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【プロダクトアップデート】国土地理院データを利用して日本のMapbox標高データを刷新|Mapbox Terrain

Mapboxは、日本エリアにおける標高データのタイルセットを、高精度化するためにデータを刷新いたしました。こちらにより、3D地図スタイルによる高精細且つ正確な表現が可能となります。

更新したデータ概要

更新対象標高データタイルセット:mapbox.mapbox-terrain-dem-v1
データソース:国土地理院 数値標高モデル(5m/10m) 
参考:https://fgd.gsi.go.jp/download/ref_dem.html
承認:(国土地理院) 測量法に基づく国土地理院長承認(使用)R 3JHs 223)

なぜ更新をしたのか?従来標高データの課題

Mapboxの従来の標高データタイルセットは、SRTM(Shuttle Radar Topography Mission)をベースにしたデータであったため、以下の2つの理由で低精度でした。

  • 30mメッシュのタイルの精度(30m四方メッシュ内に1つの高さデータを付与)

  • SRTMは、DTM(Digital Terrain Model/数値地形モデル)ではなく、DSM(Digital Surface Model/数値表層モデル)であるため、実際の地表面ではなく、森林の樹木の高さや市街地のビルの高さを、標高として表現されているデータである

よって、東京などの高層ビルが立ち並ぶエリアでは利用が不向きであり、且つ、山間部の表現も粗い精度となっておりました。

どのように更新したのか?

より高精度な表現を実現するため、国土地理院様が公開している数値標高モデル(5m/10mタイル精度)データを利用しました。Mapbox地図と組み合わせてご利用いただけるように、全て標高ラスタータイルに変換し、Mapbox の1レイヤとして読み込んでご利用いただけます。地図3D表現もご利用可能です。

高精度な5mタイルのデータを優先して利用していますが、日本全国をカバーするデータではありません。よって、10mタイルを利用して補完して、日本全国をカバーするタイルセットにしました。精度と属性が異なるデータを組み合わせて利用する必要があったため、その形状や属性の整合を取り、3D地図表現として違和感のない仕上がりとなるよう、処理を行いました。


どう改善されたのか?3D地図スタイルのBefore&After

どれほど正確になるのか、言葉で示すよりも、図で視覚的にご確認いただく方が良いでしょう。山、渓谷の様子ははっきりと確認でき、河川の堤防や城の堀、棚田の表現も可能となる精度です。

左)旧標高データ(SRTMベース)
右)新標高データ(国土地理院 数値標高モデルベース)

山間部と平野

渓谷

都市高層ビルエリア(東京都晴海)

山裾と道路

山裾と湖面

どのように使える?導入方法とユースケース

Mapbox Studioで3D Terrainをonにして、バージョンアップした3Dスタイルをご確認ください。

Mapbox GLJSでは、setTerrainにより、Maps SDK ではv10以降でご利用が可能です。

これまで利用に適していなかった都市部でも3D地形表現が可能になります。坂などが多いエリアを3D表現することで、不動産分析の精度向上に寄与する可能性があります。また、山間部のマラソンや自転車などのロードスポーツやカーナビゲーションにおいては、より臨場感のある地図表現を可能にすることが期待されます。


国土交通省 国土地理院様からのコメント

国土地理院の基盤地図情報を使用(R 3JHs 223)した地形タイルのリリースおめでとうございます。Mapbox様、Mapbox Japan様と国土地理院とは、国連オープンGISイニシアティブに参加する対等なパートナーとして、ウェブ技術を用いた三次元地理空間情報の自由な流通のため努力を結集しているところです。今回リリースにより、さらに多くのユーザーに信頼できる地理空間情報をお届けできることを光栄と考えております。


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お問い合わせは下記までご連絡ください
https://www.mapbox.jp/contact