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亀戸天神藤まつり

ミノルタオートコードという二眼レフを、2013年のモロッコ旅行の前に買ったわけであるが、テスト撮影をしに亀戸へ行ってみた。

これがミノルタオートコードである。私は中盤カメラはこれとフジのGF670を使っているが、こっちの方が相性がいいような気がする。GF670は一昨年くらいに買った。オートコードは柔らかく、フジはシャープネスな印象だ。

亀戸天神はその名の通り、池に亀がたくさんいる。雰囲気の良い橋なども架かっていて見所はたくさんある。本来撮るはずなのであるが、私は藤を撮りに来たので、ただの1カットもない。まったく遊びのない女である。目的が明確であるが故の事故である。今になって少し後悔している。

あまり亀戸天神で何をしたかというのは覚えていないが、とにかく暑かったことと、フィルム交換に手こずってガチャガチャしていたことは覚えている。あとは知らないおじさんに話しかけられた気がする。このカメラを持っていると大抵、姉ちゃん珍しいカメラ持ってんねー、ええ?、と声をかけてくるのである。面倒臭いので、そうなんですーって言ってさっさと立ち去る。まあでも会話のきっかけになりやすいカメラで、知らない人を撮影しやすい。実際、モロッコでもポートレートを撮った。テスト撮影と予行練習どちらも同時に行えたのであった。

二眼レフというのは煽りやすいので、私は無駄に空などを撮影してしまう。それでフジは藤棚にあるので、このカメラとの相性は良いと思われる。しかし、この日の記憶がほとんどないのは、多分とても暑かったのだと思う。見物客もたくさん居た。鳥居の近くでべっこう飴が売っていたような気がするが、こんな暑い日にベトベトしたものは食べたくないなあと思って見送った。土産もゼロである。観光客あるまじき行為である。へとへとになって帰ってくると、なんとまあ立派な藤があるではないか。

なーんだ、あるじゃん藤。と思いながら撮ったものである。少し暑さが収まって、丁度良い夕焼けに照らされて、見物客は私だけであった。とんだ回り道をしたと思ったが、亀戸天神に行かなければこの時間、この藤には巡り会えなかったのである。藤まつりは奥が深い。

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