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都会の散文詩

土手へ行くという習慣がある。帰りが少し早く夕焼けが見えそうな時、家までゆっくり帰りたい時、とにかく暇で仕方がない時に土手を散歩する。

マンションとマンションの間を抜けて、土手への階段を上る。ここは狭い街であるが、ここからの眺めを見ると、この先にはどんな広大な景色が広がっているのであろうか、と想像させる。

なんてことない、またマンションである。ここの川は大きくて良い。マラソンをする人々が次々に通り過ぎる。

土手を歩くとやがて公園に着く。この公園はまるで私が想像して描いた絵のような道である。子供がワイワイと日が暮れるまで遊んでいる。

東京以外の人たちが、東京をどういうイメージで見ているのかは知らないが、私にとっての東京はこういう雰囲気である。それ以外のものは、ほとんど東京という名を持った、私の知っているものとは全く違う世界である。

フラフラ歩いて風に当たって、子供の声を聞いて、カレーの匂いがする。まとまりのあるようで全くない、思いつきで書かれた散文詩のような景色である。

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