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ユー アンド ミー

私は好きなものに対してとてつもない探究心があるのだが、これは間違いなく親譲りである。父はラジオで聞いた曲を、ラジオ局に電話をして聞いたという話がある。母はジュリーの追っかけをしていたので、出待ちをしていたようだ。私も大体同じような道を進んでいる。蛙の子は蛙。

新宿ディスクユニオン本店6階で、ディレイズのユーシーカラーズの中古レコードを偶然見つけて、私はすぐに手に入れた。これはジャケットもさることながら、良いアルバムで、思い出深いものである。

あれはいつだったか、場所も渋谷ハブだったか渋谷セコバーだったかは忘れたが、ブリティッシュパビリオンBritish Pavilionのパーティーで、Delaysのyou and meを流していた。あ、これは!と私はこっそり思ったのである。

このyou and meという曲は、高校時代に聞いていたエルレガーデンのフロントマン細美武士さんが、ラジオで紹介した曲なのである。あの当時、ELLEGARDENが好きと周りに言ったならば、音楽通の人たちから鼻で笑われるので、そんな小さなことを気にして私は黙っていた。パンク精神を貫くのは色々とややこしくて、忙しくて大変なのである。やれやれ。

ラジオは寝ながら聞いていたし、歌詞の内容を細美さんが説明していたのだが、覚えてない。ユーアンドミーというタイトルと曲の雰囲気だけで、一緒に逃げようってことなのかな、と私は一瞬で勝手に解釈したのである。本当の歌詞の内容は未だに読まないでいる。高校生の時の、学校という閉鎖的な空間にいる自分が、音楽によって逃げ出せる、そういうイメージに重ね合わせやすい曲だと私は勝手に思いこんだわけである。ラジオで聞いたあと、すぐにアルバムを買った。それを1人で聞いていると、少しはマシな気持ちになったのかもしれない。別に学校で浮いていたわけではないが、誰でも一度はそんなことを考えると思う。

CDは持っているが、レコードはなかったので買ってしまった。誰かにとってはもう要らないものでも、わたしにとっては必要なものである。逆の場合もある。自分に必要なら目の前に現れるんじゃないか、と思ってしまうのだ。

懐かしいことをいつまでもベラベラと書いてしまうが、のちのちこういう記録が貴重になったりすることもある。今日はレコードストアデイということで書いているが、今日はレコード買っていない。レコードオブトーキョーは書く。

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