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2人芝居を観に行った話


知り合いの劇作家が書き下ろした2人芝居を観に行った。
彼とは仕事を通じて知り合ったが、なかなか面白い人で独特の世界観を持っており気が合う同僚だった。

彼の描いた劇作を観るのは初めて、しかも2人芝居。アートサロンのような狭い空間。
小道具もほぼなく、動きや台詞だけで観客にイメージさせる。

最初観ていて、2人の関係性がよくわからなかったが、ある台詞で「ああ、そういうことか」とわかる。
なんとなくすれ違っていて、時々噛み合わない2人。
きっとこのまま一緒にいてもうまくいかないんだろうな。少なくとも片方はそう思っている。そんな雰囲気。
彼はいつの間にか姿を消していて、そのまま音信不通になる。

男女のカップルだったらおそらくこうはいかないだろう。(人によってはフェードアウトもあるのか?)
ゲイのカップルだからこそ、あの終わらせ方になったのかなと考えた。


アフタートークで劇作家と演出家が話していた内容で、劇作家は稽古にあまり参加しないようにしていたそうだ。彼には正解がわかっているから、あえて口に出さず演出家や演者に解釈を任せた。へぇ、こういう風に考えたんだと新しい発見があって面白かった、と。
確かに、劇作家が演出もやれば話が早いだろうに、敢えて別の演出家に託しているならその考え方の違いを楽しんでいるのが彼らしいなと思った。

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