良い。きっと誰かが聞いてくれている。