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ホワイトマーブルとブラックマーブル

タオルケットに丸まって、iPhoneも一緒にくるんでそれを耳に当てて、ブラックマーブルを音の振動で聞いてみる。新曲なのに懐かしいその音楽がドライアイの私の瞳を濡らしていく。胸が張り詰めて息が出来なくなったり心が静かになったりを繰り返す。シンセサイザーの柔らかくて尖った昔のコンピュータみたいなチカチカする響きが私の安定して不安定な精神をもっと鋭くさせる。みんなが働いてる時間に昨日を思い出してる。寝っ転がって10年前の昨日を思い出してる。夢は記憶の整理整頓と言うけれど、この整理整頓が終わることはないだろう。続いてくことは希望と絶望を意味して私をフラットにならす。それは交互に重なり合ってるのか、順番に私のところにやってくるのか分からない。空と海が同じ色をしていて、どちらがどちらでも良いような気がしてくるのと同じ。うまく混ざり合ってマーブル模様になるみたい。

アブサンに加水すると、白い大理石みたいな模様になった。ホワイトマーブル。人生の様々な偶然はただ綺麗な模様を描くだけのためだとしたら、なんて素敵なことだろう。


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