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花の見頃

花の名前はあまり覚えられず、何の花が好きなのかと聞かれてもスッとは出てこない。けれどカメラを携えている時に、綺麗に咲いている花や、哀愁漂う花があると、いつの間にかシャッターを切ってしまう。

花は満開が見頃かと思われるかもしれないが、私は決してその時期だけが見頃だとは思わない。咲きかけや、しおれた花、枯れている花も良いと思う時がある。一度、向島百花園で咲きかけの花を撮っていたら、隣のおじさんに、こっちの方が咲いてるよ!と教えていただいたことがあった。けれど、私はこれが撮りたいのであって、そっちの花は今はどうでも良いのである。あ、そう、とだけ言って、おじさんの有益な情報はまったく無視して、自分の撮りたいものを撮っていた。

満開かどうかというよりは、健気に生きているものを美しいと私は思うのである。それと周囲の環境が一つになって見た時に、シャッターを切っているのかもしれない。だから私が撮影した花は、どれも絶好のタイミングで見頃なのである。

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