2015-17年のフースラーブームを振り返る

 別にフースラーがオワコンとか、批判する記事ではないです。全体としてみれば定着し、落ち着いてきたということ。主にTwitterで起こったフースラーブームを、歴史家として振り返ります。

フースラーブームの流れとその正体

 武田さんの前著「黒本」出版が2012年末、2013年時点では知る人ぞ知る、私が知る限り、ネットでの評価も「イロモノ」扱いでした。
 それが、2016年2月にはこんな状況に(現在は電子書籍版が普通に買えます)。

 よって、2015年後半から火がついたと見るべきでしょう。火付け役が誰だったのか、口コミなのか、残念ながらわかりません。今回の記事はあくまで総括です。

 前著「黒本」が品薄状態のまま、2017年2月に新刊出版。2016年から徐々に増えてきたTwitterのボイトレ界隈が一気に活気付きます。申し子のようなキーマンが一人いましたが、彼の登場も垢消しも、見事に後述の出版事情のタイミングに一致するんですよね…。

 2017年7月に「黒本」電子書籍化。

 この間、私も2017年6月からボイトレ界隈の記事が増えます。直接やり合う事もあり、9月までピークが続きます。フースラー界隈は10月以降急速にしぼみ、2018年になると実に静かなもので、8月現在、見る影もありません。

 最近私はボイトレ垢について批判的なことばかり書いてますが、もはや客じゃないというか敵が多いので自然とそうなってしまいました。。

 2017年は私のアンチの動きも非常に活発で、今思えば、ここで有料マガジンを始めたのは最悪のタイミングだったと言える。
「フースラー界隈を壊滅させたのは私」というのはよくTwitterでネタにしてますが、これは事実ではない。多少影響があったにせよ、本質的な原因ではない。バトルのタイミングが一致したため、そう見えてしまうだけ。
 冷静に振り返ると、彼らの動きは出版状況と連動していることがわかります。フースラーブームの正体、主な原因は二つ。

フースラー界隈系ボイトレ垢は
・新刊について情報共有がしたかった→2017年2月以降3ヶ月がピーク
・「黒本」の情報がほしかった→2017年7月解決

 メインの目的を果たしたら、そりゃしぼみますよね。もし「黒本」品薄が解決してなかったら、ブームはもう少し長く続いたのではないかと。

匿名非発信型ボイトレ垢の生態

 結局のところ、ボイトレ垢って

教本以外のサンプル音源がほしい or 自分の音源を診断してほしい

 という人が多いんじゃないかと思うんですよ。そんな疑問からアンケートをしました。

 結果は2つ目の票が多いのは想定通り、苦し紛れに用意した4つ目の票が多かったのは想定外。3つ目は予想通りというか、匿名性が高い専用垢が多いので納得。一見賑やかでも「人」はどうでもいいというドライぶり…これが既に述べたフースラーブーム終焉にもつながります。
 この選択肢で「音源!」という本音を正直には答えづらいし、2つ目の選択肢に自分の音源にコメントをもらう方は含まれてしまう。厳密にすると意図がバレてしまうので、シンプルにINPUTのみの選択肢にした。「今も生き残っている&24時間以内に私のツイに触れる」熱心な垢しかこのアンケートには回答できない、という構造的問題はもちろんあるが。
  そもそも情報収集、教本やブログ・動画のチェックだけならTwitterなんかやる必要がないし、やるとしてもROM(リア垢・本垢などで)でいい。アンケートは「専用垢はなんのため?」という問いかけでした。
 匿名性の高いボイトレ垢はブログや動画など情報共有している様子が全く見られないんですね。基本、音源のツイにリプでコメントし合っているだけ。さりとて、発信もしない。「教本では得られない、ミクロな音源相互コメント(無料)」が最大の理由ではないかと(ボイトレ垢の場合は鍵垢が多いので、音源を聴くだけでもフォローを通すための垢は必要)。
 つまり掲示板時代とやってることは同じで、一つの「音源」スレに2,30人のボイトレ垢がいるようなものというまとめになります。

 マクロ、一般論は既に名の知れたトレーナー以外の発言に興味はなく、新規開拓する気もない。だから、中途半端な立ち位置の私は嫌われるし、最初から「お呼びでない」んですね。「音源もろくに上げない、コメントもくれないくせに偉そうなことをクドクド言ってるツイ廃のオッサン」という印象なんでしょうおそらく(すべて事実なので否定できない)。
 もしかすると、トレーナーなどのフォローはボイトレ垢としての名刺代わりで、実のところどうでもいいのかもしれない。フォローのラインナップが見事に同じなのも、仲間意識を演出するためなのでは。

 フースラーブームの分析とともに、いわゆる(パーソナリティが見えない)匿名非発信型ボイトレ垢の生態そして私との関係性が見えたというか、謎が解けてしまった。。
 考えたら私に好意的なのって、実名匿名はともかく積極的に発信や音楽活動・指導している人ばかりだ。そして年齢や学歴・階層もある程度近い人ばかりで、それ以外の人には届かない…などということに悩んだりもしましたが、私は元気です。今はもう割り切りました。
 私の戦場は、「音源スレ」ではない。それはもうとっくに卒業している。なので、これからもそういうフォロワーは増えないであろう。Twitterボイトレ界隈の需要は相変わらず、私が散々批判している無料トレーナーにある。