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大学生の頃~臨海実習の記憶~

高校生活を悶々と過ごした後、生き物について学ぶ学科に進学。下宿生活の始まりです。2階の四畳半一間を四千円 / 月くらいで間借り。仕送りは2万円くらいだったか?それでひとまず生きて行けました。
当時は学生運動が真っ盛りで大学は封鎖され、講義も何も10月までありません。
夏休みは帰省して小遣い稼ぎのアルバイト。機械でブロック型にプレスしたセメントを、1個ずつ壊さないように、屋外の乾燥場までひたすら運ぶという真夏の過酷な作業でした。それが学費に回ることはなく遊興費に霧散したのでした。
結局、この年大学は後期だけで前後期2期分の単位を出すという離れ業をやってのけたのです。出来が悪いのはそのせいかもしれません。

2年生と3年生の夏休みに入る前の一週間ほどは、海産動物について学ぶため、実験所に泊まり込んでの臨海実習になります。食事は賄いのおばさんが作ってくれたり、仕出し屋さんから弁当が届いたり、実習に使ったタコ🐙がゆでダコになって食卓に並んだり・・・。
実習では、おぼろな記憶ながら、ウニの卵に精子を振りかけて顕微鏡下に観察するというのがありました。高校の生物の教科書にも載っているヤツです。
ムラサキウニやサンショウウニ、バフンウニ(馬糞ウニ:形状は想像いただけると思います)などを使い、個体の半分ほどを海水に浸けて電気ショックを与えると、雌ならちょっとオレンジがかった卵の細かいツブツブがダラ~っと落下してビーカーの底にたまります。雄ならやや黄色い乳白色の精子(小さいのでツブツブは見えない)がダラ~っと落下します。
卵に精子を振りかけて顕微鏡で見ていると、卵割(細胞分裂)が始まり細胞数が増えて行きます。n回分裂すると細胞数は2のn乗になります。夜遅くまで観察しました。

タコはあのレベルの動物としてはかなり知能が高いということが分かってきています。生きたタコが体色を素早く変えるのをご覧になった方も多いでしょう。ゆでダコになってしまえば、あのままですけど・・・。
実習は、タコの表皮を引っ剥がし顕微鏡下に、色素細胞の形状変化が体色変化を引き起こすことを観察し、それが神経支配か、ホルモン支配か・・・などと。
他にも実習テーマはありましたが、よく覚えていません。なにしろ 50年以上前の体験なので・・・。

年寄りのノスタルジーでした。
その後の人生で何かの役に立ったのかと問われると微妙ですけど、面白かった、楽しかったという記憶は残っています。
指導して下さった先生方も懐かしい。
ほとんどの方は異界に移られました・・・。

PS:茜町さんの画像をお借りしました。ありがとう。