ドル円相場を1960年代からエリオット波動でざっくり見て今後を予想
2019年8月に入ってから急激な円高が進んで、109.300台にあったドル円は10日ほどで105.000円台まで大幅下落しました。
この下落を目の前にして、2019年1月3日のフラッシュクラッシュの再来が騒がれていますね。また、104円を割る、さらには100円を割るとも噂されています。
本当に割るかもしれませんし、割らないかもしれません。
後の話にも出てきますが、月足でドル円を見てみるとトライアングルの終点にさしかかっています。2015年~2019年まではこのトライアングルを形成中であり、レンジ相場でした。
そろそろ、月足レベルの転換点。大きなトレンドが発生する頃かもしれませんね。
ということで、大きな流れはどちらに向くのか?今回はエリオット波動理論を使って予想してみます。
※今回の予想はたった1つのシナリオでしかありません。また、かなり長い時間軸で考えているため、今すぐそうなるとは限らないことに注意です。
1960年代から2016年前半までの超大枠で見る
1941年から1971年までのドル円相場はUSD/JPY=360円固定レートでした。しかし、1971年8月15日のニクソン・ショックをきっかけにUSD/JPYの下落トレンドは始まりました。
360円の固定レートが崩れ始めた点から下落トレンドの波をカウントしていきます。
波のカウントをした結果、上の図のように2011年10月で5波終点。底打ちしていると考えられます。
下落の波動はインパルスというよりも3-3-3-3-3波のダイアゴナル系に近いような気がします。
最安値USD/JPY=75円台から125円台まで大きな反発の上昇が見られます。これを下落に対する修正波A波、あるいはA波の一部と考えます。個人的には波の大きさからしてA波の途中であるシナリオを押して行きたいです。
1990年代から2016年前半まで大枠で見る
下落3波が終わったあとに形成されたチャートパターン(4波)はトライアングル系であると考えます。
下値は100円台をキープし、上値は徐々に切り下げているので「ディセンディングトライアングル」と判別できます。また、E波は上値のチャネルラインをブレイクしていますが、しばしばトライアングルE波はスローオーバーしてから5波に移る特徴があります。
これらの情報からやはり、4波はトライアングルと断定しても良さそうです。そして、5波はインパルス系の急激な下落を伴い、最安値USD/JPY=75円台で底打ちをしています。
その後、1~5波の下落トレンドに対する修正波の始まりであるA波が形成されつつあると考えられます。
2008年前半から2018年前半の中枠で見てみる
下落トレンド5波終点を迎えてから反発した上昇をA波と捉えます。A波は2015年6月頃に125円台の高値を更新しています。
A波は125円を更新したあと、半値戻しを食らっています。ここでA波終点と捉えるか、A波中の修正波なのかの判断は現段階では難しいです。そのため、A波の完成 or A波(1):A波の1波目と表示を曖昧にしています。
125円を更新した2015年から2018年前半のチャートパターンを見て見るとトライアングルを形成しているようにも見られます。この上昇対する修正波をB波or A波(2)とします。
2012年から現在2019年までの月足で見る
さきほどのB波orA波(2)を月足で見てみるとトライアングルを形成しているように考えられます。
上値を切り下げていき、下値を切り上げているので基本的な「トライアングル」と判断します。
トライアングルはA~E波の5つのカウントできるのが特徴ですが、現在2019年時点が5つ目のE波であると考えることができます。
1990年代から2016年前半まで大枠で見たトライアングルのようにE波がスローオーバーしています。トライアングルは修正波であるため、完成後はトライアングル形成前の方向に価格が推移する可能性が大きいです。
ちょうど1990年代から2016年前半まで大枠で見たトライアングルは形成前が下落トレンド(3波)、完成後に下落トレンド(5波)を作っているように。
このようなトライアングル完成+E波スローオーバー後の動きが今後のドル円相場でも起きるのではないかと考えられます。つまり、ここのトライアングルから上昇トレンドに転じる可能性があるということです。
まとめ
上昇トレンドに転じれば月足レベルで再び120円台を目指す上昇トレンドを形成するかもしれませんね。しかし、2019年8月の現段階でそれが難しいようにも考えられます。
主にファンダメンタル的な「米中貿易摩擦」や「世界的な経済の低迷」が課題ですね。そのため、直近の動きですぐに上昇トレンドに転じるかどうかは「わからない」というのが正直なところです。
直近の状況では、
・105円台を割ってトレンド転換
・100円台を割ってトレンド転換
・100円を割ったまま下落方向継続
・トライアングル延長による月足レンジ相場の継続
などのシナリオも考えられます。
個人的なメインシナリオは
・2019年から2020年中に上昇トレンドへ転換
に優位性があると考えています。(現段階は逆風の中ですが…)
以上、エリオット波動による1960年代から2019年現在までのドル円相場の分析でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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【引用】前半3つのチャートは以下のサイトから
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