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街の灯

撮影したい照明が3つほどある。

ひとつ目は、ホテルの玄関にあるシャンデリアである。ホテルの入り口は丘の上にあって、その丘を登っている最中に、もう一息だと顔を上げるタイミングで、そのシャンデリアが見える。

室内にはスーツ姿の男が何人か居て、そして大きな花瓶に入れられた花もある。オレンジの光の中にあるそれらは映画のように見え、写真にしたら面白い気がする。

ふたつ目は、リサイクルショップにある売れ残りの照明である。棚や机などの商品が積み重なっている隙間に、大きなシェードの照明があるので、まるでそこは家具たちの寝室のようだ。ガラス越しに見ると、そのようなショーウィンドウとして存在しているかのような独自の世界を作り出している。

みっつ目はレストランにある丸い照明である。このレストランは2階にあり、私はその照明をつい見上げてしまう。その照明の下のテーブルには、女と男が向かい合って座っていて、食事が出てくるのを待っている。その席は、いつ見ても女と男がいる気がする。だから通りかかると、つい見上げてしまう癖がついた。

街の灯の下では、様々なストーリーがあるってね。

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