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きみと江戸東京博物館

両国に美味しい鰻屋さんがあるから、今度一緒に食べに行こう。はじめて会った日にそう誘われて、本当に鰻を食べに両国へ訪れたのは、きみとお付き合いを始めてからだった。

まだお互いに何も知らない。何も知らないけど、少しづつ好きになっていっている。それはお互いにそうだと思う。確認してないけど、独断と偏見でそうしておく。

さて、鰻屋さんはまだ開店していなかったので、江戸東京博物館に暇つぶしに行ってみた。

巨大建造物恐怖症の人はちょっと怖いかもしれない、と思うほど大きい建物だ。遠くから見るよりも、近くで見た方が良い。

大きな広場に休憩所があって、ガラス張りの建物の中に、テーブルや椅子が並べられていた。そこは大学の食堂のような雰囲気もあり、私たちは興味をそそられたが、とりあえず何かやっているから見ようよなった。

しかし結局、展示されているものは何も見ず、お茶をしばきながら、私たちの今後のことを話したり、御土産でド渋い巾着を買ってもらったりして、あっという間に鰻屋さんの開店時間となった。

建物から一歩出ると、夕焼けの色が両国を包んでいてとても綺麗だった。ちょっと写真撮っていい?と一言、シューティングタイムののち、私たちは鰻屋さんへと向かう。江戸博の写真はほとんどない。

あ、休憩所行き忘れたね、今度また行こ。

うん、今度行こう。

私たちはまだお互いのことを何も知らない、でも、私ずっと東京にいるのにまだ東京のこと何も知らない。記録だけが全ての手がかり、未来を作ることが私たちのすべきこと。

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