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【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/9/1】サンデーレポートvol.3

今週のドル円相場は波乱の幕開けでしたね。

週明けから下に窓開け & 104.400台まで急落 & その後106円台まで急反発の3段構えの値動きでした。

8月25日時点の予想レポートでは「戻り売り」がメインシナリオでしたが、結果としてはサブシナリオの「窓開け&急落したら静観」が実現しました。

窓開け急落したので、安易な飛び乗りショート、逆張りロングのどちらも危険と判断したのは個人的には良かったと思います。

結果的に、2円ほどの急反発上昇しましたが「ロングをすればよかったな」と後悔はしていません。あのまま、中国側の発言がなければ、ずるずる下落していた可能性もあったからです。

そんな波乱に満ちた8月も終わりました。そこで、今回は8月の主なファンダメンタルの動きも振り返る + 2019年9月1日時点のドル円相場分析と今後のシナリオ(月足→日足→4時間足)を考えていきます。

8月の値動きの振り返り(米中貿易摩擦関連)

8月は米中貿易摩擦に関するニュースで、株為替が振り回されるような相場でしたね。

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-8月1日深夜-

FRBに対する不満を爆発させつつ、トランプ大統領は「中国に対する関税第4弾実施」を発表しました。それに伴い、米中貿易戦争の悪化懸念が広がり、ドル円は109.323から105.047まで大幅下落しました。

-8月14日-

2週間にして前言撤回とも言える「関税延期発言」「中国と電話協議をしている」という報道により、悪化懸念が緩んだことで一気に107円近辺まで戻しました。1週間ほどは、めぼしい材料がなくもみ合い(トライアングル)レンジ相場を作っていましたが...

-8月23日深夜-

中国が「米の関税に対する報復措置」の発表を急遽しました。それを受けてトランプ大統領は激怒し、Twitterにて中国批判を繰り替えし行いました。再び米中貿易戦争の悪化懸念が広がりました。ドル円相場は真っ逆さまに急落し、週末の終値は105.200台まで付けました。

-8月26日-

週明けは、23日(金曜日)の急落の続きとも言える下に窓開け&急落104.400台まで下値を掘りました。しかし、ショートカバーと合わせて中国と米の発言による「米中通商協議再開の期待感」が広がり、急反発の上昇を見せました。米中ともに株為替が急落したので慌ててフォローした形だと思います。

月末には106.680の高値まで戻る値動きも見せました。

ー9月1日ー

8月1日の「関税第4弾」の発表通り、本日9月1日に関税第4弾が発動しました。このファンダメンタルがすでに織り込まれている可能性も十分ありますが、週明けに下窓を開け&ドル円下落可能性も捨てきれません。

個人的には、そろそろ上昇トレンド転換をしてもいい頃と考えているのですが、転換をするか否かは9月の米中貿易摩擦の解決具合ですね...。

9月も米中貿易摩擦関連の発言・ニュースは要チェックです。

月足:104.300水平線に注目

月足レベルでは、エリオット波動理論における「トライアングル」を形成中あるいは完成している2つのシナリオが考えられます。詳しくは8月25日時点のレポ-トに書いています。

今回は104.300近辺の値動きに注目して見ます。

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2019年8月の月足のローソクは下ひげを付けて終わりましたね。

104.300の水平線(赤線)に注目してみると、今までに3回このラインで下ひげを付けたあと反発しています。9月はこのラインを根拠に反発の上昇を見せるのかが1つの注目ポイントではないでしょうか。

このラインを割らないのであれば、上昇トレンド転換の優位性が上がります。逆にこのラインを割れば、下落トレンドの継続・100円割チャレンジが見えてきます。

9月は米中貿易摩擦・米国債金利逆イールド問題を踏まえて、104.300台を割るか割らないかが争点になるのではないでしょうか。

日足:次の下落で、下値を更新するか否か

「トライアングルE波終点あたりにいる」ことをメインシナリオで考えると今週の反発上昇は、上昇トレンド転換の第一歩と考えることができます。

と言いつつも、相場の雰囲気はまだまだ下落トレンドではあります。そのため、次の下落で下値である104.443を割っていくかが注目ポイントです。

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今週の上昇分のフィボナッチラインを取ったときの下値候補は以下の3つです。

①38.2%まで戻しの105.300

②50%まで戻しの105.550

③61.8%まで戻しの105.800

この①~③の間で反発したときに期待できる上値は161.8%の108.060です。また、100%の106.680を越えた時点で、日足レベルで逆三尊の完成も認めることができるので、下目線の市場参加者が減りそうです。

一方で日足レベルで①~③全て突破されてると、上昇トレンド転換のシナリオの優位性は失われると考えます。その場合は23.6%の105円を再び割るかどうかが争点になりそうですね。

4時間足:上昇転換シナリオを考えてみる(否定されれば下落トレンド継続)

今回は、トライアングルE波中が完成した(日足のC波が完成した)と仮定して上昇トレンド転換のシナリオを考えてみます。

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104.442の下ひげを考慮せずにフィボナッチを引いたときの上昇トレンド案①が上の図です。副次波5-3-5-3-5のインパルスが今後に形成されていくと考えます。

週末にインパルス1波の副次波4波まで完成したと考えます。週明けに5波を形成(上昇)をすればこのシナリオの優位性が上がります。5波終点は161.8%の107.000円となります。

5波終点後は、副次波3波構成で下落の2波が形成されますが、106円はギリギリ割るか割らないかあたりでストップすると考えています。

2波完成後は上昇3波が形成されて108円台を目指す という流れです。

このシナリオは週明け下窓を大きく開けていれば否定されます。具体的には106円を割っていれば①のシナリオはなしと私は考えています。

週明けの値動きに注目です。あっけなく否定される可能性が高いです笑。

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104.442の下ひげまでフィボナッチを引いたときの上昇トレンド案②が上の図です。副次波3-3-3-3-3構成のダイアゴナルが今後に形成されていくと考えます。

上昇トレンド転換の条件としては、次の下落は直近の下値104.442よりも上のレートで反発しなければなりません。

106.680までの上昇が1波目とカウントすると、週末の下落に続いて週明けは2波の続きを作ることが予想できます。

この場合、2波の終点候補は日足で見た反発ポイントと同じ①~③のレートです。

上昇トレンド転換であれば、3波は108円を目指せるのではないかと考えています。一方で、フィボナッチ23.6%の105円を割れば、このシナリオは望み薄と判断します。

まとめ

今回は上昇トレンド転換シナリオを述べてきましたが、下落シナリオをまったく考えているわけではありません。これらの上昇シナリオが否定されたときには下落シナリオ分析に頭を切り換えていくことが必要ですね。

上昇転換シナリオが否定されれば、まず日足C波はC波ではなく下落トレンド3波と捉えることもできるようになります。その場合は波のカウントを改めなければなりません。

「相場は常に自分の想像の斜め上の値動きをする」と考えています。


週明けから注目すべきは、以下の4点だと考えています。

☆米中貿易摩擦に関する発言とニュース

◎加えて、米国債金利の逆イールド問題

☆106.000、105.800、105.500、105.300での反発の有無

☆105.00を割るか、最安値104.442を割るかどうか

値動きとニュースを観察して、柔軟な思考を持つことが大事ですね。今回は上昇シナリオについて考えましたが、週明けにの値動きを見て「やっぱり下落トレンドだわ」と考えを改める柔軟性も必要です。

一方向のシナリオを考えてそれが否定されれば、その方向に固執せずに逆方向のシナリオを疑うことが重要です。

以上、8月のドル円相場の動向 & 2019年9月1日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

週明けからも頑張りましょう!

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