【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2020/01/12】FXサンデーレポートvol.21
今週のドル円相場は、イラン情勢に振り回されるような値動きを見せましたね。急落からの上昇相場となり、一杯食わされた方もいるのではないでしょうか。
1月8日の早朝には「イランがイラクにある米軍基地に攻撃をした」と報道を受けて株為替は急落しました。ドル円は108円を割り込み、107.650まで下値を拡大。
一方でその後すぐに反発をして、結果的には押目となり週後半に掛けて上昇相場となりました。
「イランの報復が限定的であること」「両国とも戦争を求めていないこと」をうけて、地政学リスクの後退が主な原因と考えられます。
また、急落時とその後に仕掛けた売り勢力が捕まる形となりました。
目立った押目なく107.650から109円後半まで上げていったのは、売り勢力がじわじわ損切りさせられていったことが考えられますね。
オーダーブックで確認すると、かなりの売りポジションが捕まっていた記憶があります。(現在は解消されている⇒売りの損切りがあった)
急落一転、上昇相場へ。テクニカル的には日足レベルの推進3波に入ったと考えています。
それでは、2020年1月12日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。
月足:1月第1週は下ひげを伴った陽線をつける
月足レベルでは
・「トライアングル」が完成している
・月足レベルの上昇トレンドが始まりつつある
をメインシナリオとしています。
今週は直近の下値を拡大しつつも急反発して、週後半には109.700レベルまで価格を押し上げました。
ただ、109円後半になるにつれて頭が重い状態というのは変わらず。
週末の雇用統計の結果があまり良くなかったため、若干の下げで週末を迎えました。
週明けは、イランに関する報道は一旦リスク後退の見方が広がっていますが、まだ注意が必要でしょう。
また、15日には米中通商協議の第一段階合意の署名もあります。折り込み済みとは思いますが、米中の発言に注意ですね。
個人の相場観的には一旦調整の下落が入る可能性があると考えています。
日足:推進3波の上昇トレンドが作られる可能性が高いと予想
上図のように白線でカウントした「ダイアゴナル」が推進1波、黄色線でカウントした「C波巨大化フラット」が修正2波が完成したと考えます。
現在は推進3波の副次1波の形成中、あるいは完成している可能性が高いです。目立った押目がないカウントが難しい上昇となったので形成中か完成かは現時点では判断できません。
ただ、これまでに109.700ラインは強めのレジスタンスとして機能していることから、ここが副次1波の終点である可能性の方が高いとは考えています。
よって、週明けは副次2波を形成することが考えられます。
一方で、週明けに109.700を越えればそのまま110円台を目指すことが考えられます。
以下の4時間足・1時間足では「副次1波が完成した」と仮定して、副次2波の下値目安を分析・予測していきます。
4時間足:副次2波の下値予想Ⅰ
上図のように①~⑤の波形カウントをして「巨大化フラット」のC波は完成したと考えます。
⑤波は4時間足で見るとほとんど下ひげですが、
・直近の最安値(③波終点)を更新していること
・1時間足以下では、ローソクの実体があること
(もし、短期足でも下ひげだったら⑤波とは認めていない)
以上の2つから⑤波と見なしています。なかなか判断が難しいところです。
107.650から109.690までの上昇を副次1波と考え、完成したと仮定します。
これといった押目がないので困りますが、「インパルス」だったと考えています。
副次2波の下値候補は
・109.000前後:SMA(75)SMA(200)のレジスタンスが機能する場合
・108.580前後:推進1波のフィボナッチ76.4%、下落の勢いが強い場合
特に、イラン関連あるいは他のニュースでリスクオフとなると108.580ラインの優位性が上がると考えます。
また、108.580を突き抜けてフィボナッチ61.8%の107.870に近づくとこの上昇シナリオは否定、他のシナリオを考え直す必要があります。
1時間足:副次2波の下値予想Ⅱ
上図のように、107.650から109.690までの副次1波(完成と仮定)のフィボナッチを引きます。
週末の雇用統計後に上昇の勢いが崩れていますね。週明けにこの下落を起点に副次2波を形成していく可能性が考えられます。
1時間足で考えることのできる副次2波の下値候補は
・108.900ライン:フィボナッチ61.8%、109.000で買いが意識された場合
・108.680ライン:フィボナッチ50%、SMA(200)のレジスタンスもある
・108.430ライン:フィボナッチ38.2%、下落の勢いが強い場合
108.900ラインは、4時間足で見たSMAのレジスタンスと価格帯が一致します。下値が浅い場合の候補となり得るでしょう。
108.430~108.680は、4時間足で見た推進1波のフィボナッチ76.4%を挟んでいるので、このあたりまで価格が落ちると意識されそうです。
反対に108.430を割って、フィボナッチ23.6%の108.130まで下値を拡大するとこの上昇シナリオはかなり怪しくなります。
まとめ
今週はイランの地政学リスクとその後退に振り回される相場となりました。テクニカル的に見れば、推進2波の終わり(日足レベルの押目)の可能性があります。
推進3波の副次2波の下値候補は
・109.000前後
4時間足のSMAレジスタンス、副次1波フィボナッチ61.8%
・108.580前後
推進1波フィボナッチ76.4%、副次1波フィボナッチ38.2%~50%、SMA(200)レジスタンス
上昇シナリオが怪しくなるのは
・副次1波フィボナッチ23.6%~38.2%(108.130~430)まで下値を拡大
上昇シナリオの否定は
・上図の青い価格帯(108.130~107.870)まで下値を拡大させる
以上、2020年1月12日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。
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