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【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/9/15】サンデーレポートvol.5

今週のドル円はリスクオンムードであり、106円台半ばから108円前半まで高値をつける上昇トレンドの相場でしたね。

今週の主なニュースをピックアップしてみます↓


10日:トランプ大統領発言「来週、中国側と協議する」→ 107.500まで上昇

11日:「中国が米国農産物の購入拡大の見通し」と報道→ 米中通商協議の進展が期待され、ドル円がじりじりと上昇

12日:12時頃「中国は貿易協議前に米農産物輸入を検討している」と一部報道→ 108.170の高値をつける

23時頃のトランプ大統領顧問ら発言「関税を先送りするために、中国と暫定合意を検討する」→107.700から108.080まで上昇

13日:中国副首相発言「米中通商協議が進展する可能性が高い」+トランプ大統領発言「中間所得層への減税を来年発表する予定」→リスク選好による円売り加速し、108.200台まで上昇


週を通して米中通商協議に関してプラスの材料が連発しましたね。それに伴ってリスクオンムードにより、ドル円は上昇トレンドを形成しました。金曜日の終値も108円台をキープしたままです。

先週のレポートの「108円台を目指すシナリオ」とほぼほぼ一致した値動きをしたのは喜ばしいことです。とはいっても、現段階では「問題が解決する”かもしれない”」程度の材料であり、根本的な解決にはまだ至っていません。

ここからの高値も油断は禁物です。しっかりと分析していきます。

それでは、2019年9月15日時点のドル円相場分析と今後のシナリオ(日足→4時間足→1時間足)を考えていきます。

日足:逆三尊はそろそろ完成か(ここからある程度の下落を想定)

今週は5日連続して上昇する力強い動きでした。上昇トレンド転換のパターンとされる「逆三尊」(白線)を形成しているのも確認できます。

注目すべきは「ここからさらに109~110円をつけるのか?」ですね。

個人的には直近では難しいと考えています。後ほど詳しく分析しますが、4時間足を見てみると「日足A波の終点間近である」と考えることができるからです。

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来週の目標高値は108.800台です。このレートがA波の終点となるのではないかと考えています。根拠としては図の青丸のように、これまでに3回レジスタンスラインとして働いていることです。

A波完成後は下落のB波が形成されていきます。

現時点では、B波の下値メドは107.250あたりまでと予想しています。根拠としては図の緑丸のようにこのレートがサポートとして意識されているからです。

この107.250あたりで反発してC波(上昇)を形成すると、より大きな逆三尊(黄色線と黄色矢印)を作るので確かな上昇トレンドとして期待できます。このシナリオ通りになれば、年末には110円台までレートが戻っている可能性もあるかと考えています。

日足レベルで注目すべき直近のラインは以下の2つです。

・上昇のメドである108.800台のレジスタンスライン

・下落のメドである107.250台のサポートライン

どちらのラインも多少はオーバーすることも考えられますが、髭になる優位性が高いと考えてきます。逆に大きくこのラインを割っていくのであれば、シナリオを見直す必要がありますね。

4時間足:108円台キープ or 一旦戻して上昇か

ここからは、108.800台までの上昇シナリオを考えていきます。

直近の動きでは2通りの上昇が考えられます。1つは日足チャートの緑矢印のような上昇。もう1つは、日足チャートの白矢印のような上昇です。それぞれ4時間足(1)と(2)に対応しています。

今週は3-3-3-3-3ダイアゴナル(黄色線でカウント)の3波まで形成したと考えます。3-3-3-3-3と言うのは副次波(白線)のことです。

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1つ目の上昇シナリオは「108円台をキープしつつ、108.800を目指す」強い動きです。

週明け、108.000~.200で揉み合う修正4波を形成した後に、推進5波で108.800まで攻めていくシナリオ①です。

ポイントは「4波で108.000を明確に割らないこと」です。107.950台までの下値での髭は許容できますが、それ以上に下げ幅があればこのシナリオ①は望み薄です。

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2つ目のシナリオは「107.500あたりまで一度下落した後、再び上昇する」値動きです。

週明けに108円台を一度割って下落の4波を形成し、その後に上昇の5波を伴って108.800を目安に攻めるシナリオ②です。

今週の値動きは比較的に強い上昇だったため、そろそろ息切れを起こすのではないかとも考えられます。「上げるためには、一度下げる必要がある」とよく言われますし。

ポイントは「108.000を割ること+どこまで下落するか」です。108円を割った後の下落メドは107.500~.250です。詳しくは1時間足の分析で述べます。

107.250ラインを割ってしまうと上昇シナリオが怪しくなってきます。その次のサポートラインは107.000や106.680になってきますが、このあたりまで下落するのであれば、シナリオを一度見直す必要がありそうですね。

1時間足:108円をキープするシナリオ or 108円を割って一度下落するシナリオ

4時間足の上昇シナリオ①②を深掘りしてみます。

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まず、シナリオ①で考えられる週明けの値動きは、108.000~200での揉み合いです。上値と下値にチャネルラインを引いてみると「トライアングル」系のチャートパターンを形成中と考えることができます。

特に「トライアングル」のなかでも「ランニングトライアングル」であると考えます。ランニングトライアングルはb波終点(108.259)がa波始点(108.158)を越えるような特徴を持つパターンです。

先週末まででd波まで形成していると考え、週明けにe波の小さな下落をした後、再び上昇トレンドを形成する値動きのシナリオになります。

週明け月曜日は祝日なので東京時間では、e波後にさらに揉み合う可能性もありますが、108.000を根強く割らないのであればこのシナリオ①が濃厚になります。

逆に108.000ラインを割ってしまえば望み薄です。

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シナリオ②で考えられる週明けの動きはまず、108.000を割って下落する動きです。オレンジ線のような3つの副次波で作られる下落4波を想定しています。この場合は「ランニングフラット」あるいは「拡大フラット」が作られるの可能性が考えられます。

「ランニングフラット」は「ランニングトライアングル」と同様の特徴を持っています。「拡大フラット」はA波<B波<C波と波の値幅が次第に大きくなる特徴を持っています。

・ランニングフラットの場合の下値メドは107.700(ローソクの実体の下値)

・拡大フラットの場合の下値メドは107.500~.250あたり(ローソクの下ひげor それ以下)

・107.250よりも下に割ってしまった場合は、上昇トレンドのシナリオ自体の見直しが必要


まずは、週明けに「108.000を割るか割らないか」が注目ポイントですね。

まとめ

今週はプラスのファンダメンタル材料が連続して、上昇トレンドを形成する流れになりました。この流れを週明けからも引き継ぐのか?それとも一度は下落に転じるのか?が注目ポイントです。


週明けからの注目すべきラインは以下のようになります。

☆日足:107.250、108.800

☆1, 4時間足:108.000, 107.500, 107.250 

それぞれの上値と下値のラインがレジスタンス・サポートとしてしっかりと機能するかを見ていく必要があります。

引き続き米中通商協議の進展とトランプ大統領発言には注意していくべきですね。また、18日にはFOMCもあるので為替相場の急変動には注意です。大きなサプライズ材料があった場合は、テクニカル分析が一時的に効かなくなることが多いので。


上昇トレンドだからと安易に「買い」を仕掛けると、高値つかみをする可能性があります。「現在がトレンドの序盤・中盤・終盤のどこなのか」を予想しながら、トレードしていくと安心ですね。


以上、2019年9月15日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

週明けからも頑張っていきましょう!!

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