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机の引き出し

私の文章は結構変なので、先生から褒められたことはない。こんな感じで課題も終わらせていたのだ。酷いものである。うざったい、という言葉を書いた時、とても注意された。だってそれ以外にぴったりの言葉が分からないんだもん。私の語彙不足が原因かもしれないけど、大勢の人の前でそれを言われて、傷付いた。私って変なんだなぁって思った。

そんな斜め上を迷うことなく、一人真っ直ぐ行く私だが、同世代からの指示は圧倒的だった。いつだか隣の席の人とお互いの作文を読むことがあって、別に普段は大して仲良くないのに褒めてくれた。それは本当に面白いと思ってくれているんだなと私には伝わった。展示をするとき毎回こんな風に文章を書くので、友達は、すごい、偉いと褒めてくれて、褒められると嬉しいのでまた書いてしまう。

文章を書くことに異常な執着があるのかもしれない。子供の頃からなんだかいろいろずっと書いている。机の中にノートを開いて入れておいて、何か思いついたら引き出しを開けて書いていた。でもやっぱりこんなの書いてるのは頭オカシイのかなぁと、感じていたので、学習机にこっそりしまっていた。誰にも見られずに終わっていく文章たちは、今思えば可哀想だったかな。別に人に見られようと思って書いていたわけではないが。

これは私の机の引き出しの中身であるとも言えよう。本来なら、誰の目にも触れられずに終わる運命が、こうして皆さんに見られている。良いことなのか悪いことなのかは分からないが、私はいつの間にか、あの頃とは違う世界に来てしまっていると思う。

窓の外の景色は変わっても、部屋で書き続ける私はあの頃と何ら変わっていないということだろう。机に突っ伏して、夜になっていく外を見ていた。そうすると窓からは空の色しか見えないので、無駄な情報がなくて、それがとても好きだった。それに満足するといつの間にか寝ていた。


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